
色彩りと共に歩いた道。
季節は過ぎた。
あの暖かった季節には、もう戻ることはない。
また違う季節がやってきて、
また違う季節が去っていく。
2度と同じ風は吹かない、
2度と同じ波は寄せない。
それでも柔らかい感覚は
何処からか、やって来るのだろう。
新しい季節が、風と水を連れてくる。
新しい季節が、空と雲を連れていく。
冷たい風に吹かれ、凍える心で振り仰ぐ空。
季節が横切っていく。
立ち止まった僕の傍らを、季節が通り過ぎていく。
不安定な大気が、凍えるような日差しが、
別れの予感を裏付けているようだった。
時は僕に追いつくことが出来ず、
4つの影が遠く忘却の彼方へと飛んでいった。
僕にその姿を忘れさせないように。
雨の空が遠い世界のように、
細いトンネルの奥に差し込む
淡い青に滲んだ2つの緋色の灯が、
信じられない程に美しかった。
濡れた線路を滑っていく煌めきに、
眩暈を覚えるほど引き込まれる。
どうして僕は、此処にいるんだろう。
気が遠くなるほど、視線の先の世界は美しくて、
僕は少し後ずさった。