ロンドン五輪男子サッカー:三位決定戦
日本 0-2 韓国
何だか気が抜けてしまいますね…日本は男女合わせて三連敗で大会を去ることになったわけです。悔しさと脱力感…それがボクの偽らざる気持ちです。まあ、そもそもトーナメントで敗退が決まった後の三位決定戦というものは、気持ちの切り替えが難しいものです。心身ともにボロボロの状態で、それでも戦えというのは酷かも知れません。しかし、もちろん、オリンピックの三位決定戦には特別な意味があるわけですが、今回はそれ以上に相手が韓国であるということの方がより大きな意味を持っていました。
日本にとってもそうなのですが、韓国にとって日韓戦(彼らにとっては韓日戦)というものは絶対に負けられない試合であり、時には見ているこちらがイラッとするほど闘志を剥き出しにしてきます。これは必ずしも良い方向にばかりは向きません。実際、この試合においても彼らの闘志は空回りをして、自滅寸前の状態にまで陥りかけました。
前半立ち上がり、やはり両チームとも疲労の色が濃く、さらには荒れたピッチの影響で中々スムーズに試合を進めていくことができません。ロングボールを放り込む展開で、ボールがラインを割ったり、ファールなどでプレーが切れる場面が多くみられました。その後、ピッチに慣れ出した日本は徐々にペースを掴み始めます。一方、闘志が空回りする韓国は危険なファールを連発し、イエローカードを受ける選手が続出しました。このままの展開でいけば、退場者が出る可能性もあり、日本としては思惑通りの筈でした。ここまでの段階は。
状況を一変させたのは、わずか10秒ほどの出来事でした。韓国陣内で突破を図った大津が二人の選手の間を割ったところを倒され…たように見えたのですが、なぜか笛はならず、ここで日本に一瞬の隙が生まれました。即座に攻守を切り替えることが出来ず、パク・チュヨンに単独で切り込まれてしまいます。3人が対応していたので人数的には足りていたのですが、なにせ態勢が悪すぎました。慌てて戻ってきた山口蛍は右に持ち出したパクに逆を取られてしまい、シュートを許してしまいます。このシュートはニアサイド=GK権田の左側に飛んできたのですが、権田はファーサイドを警戒していたためか、重心が右に掛かっており、一瞬、反応が遅れます。ゴールイン、全てを決める先制点が韓国の方に入りました。
このゴールは韓国にとって最良の薬になりました。興奮状態にあった選手たちが冷静さを取り戻したのです。一方の日本にとっては、これは疑いようもなく毒になりました。日本はカウンター型のチームであり、先行されると脆さを見せるのは準決勝メキシコ戦で実証済みです。あの失点は、全てを決めたのです。
後半に関してはもう書く必要もないでしょう。日本は何度かチャンスを生み出しますが、またしてもカウンター一発で沈みます。この時は、吉田がチ・ドンウォンに競り負け、鈴木がク・ジャチョルに走り負け、権田は再び逆を取られ、そうして致命的な二失点目を喫したのです。一対一で勝てなければ試合に勝つことは非常に困難になる…日本の守備陣は、そのことを最悪の形で証明して見せました。
権田は一失点目でニアサイドを抜かれたためか、この時はニア側に体重が掛かっており、ファーサイドに飛んできたボールに対して一瞬反応が遅れました。韓国の2ゴールはいずれも素晴らしいコースに飛んでおり、その「決定力」の高さは特筆すべきでしょう。しかし、正直、あれくらいは止めて欲しかったです。シュートを打たれるたびに入っていたんじゃ、試合に勝つことなど不可能です。
今大会の日本は運動量を武器にしたチームでした。前線からの積極的なプレスによって、後ろは常に優位の状況でプレーすることが出来ていました。開幕から4試合連続での無失点はそうして築かれました。しかし、コンディションが落ちた最後の2試合では5失点を喫しています。走れなくなった時が、このチームが終わる時だったのです。