バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)(4.0) | 想像上のLand's berry

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言葉はデコヒーレンス(記事は公開後の一日程度 逐次改訂しますm(__)m)

 
『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』
BIRDMAN OR (THE UNEXPECTED VIRTUE OF IGNORANCE)
 
2014年アメリカ、120分
 
監督:アレハンドロ・G・イニャリトゥ
 
主演:マイケル・キートン
 
概要
 『バベル』などのアレハンドロ・G・イニャリトゥが監督を務め、落ち目の俳優が現実と幻想のはざまで追い込まれるさまを描いたブラックコメディー。人気の落ちた俳優が、ブロードウェイの舞台で復活しようとする中で、不運と精神的なダメージを重ねていく姿を映す。ヒーロー映画の元主演俳優役に『バットマン』シリーズなどのマイケル・キートンがふんするほか、エドワード・ノートンやエマ・ストーン、ナオミ・ワッツらが共演。不条理なストーリーと独特の世界観、まるでワンカットで撮影されたかのようなカメラワークにも注目。(シネマトゥデイより)
 
感想
 はじめに気付くのは、この映画には「カット」がないこと。2時間くらい、ずっと長回ししているように見えるんだ。もちろん、実際にはそんなことはなくて、あたかもそう見えるように繋げているだけなんだけれど、そう見える…ということは重要だ。
 
 このことによって、この映画の中の出来事が、あたかも、すべてその時一回限りのもののように見える。しかも、その割りに、たとえば劇中の登場人物が全裸になっても、局部なんかはすべて見事にカメラワークなどによって回避されているから、ものすごく計算されているようにも見える。
 
 この、偶然性と計算性(そんな言葉あるか?)が同時に現れているところが、この映画の最大の特徴だ。
 
 途中、カメラがビルを見上げ、そこで時間が飛ぶ場面がある。空を映してそのまま夜になったり朝になったりという、よくある手法ではあるのだけれどね。この映画の場合は、全編を通じてカットがないから、それだけでも、ものすごく不思議な感覚を受ける。
 
 それに、カメラはその状態からそのまま下に降りるのに、なぜか別のところに降りて来る。流れ的には途切れていなくて、一見、繋がっているような感覚を受けるんだけれど、でも実際は違うところに降りるわけで、あの場面はすごく変な雰囲気があったな。
 
 業界を皮肉ったような話も出てくるし、それはこの映画の(一見、クラシックなように見せて、実はそうではない)作り方とも共鳴している。そういう意味では、知的に面白い(interesting)映画ではある。
 
 けれど、あ〜、面白かった…という満足感は薄い。分析の対象にはなるけれど、愛好の対象にはならないと言うか。そんな感じ。そのせいか、じつはこれ少し前に見ているんだけれど、レビューを書き始めるまで時間がかかってしまった。
 
 エマ・ストーンの鋭い存在感が印象に残る。
 
☆☆☆☆(4.0)
 
物語☆☆☆
配役☆☆☆☆★
演出☆☆☆☆★
映像☆☆☆☆
音楽☆☆☆☆