『思い出のマーニー』についての、僕なりの解題のようなもの。 | 想像上のLand's berry

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言葉はデコヒーレンス(記事は公開後の一日程度 逐次改訂しますm(__)m)


『思い出のマーニー』についての、僕なりの解題のようなもの。

注:ネタバレします。

 杏奈はなぜ一時期マーニーのことを忘れかけたのか。杏奈はなぜ、サイロで自分を置き去りにしたマーニーをいともたやすく許せたのか…について、改めて見直してみて考えたこと。

 まず、なぜマーニーを一時期忘れかけたか…。

 杏奈という子は、現実と夢とが綯交ぜになったようなところのある子ですよね…白昼夢というかな。だけど、廃墟となった現実の湿地屋敷を見てしまったことで、現実が白昼夢(マーニー)に覆いかぶさってしまう…。だから、マーニーのことを忘れかけてしまう。久子の絵、それから彩香の見つけた日記によって、マーニーの存在が現実味を帯びることで、再び夢が現実に混ざっていくわけですけども。

 もうひとつ重要だと思うのは、忘れかける直前の大岩夫妻との会話シーンで。あそこで杏奈は、自分が頼子(養母)に愛されていたことに気づかされるんですよね。そこで直近の問題は解決されるので、白昼夢=マーニーの存在は、いわば「ライナスの毛布」のように不要になりかける(だから、マーニーを忘れかける)

 ただ、それは本質的な解決には成り得なくて…なぜなら杏奈の根っこにある問題は「両親と祖母に見捨てられた」と思い込んでいることなので。そこを解決できるのは、(祖母である)マーニーだけなんですよね。だから、杏奈はマーニーを求め続けて…そうして再びマーニーが現れる…。

 だからこれは、ずっと自問自答を繰り返しているような話で。答えは実は最初から杏奈の内にあるんです。ただ、そこにたどり着くためには、ちゃんと過程を踏んで、順を追っていく必要があって。

 なぜあっさり許せたか…って話もたぶん同じで。最初から答えは杏奈の内にあって。

 杏奈は…両親と祖母に先立たれたことで「置き去りにされた=自分は愛されていない」(+里親が養育費をもらっている=愛されてない)って構図の悩みをずっと抱えている子ですよね。

 でもあそこで、窓を破って叫んだマーニーの言葉で、愛されていても置き去りにされることがある…つまり、「置き去りにされたこと」(養育費をもらっていること)と「愛されていないこと」はイコールじゃないんだってことを、ちゃんと心で理解できた…のじゃないかと。(もう少し言うと…あそこで愛しながら、その気持ちを伝えながら置き去りにすることで、マーニーの役目は完遂する…)

  杏奈にとって問題だったのは「自分は愛されていない」ってことなので、「置き去りにされたこと」(養育費をもらっていること)という事象自体は許せるわけで。

 もちろん、そのマーニーの言葉も、もともと杏奈自身の内にある言葉というか…それまで目を背けていた祖母の記憶とか血から再構成されたというかな…そういう言葉なので、結局、ここでも自問自答していて、最初から答えは自分の内にあるんですけどね。

 ぼくの考えでは、サイロの時点ですでに答えは出ている(…もともと自分の内にあるんだけれど、サイロの時点でたどり着いた)んです。あそこのサイロで、杏奈は祖母(マーニー)に優しく手をポンポンされていた夢…白昼夢でない本当の過去の夢を見て…愛されていた記憶を取り戻しますよね。あれが決定的だと思うです。自分がちゃんと「愛されていたこと」に気づくという。

 だからマーニーは今度こそ消えていってしまう…。少なくとも白昼夢としてのマーニーは杏奈には必要なくなるんです。マーニーがいなくなって、杏奈は表面的には泣き叫んでいるんですが、あの時点で、心の深層ではもうちゃんとわかっている。だからこそ、杏奈はすぐにマーニーを許せてしまう。なぜなら、杏奈のなかで、もう答えは…自分は愛されていたんだって答えは出ているから…。

 白昼夢としてのマーニーは去って、そうして、祖母としてのマーニー(現実に自分を愛していた存在)が杏奈の中に帰ってくる…。むしろ、ふたつがひとつになるというかな…。祖母を…両親を許せたことで、杏奈はこの世界を…現実世界を肯定できるようになって、だから白昼夢も消えていく…。

 …のかなと( ..)φ

(あくまでも僕なりの解題なので<(__)>)

 まあ、感情の変化をうまく描けているか…とか、いろいろと疑問に感じるところもありますが…(^_^;)

 ただ、今回見直してみて、やっぱり『メアリ』とはちがうな…って。