「はるじおん」
どこか時間を潰せるところはないかな…手荷物を預けるようなロッカーは駅にあったかな? ゆるやかな坂道を行ったり来たり。歩道橋の上から眺める街並みは、どこか現実感が薄い。ふとメールボックスを開くと、後輩の子から飲み会の誘いが来ている。
近頃、少しバランスが悪いと思っていた。
あれほど新鮮だった学校生活にもいつしか慣れていき、ボクの生活を再び惰性が支配するようになった。人付き合いもそれなりにこなすようになり、時にはイヤな奴になる必要があるってことも覚えた。
いつしか、ボクのブログはアイドルと映画とで占められていた。
アイドルは恋愛のオルタナティブ(代替)として捉えられることがあるけれど、ボクにとっては恋愛自体が他の何かのオルタナティブだった。その何か遥か遥か遠いものは、手近な恋愛よりも、むしろ手の届かないアイドルの方に近かった。
現実と夢との距離は、シャボン玉の宇宙のようにどんどんと開いていった。毎日見ていた夢は2日に1度になり、3日に1度になった。それでも心震わすような存在の温もりはいつでもそこにあって、目が覚めるたび、ボクはどんどんと遠ざかっていく日々のことをボンヤリ考えた。
現実は途方もなくリアリティが薄くて、ボクはそんな現実のなかで夢を見るかのように、映画館に入り浸るようになった。
そんな時、あるお知らせが目に入った。
ボクはたぶん、月の存在…存在する筈だけれどボクの手には届かないもの、あるいは青い花、あるいは奇跡のような、なにかそうした透明なもの…を確かめてみたくなったのだと思う。
月はいつでもそこにあって、でも決して触れられるものではなかった。この世界はあの世界と通じているのか、この梯子をどこまでも昇っていけば、ちゃんと辿り着けるのか、そこに質量があって、ちゃんと存在しているのか。それを確かめてみたかったんだ。
つづく…?
(この続きを書く意味があるのか少し迷い中…)