バクマン。(4.0) | 想像上のLand's berry

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言葉はデコヒーレンス(記事は公開後の一日程度 逐次改訂しますm(__)m)

 
バクマン。 
 
2015年日本119分
 
監督:大根仁
 
主演:佐藤健/神木隆之介
 
概要
 「DEATH NOTE」の原作コンビ、大場つぐみと小畑健によるテレビアニメ化もされた大ヒット漫画を、『モテキ』などの大根仁監督が実写映画化した青春ドラマ。性格の違う高校生2人がタッグを組み漫画家への道を歩んでいくさまを、大根監督ならではの巧みな映像表現を駆使して描く。週刊少年ジャンプでの連載を目指して日々奮闘する漫画家コンビには、佐藤健と神木隆之介。実在の漫画作品や出版社が実名で登場するほか、劇中使用される漫画の原稿を小畑自身が描いている。(シネマトゥデイ)
 
感想
 さっぱり風味の青春映画…という感じ。映像は時に淡くて時にスタイリッシュ。リズムも良いし、CGやプロジェクションマッピング、カメラワークによって、漫画的な「軽さ」も出せている。
 
 例の実写版『進撃の巨人』などに比べれば、遥かに出来は良い。これまでの数々の漫画実写化作品の中でも、良い方の出来に入る部類じゃなかろうか。色んな要素をバッサリと切ってしまい、2時間の映画として割り切って作ってあるところも、これはこれで評価できる。
 
 一方、演者の年齢や「現実性」を意識したためか、高校生からの設定にしたことによって時間のスパンが短くなったことや、アシスタントなどの要素を切り落としたことによって、逆にリアリティを失っていたことは少し興味深かった。
 
 漫画と実写だと、もちろん実写の方がより現実に近いわけで、実写化すると、普通はリアリティの程度が上がる(より現実に近くなる)と考える。これも、実際の編集部を使ったり、実名を使っていたりと、その点ではリアリティの程度が上がっていたけれど、全体的に見れば、必ずしもそうではなかった。
 
 原作は、たとえばコージーのエピソードのように、いかにも漫画的で非現実的なところもあったけれど、実際の漫画家が自分の職業のことを書いているわけで、そうした点ではリアリティがあったんだ。
 
 あと、気になったことは…これも原作との比較になってしまうのだけれど、原作とはかなり毛色の違うものになっているということ。原作は、妙に古風なところ(真城と亜豆の関係とか)があって、それが一種の苦味というか、引っ掛かりを生んでいた。それに対して、この実写版はスタイリッシュで、さっぱり爽やか風味だ。
 
 連載と映画の違いも感じた。原作やアニメでは、何話かごとに山を作っていって、そうして引っ張る。けれど、その展開をそのまま2時間の映画にトレースしてしまうと、山がギザギザになってせわしなくなってしまうし、どこに向かっているのか分からなくなってしまう。この映画にも、ややその傾向が見られた。
 
 それから、キャラクター。女性陣をはじめとして、出すキャラクターをかなり抑えた印象があったし、キャスティングも必ずしも原作のイメージ通りという感じではなかった。それ自体は、ひとつの考え方だと思う。実写版は実写版でやるんだ…というね。そして、この実写版はそれにある程度成功しているとも思う。
 
 ただ…なんだろうな、これも一種の引っ掛かりということなんだけれど。原作のキャラクターって、エピソードの積み重ねと、キャラクター同士の関係性の中で、その個性が立ち上がってくるものだったと思う。
 
 だから、たとえダイジェストでやるとしても、その背後には膨大なエピソードがあるわけで、それがキャラクターに深みを与える。それに対して、この実写版は原作と切り離そうとしているから、そうしたものを上手く利用できないわけだ。
 
 そのため、キャラクターが記号化されてしまっている。たとえば皆川さん演じる中井さんは、他の作品でも見られるような「皆川的キャラクター」に回収されてしまっていて、「あの中井さん」の悲哀を感じられない。他のキャラクターも多くはそんな感じ(染谷くんの新妻エイジも「いかにも演技してます」って感じでダメだった)。
 
 それが、一種の浅さを生んでいる。だから「友情・努力・勝利」のエピソードもなんだか唐突感があって、真に迫ったものはそこからは感じられなかった。これはこれで悪くないし、ちゃんと見られる映画だとは思う。ただ…なにか引っかかるトゲがない。
 
 そうそう…亜豆さん(小松菜奈)が妙にエロす!! (どこの誰とは言わないけれど)下品さをエロスと勘違いしているようなのが多い中で、この映画そこだけは掛け値なしに良かったな(* ̄艸 ̄)
 
☆☆☆☆(4.0)
物語4.0
配役4.0
演出4.0
映像4.0
音楽4.0