ランボー 壱 おれは夢みたものだった、十字軍を、報告も残らぬ探検旅行を、歴史も伝わらぬ共和国を、押しひしがれた宗教戦争を、風俗気風の変動を、人種や大陸の移動を、おれはあらゆる魔法を信じていた。 おれは母音の色を発明した!-Aは黒、Eは白、Iは赤、Oは青、Uは緑。-おれはあらゆる子音の形と動きを規定した。また、本能のリズムによって、いつの日か、あらゆる感覚に通じうる詩的言語を発明するんだとひそかに思い込んでいた。 「言葉の錬金術」粟津則雄訳 『世界の詩論』p.165