「無風」
12月14日、日曜日、外は晴れ。だけど、なぜか家の周囲だけ雨雲に取り囲まれている。不思議な天気。風は凪いでいる。第47回衆議院選の投開票日。
今回の選挙、アベノミクスだとか、消費増税だとか、安全保障だとか、原発だとか、さまざまなテーマが掲げられていたけれど、そうした政策議論ってのは、実際はほとんど影響力を持っていなかったように思う。
示されなかったオルタナティブ(代替物/代案)。こういうことを言うと、「いや示したじゃないか」と野党(支持者)は言うだろう。けれど、実際には示されなかったんだ。
ここにはただ、しっかりしていない政党と、比較的しっかりした政党の違いだけがあって、有権者は好むと好まざるとに関わらず、比較的しっかりした政党に入れざるを得ない。そんな印象の選挙戦だった。
一旦は政権を奪取し、二大政党制の片翼を担うかに思われていた民主党は、素人集団であることを露呈したあげく、反自民を意識し過ぎて左傾化していき、結局はかつての社会党が収まっていた位置にすっぽりと収まった。
民主党よりはもう少しバランスの取れた政党として一部の期待を集めたみんなの党は雲散霧消し、トップのカリスマ性で人気を集めた維新の会はそのカリスマが馬脚を現すに連れ存在感を失っていった(社民党?なにそれ?)。
そうして、戦後ずっと続いている比較的しっかりした政党=自民党と共産党だけが選択肢でありえた。しかし、共産主義なんて終わった夢を見るような奇特なヤツは滅多に居ないから、これもほとんど選択肢と呼べるものではなかった。
だから、結果は最初から分かりきっていた。マスコミがどう煽ろうが、その大勢が揺るぐことはなかった。
前から言っているように、ボクは割りと自民支持だけれど、ホントにこれで良いのかなという疑問はある。
まして、わが選挙区はまったくの無風区だ。民主党が大勝し政権を奪取したあの2009年の総選挙ですら議席を守り抜いた「彼」につけいる隙など、今回は1ミリもない。あの時、彼を苦しめたオーデコロンの男もどこかへトンズラしてしまい、今回、わが選挙区は、「彼」をのぞけば、どこにでも立候補してくる共産党と、無所属の新人の2人だけだった。
さらに言えば、「彼」にとって「左」寄りの候補者など、なにも怖くないんだ。なぜならば、中道右寄りの自民党にあって、「彼」の政治姿勢は極めつけのリベラル(左)だから。他の選挙区では争点になるであろう原発問題なども、ここでは争点になり得ない。だって、「彼」自身が脱原発派なんだから。
予言してもいい。開票が始まる午後8時、いの一番で当確が出るのはこの選挙区…神奈川15区だろう。
(追記:結果、当確ついたのNHKでは8時10分だったな(^_^;))
ボクは(原発問題では考えが違うとは言え)彼を信頼もしているし支持している。だから、ある意味では迷いはない。だけど、そうした候補者がいなかったら…。それは、正直、ゾッとする。
(いまの神奈川県知事は◯◯だけれど、ボクは入れざるを得なかった。それは自分の責任だけれど、今でも悔いることがある。かと言って、他に入れるべき人が居たかと言えば、それはやはり居なかったんだ)
だから、「白紙投票する」と言っている人がいることも、心情的には理解できる。「選択肢がそもそもねえじゃねえか」っていうね。ただ…「これ以下だったらやり直しますよ」という最低有効投票率が設定されていない以上、無効票はやっぱり無効票でしかない。それは文字通り無効な票…効力を持っていない票なんだ。
それに、明確な政治的意志を持っている集団は確実に投票するわけだから(組織票)、無効票や投票に行かない人が増えるってことは、ボクら一般市民の声が相対的に下がっていくということを意味している。だから、やはり有効投票率は上がった方が良いんだ。
だけど、こんな状況じゃそもそも投票率なんて上がりようがないじゃないか…。
ただ…そんなことを考えていた。
