ポルトガル0-0スペイン(PK2-4)
イベリア半島同士の戦いとなった準決勝。共に優れた技術を持ったチームでもあり、一度ボールを保持すると簡単には失わないので、そこで繰り広げられる素晴らしい玉際の攻防は壮観でした。ただ、この日の主審は非常にクセがあり、何かというとすぐに笛を吹くので、試合の流れが壊れていました。またイエローの基準が厳しすぎて、ファール即イエローのような場面も多々見られました。このレフェリーは(トルコ人ということもあって、西ヨーロッパとの基準の違いに、選手共々、戸惑ったのかも知れませんが)このレベルの試合の笛を吹くのには適した人物ではなかったようです。
しかし、何より目についたのは、ポルトガルの守備の良さでした。スペイン陣内にボールがある時は(中盤よりは比較的技術の劣る守備陣相手に)前線からプレッシャーを掛け、自陣に侵入してきた時にはリトリートして2ラインを敷く。スペインのオフェンス陣は圧倒的な技術を誇り、いくらでも繋ぐことのできる一方、攻めのスピードという点では特筆すべきものがありませんから(というより、むしろ遅攻型のチーム)、この戦術は非常に効果的でした。ポルトガルは、クラブチームなんじゃないかと思えるほどに意思の統一もはっきりしており、個々の選手が自分の役割をきっちりと果たしていました。また、「世界最強」のウイングコンビをも要しており、ポゼッションこそやや劣ったものの、攻めにかかった時のスピードは圧倒的で、スペインを遥かに凌駕していました。効率という点では、ポルトガルの方が優れていたのです。
一方、なかなか打開できないスペインは機能しなかった「9番」ネグレドに代えて「偽9番」せスクを投入します。しかし、これはいよいよ攻めのスピードを落とすばかりで、ほとんど有効ではありませんでした。ようやく事態の深刻さに気付いたデルボスケは、ここからシルバに代えてへスス・ナバス、チャビ(!)に代えてペドロという、いずれも技術に優れた選手から縦へのスピードに優れた選手へという交代を立て続けに行いました。これはそれなりに有効で、後半終盤には連続してコーナーを奪取するなど、瞬間的にではあったものの、怒涛の勢いを見せたのです。ポルトガルの方も、後半終了間際、前がかりになったスペインの隙をついたカウンターから決定的なチャンスを迎えましたが、エース、クリスティアーノ・ロナウドはこれを枠に飛ばすことが出来ず、試合は延長戦を迎えました。
延長に入っても一進一退の攻防は続き、共に決定打を欠いたまま、この試合は今大会2度目のPK戦へと突入しました。例によってPK戦に関しては書かないことにしましょう。スペインの決勝進出、ポルトガルの準決勝敗退が決まりました。
ボクが今大会でもっとも応援していたのがポルトガルなので、PK戦での敗退はやはり悔しいですね。ここを突破すれば優勝の可能性は大きかったと思いますし、王者スペイン相手とは言え、PK戦までいったわけですから、勝てるチャンスもあったのでなおさらそう思います。あの後半終了間際のチャンスを、もう少し丁寧に繋げていれば…あのPKの順番が…いや、止めておきましょう。今さら何を言っても詮無きことです。今大会のポルトガルは非常に素晴らしいチームでした。パウロ・ベント監督の手腕と人格には敬意を表したいと思います。しかし、今年のクリスティアーノはPK戦に泣きますね。