「東電弱める発言は控えて」財務相時に野田氏が発言(朝日新聞デジタル)
2012年4月15日8時0分
↑は4月15日に朝日新聞デジタルに掲載された記事の見出しです。
これを見た瞬間、ぼくは
「野田さん、何て馬鹿なことを言ったんだろう」って思いました。
おそらく、多くの人にも同じように感じられたことでしょう。
しかし、記事を読んでみて不可解なことに気付きました。
記事内では、次のように発言が纏められています。
引用直後に「東電への批判を牽制」と書かれていますが、メモを総合すると、会議で野田財務相が「東電に国有化の話が出て、株価がストップ安に。株主60万人のうち、59万人ほどは個人で、経済への影響も大きい。東電を弱める発言は控えてほしい」と、東電への批判を牽制していた。(朝日新聞デジタル)
ここに引用されている発言を読んだ限りでは、
どうも野田さんは、東電への批判というよりも、
国有化案に関する話を牽制していたように思えます。
そして、これを裏付けるように、記事の冒頭での同発言の引用では、
「(東電を)弱める発言は控えてほしい」と発言していたことがわかった。(朝日新聞デジタル)
といように、「東電を」という部分がカッコで補われています。
これは「東電を」という部分を朝日さんが補ったということでしょう。
そこで、首相官邸HPにアップされている議事概要を見てみました↓
そこでは、次のように述べられています。
野田佳彦財務大臣から「原賠法だが、東電の国有化案の報道が出ているが、マーケットに影響が出る。株主数60万のうち、個人株主が59万であり、発言は控えるべきである。」との発言。(議事概要)
これで、野田さんの発言意図がかなり明確になったと思います。
つまり、野田さんは、マーケットに対して責任を持つ財務相として、
「東電の国有化案の報道が出ている。マーケットに影響が出るし、個人株主がほとんどなんだから、”国有化案に関して”は発言を控えて欲しい」
と、この会議に出席した閣僚たちに要請したってことです。
これは、朝日さんの見出しから受ける印象とは大分違う発言です。
財務相という職務上、妥当な要請だったと言っても良いでしょう。
朝日さんは複数のメモを「総合」したと断っていますが、
彼らが「総合」したメモと、議事概要とを比較してみると
ひとつ違いがあることが分かります。
それは、「”東電を弱める”発言は控えて」という部分です。
そんなものは、議事概要には一言も載っていないし、
大体、「発言を控えて」というのは国有化案についてのことです。
ここに、朝日さんがメモを「総合」した意図が見て取れます。
※一体、いつから、「総合」は「作文」という意味になったのでしょうか?
朝日さんはメモを「総合」なんてことをしていないで、
メモ中の発言に関する部分を原文のまま引用するべきでしょう。
それが、フェアなやり方です。
野田さんが財務相だった当時の発言を1年以上も経ってから、
原発再稼働が争点になっている今、取り上げたってのも意味深長です。
朝日さんが原発再稼働に反対なのは周知の事実ですが、
こういうやり方は余りにもアンフェアですし、非生産的です。
なぜ、再稼働するべきか、あるいは、するべきでないかを、
ひとつひとつ、検討し、議論していくのが正当なやり方でしょう。
こういう不誠実な記事によって、感情を煽り、不信を煽り、
議論を不可能にしてしまうことが正しいやり方だとはとても思えません。
原発推進派は「真実を隠した」ことで批判されています。
実際、その傾向はありましたし、それによって批判されるのは当然です。
しかしながら、その問題の本質は「真実と向き合わなかった」ことでしょう。
今回の朝日さんが「真実と向き合っている」態度だとは僕には思えません。