銀魂(3.5) | 想像上のLand's berry

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言葉はデコヒーレンス(記事は公開後の一日程度 逐次改訂しますm(__)m)

 
銀魂
 
監督:福田雄一
 
概要
 空知英秋の大ヒットコミックを、小栗旬を主演に迎えて実写映画化。宇宙からやって来た天人(あまんと)が台頭するパラレルワールドの江戸を舞台に、万事屋を営む風変わりな侍・坂田銀時と仲間たちの周りで起こるさまざまな事件をコミカルに描く。メガホンを取るのは、テレビドラマ「勇者ヨシヒコ」シリーズなどの福田雄一。銀時のもとで働く志村新八に菅田将暉、神楽に橋本環奈がふんするほか、長澤まさみ、岡田将生、柳楽優弥、中村勘九郎、堂本剛ら豪華キャストが勢ぞろいする。(シネマトゥデイより)
 
感想
 これだけ有名な作品…でなくとも、マンガ/アニメ作品の実写化というのは、とかくいわくがつくもの。パッと映った時の小栗旬くんがさ…「え?銀さんってこんな年なの?」って(設定的にはたしかにそうなんだろうけれど)。「年齢不詳」キャラがやり易いアニメとはちがって、実写だとどうしても年齢を感じてしまう。あとは声だなあ…『銀魂』と言えば、やっぱりあの三人の声で再生されちゃうわけで。
 
1.
 ただ、この監督はさすがに、どうやったら実写でアニメっぽい感覚を再現できるか、ちゃんと分かっている。
 
 アニメにはフレーム間の跳躍がある…つまり、ある動きがあるとして、1→2→3→4…と描くんじゃなくて、1→3→6みたいな感じで飛ばして描く。それがまたアニメ特有の軽快さとか心地良さに結び付いている。この映画は、そこのところをちゃんと分かっていて、アクション・シーンなんかは特に、編集で途中の動作を省略している。
 
 アニメ『銀魂』特有のノリもちゃんと再現されている。OPでCDTVのパロディをやるところなんて、まんまアニメの世界だったし…いや、この映画、パロディ・ネタが色々と酷いから。「大丈夫なの?」っていう。良い意味でね(≧∀≦)ノ 
 
 だから、見ている内に、あまり実写とアニメの違いが気にならなくなるというか…キャストも必ずしも「似ている」わけではないけれど、これはこれで、ちゃんと福田版『銀魂』として世界が成立しているように思える。とくに女性陣は割りといい感じ。菜々緒さん良いね。
 
 ただ…だからこそ、メインキャストの声の違いはやっぱり気になってしまう。これだけCGを使って、実写素材もほとんど「素材」に過ぎなくなっていて、先述した編集面も含めて、もう半分アニメ…実写素材を使ったアニメみたいなもんなんだから、いっそのこと吹き替えにしちゃっても良かったなあって。
 
 実写⇔アニメという二項対立的な関係じゃなくて、「実写アニメ」…実写を素材にやってみたアニメみたいな道があり得た…と、この映画を見て思ったんだよね。
 
 なんというか…これ、「これこそが『銀魂』だ!」と言い張っている作品ではなくて、「実写で『銀魂』やってみちゃった(テヘ)」みたいなノリの映画なんだ。実際、「実写だと着ぐるみ感すごいな…」みたいなメタ的なツッコミしていたし。むしろそこが逆に『銀魂』っぽいというか。もともとメタ的なところのある『銀魂』は、そういう遊びを許容する作品でもあるわけで。
 
 だから…この実写化は、色々と目に見える(分かりやすい)欠点よりもむしろ、これからの「実写化」の潜在的な可能性/方向性を垣間見せてくれたというか、そういう点でぼくは評価できる。
 
2.
 ただ脚本が…。映画としてやるからには「大きな物語」をやりたいというのは分からなくはない。けれど、『銀魂』のいちばん美味しいところって、ぼくはむしろ日常パートのくだらない描写だと思うのね。もちろん、原作もシリアスやるんだけれど、そういうのは別に(たとえば)『るろ剣』でも見られるわけで。シリアスと笑いのバランスこそが魅力という意見も分からなくはないのだけれど、2時間でそれ両方やるのなかなか難しい。
 
 この映画、シリアス・パートの前後にも軽いシーンは混ぜてあるから、必ずしもシリアス一辺倒というわけではない。でも、見ていていちばん楽しかったのは、冒頭の瑠璃丸のくだりとか、ムロくんが出てくるシーンの「赤いヤツ」のくだりとか、あの辺だった。力を入れているシリアス・パートはちと退屈だったかな…(それは福田監督の適性の問題でもあるのだろうけれど)
 
 あと、キャラクターを整理したかったのは分かるのだけれど、長谷川泰三(マダオ)が出てこないのはちょっとな…。
 
追記:アニメの『新約紅桜編』を見直してみて…これつまり、笑いとシリアスを両方やろうとして映画全体のリズムが悪くなってしまっている(だから退屈に感じる)ってことに気づいた。『新約~』は実写版よりシリアスだけれど、でも不思議と心地よく見られる。本編のシリアスを前後の「おまけ」で挟んでいる感じなんだよね。それから、風情と言うかな、その辺の感じも失われているな…( ..)φ
 
☆☆☆★(3.5)