
夢を見る
子どもの頃の夢
「ホーホーホホー」
雉鳩の鳴く声
板張りの天井
あの場所で目覚める夢
「今度こそは夢じゃない」
何度もそう思った
夢じゃなかったことなんて
一度も無かった
君は
この世界に
興味がないのかも知れない
どうしようもない何かが
そこにあって
君は
それを
表現しようとするけど
そんな力なんてなくて
ただ
呆然と空を眺めてる
日常の中で
鏡の中
自分の瞳に
七色の光をみる
君は
自分が特別じゃないと
気が済まない
夜空に
星は見えているか?
あの人は
2年生になって
髪を染めた
見かけるたび
全ての言葉は
吹き飛んだ
ホントは
他のことなんて
どうでも良かった
あの人の姿を
見かけるたび
君は
そう感じた
きっともう
誰かを
あんなに
好きになることはないと
そう思いながら
しかし
まあなんと
美しい人なんだろうか
キルケゴールだって
ノヴァーリスだって
イェイツだって
たった1人の女性の為に
その思想を
変えさせられた
ましてや
世界に興味が持てない
君は
君の思想が
無への志向性を
持っているのは
きっと
君が
自身の感情を
嫌いだから
世界は
キラキラしていて
君は
7号館の4階で
ひとり
膝を抱えている
もう2度と
会えないなんて
ホントは
信じていなかった
世界は
余りにも
キラキラしていて
空っぽの君は
そのギャップに
慄いてしまう
「お願い。僕の傍にこないでよ・・・」
君は
そう言って
隅っこに座っている
バーンスタイン派の君が
最近は
カラヤンばかり
聴いている
きっと
動かされる心自体が
なくなってしまったのだ
君の心が
空っぽになるに連れ
世界は
より美しく輝いていく
流れゆく景色を
眺めているだけで
涙が
止まらない時がある
君が
本当に会いたいのは
たった1つの存在
それは
あの人じゃない
人ですらない
もう2度と
会えないなんて
ホントは
信じてなかった
君が
無に憧れるのは
きっと
この世界に
興味が
なくなってしまったから
君が
この世界で
人生を賭けるに値するものなんて
美しかないと
そう思わないか?
『ドーデモいい話』