世界侵略:ロサンゼルス決戦(4.5) | 想像上のLand's berry

想像上のLand's berry

言葉はデコヒーレンス(記事は公開後の一日程度 逐次改訂しますm(__)m)

 
『世界侵略:ロサンゼルス決戦』
BATTLE: LOS ANGELES
 
2011年アメリカ、116分
 
監督:ジョナサン・リーベスマン
 
主演:アーロン・エッカート
 
概要
 ロサンゼルスを舞台に、地球を侵略してきたエイリアンに立ち向かう海兵隊員の死闘を描いたSFアクション。ドキュメンタリー調の戦争映画のスタイルに未確認飛行物体の実録映像などを盛り込み、壮絶な地上戦が展開する。監督は、『テキサス・チェーンソー ビギニング』のジョナサン・リーベスマン。主人公の海兵隊隊長には、『ダークナイト』のアーロン・エッカート。共演には『アバター』のミシェル・ロドリゲス、『アイ,ロボット』のブリジット・モイナハンら実力派が顔をそろえる。(Yahoo!映画より)
 
感想
 いつぞや見た『バトルシップ』に良く似ている。小利口な批評家からはボロクソに言われそうな映画だけど、まあ、こういうのは(おバカな)B級映画として見た方が楽しめる。『トランスフォーマー3』などに比べれば、SF戦争映画としてさほど特筆すべき点はない。戦術レベルの話に終始するのは映画においては往々にしてあること。これはこれで良く出来ていると思う。序盤がやや冗長だったことを除けばね。むしろ、この映画の凄みはミクロな視点に固定された価値観にこそある。味方を助ける。敵を倒す。このシンプルな構造。
 
 現実世界において、人は、餓えたり、仲間を殺されたり、尊厳を汚されたりして、戦争を始める。1つの旗に下に集まり団結し、敵を峻別して結束を高める。結局のところ正しいかどうかなんて、自分や社会を基準にしてしか決められない相対的なもの。その社会の外ではそれは通用しない。敵を倒すということは、敵にとっては仲間を殺されるということ。倫理、道徳、利害、諸々の関係性、その複雑さが我々を思考停止に導いていく。そして原始の頃より人が持っていた何かが失われる。
 
 翻って、この映画は、シンプルかつプリミティブな激しさを持っている。傷ついた仲間を助け、味方のために自己犠牲を払い、勝利のために勇敢に突進していく。民間人を保護し、血路を開き、愛するものを守るため、目の前の敵は容赦なく撃ち殺す。この単純な価値観に嫌悪感を覚える人は多いだろう。特に日本のような国においては(それがどういうことを意味するかは差し置いても)。ここには、日本の戦争映画で良く見かけるような「似非ヒューマニズム」はない。ここには、「本当のヒューマニズムが持つエゴの強さ」が潜んでいる。
 
 この映画は、そういう意味では本質の一端を衝いている。(善悪は別として)軍事力/経済力だけではないアメリカという国自体が持っている「強さ」を理解できる気がする。人間が持っている根源的な衝動と国としての哲学の一致。暴力と防衛の間の距離のなさ。戦いというものの本質。この映画は単純だ。だけど、決して浅くはない。
 
☆☆☆☆★(4.5)