イングランド1-0ウクライナ
立ち上がり、大観衆の声援を背に攻め掛かる地元ウクライナのプレッシャーの前に、イングランドは中盤が必要以上に下がってしまいました。相手の勢いをまともに受けてしまったため、危ない場面もかなりあったのですが、それでも何とかDF陣が耐え切って、0-0で前半を終えることが出来ました。
後半立ち上がり、今度はイングランドが攻勢に出ます。コーナーキックのチャンスからジェラードが入れたクロスは、相手のDFに当たってコースが変わり、GKのミスを呼び込みます。これに詰めたルーニーがゴールを奪い、やや幸運な形でイングランドが先制します。
一方、もう後がないウクライナは果敢に攻め立てますが、正当なゴール(ゴールラインを割ったのちにテリーがクリア)が認められないなどの不運もあり、得点を奪うことが出来ません。英雄シェフチェンコを投入するなど必死に打開を試みたのですが力及ばず、ウクライナのグループリーグ敗退が決定しました。
イングランドはグループステージを通じて良い戦いをしなかったにも関わらず、幸運によって首位突破を果たした、という見方もあるでしょうが、ボクの考えはやや違います。もちろん、運に助けられたことは否定しません。しかし、その運を掴むのも実力のうちです。たとえば、前節スタメン起用されたキャロル、途中投入されたウォルコット、今節で先発復帰したルーニーがいずれも結果を残しているように、状況に合わせた選手起用が身を結んでいます。
さらに言えば、そもそも(以前の記事にも書いたように)現在のイングランドはこのような戦いしか出来ないでしょう。イングランドはスペインやフランス、ポルトガル、さらには(エジルやクロースを抱える)ドイツや(ピルロやモントリーヴォを抱える)イタリアとも違うのです。イングランドには攻撃を司る指揮者がいないのです。もちろん、ジェラードは素晴らしい選手です。しかし、彼は(モドリッチのような)10番ではありませんし、バルセロナ的な意味での4番(チャビやかつてのグアルディオラ)とも違います。しかし、そのことが彼の価値を下げるわけでは(当然)ありません。イングランドにはイングランドのスタイル/戦い方があるのですし、今大会ではそれが如実に現れていると言えるでしょう。だからこそ、逆に、ボクは今大会のイングランドには期待出来ると考えているわけです。
また、瑣末な話ですが、今大会のピッチコンディションはあまりよくありません。それに輪をかけて試合開始前にパフォーマンスを行うものだから、どんどん悪くなっていきます。こういう芝ではボールを回しづらいので、イングランドのようなスタイルのチームにとってはむしろ好都合とも言えるでしょう。たしかに、すべてが完璧に整った状態でプレーするのが好ましいでしょう。しかし、その土地土地の気候や条件、様々な要素が絡み合うのがサッカーの魅力でもあります。それでなかったら、ポーランドやウクライナで開催する意味などなくなってしまいます。
さて、そのウクライナですが、若手とベテランが上手く融合した魅力的なチームでした。イングランドやフランス相手には一歩届かなかったですが、それでも記憶に残る戦いぶりだったと思います。どうしてもシェフチェンコやティモシュチュクに注目が集まりますが、ウクライナでもっとも躍動していたのはコノプリャンカでした。チェコのロシツキーやクロアチアのモドリッチ、ロシアのアルシャービンなど、この大会にも東欧系の魅惑のマエストロたちが出場しているのですが、彼もまたそのひとりだったと思います。イングランドやアイルランドなど、ヨーロッパの西の果てにはマエストロが(ほとんど)生まれないのに、東の方には次から次へと生まれてくるのは少し不思議に感じます。
最後に、お客さんにも触れておきましょう。ウクライナの観客の陽気さ、子供たちの無邪気に夢を見る瞳。シェバがゴールを決めた時の男の子の表情。敗退が決まった時の切なさ。目まぐるしく表情を変えるウクライナのお客さんの純真さは、今大会のひとつのポイントだったと思います。
スウェーデン2-0フランス
例によって、こちらの試合は見ていません。フランスはどうしましたかね。負けても突破できるという状況の中で、やや気がゆるみましたかね。ここまで調子の良かったカバイエを外したのが響いたのでしょうか。いずれにせよ、これでスペインと当たることになってしまいました。フランスにとっては、これは結構大きな誤算ではないかと思います。
一方のスウェーデンですが、ズラタンがムチャクチャなゴールを決めてましたね。あれほどの選手を抱えておきながらグループステージを突破することが出来ない。ユーロは厳しい大会だなって思いますね。