数日かけて、精神科を探した。

通いやすさ、病院の沿革、医師の経歴、口コミ、色々と検索をした。

結局、どこの病院が良いのか、わからなかった。

最終的に、駅から近い病院に決めた。


朝一でメンタルクリニックに到着した。

心理テストが終わり、待っていたら、リンゴの木を書くように指示された。

A4サイズの白い紙。

しばらく悩んで、横書きで左下に小さく、簡単なリンゴの木を書いた。


しばらく待って、看護師のカウンセリングが始まった。

手術がうまくいかなかったこと。

合併症が起きたこと。

入院中に起きた辛い出来事。

退院後のストーマ生活で、生きづらいと思っていること。

体調が優れないこと。

1つずつ丁寧に話を聞いてくれた。


その後1時間くらいで、院長先生の診察が始まった。

看護師がまとめてくれた資料を見ていた。

『大変だったね。

それにしても、石橋病院の対応はひどいね。

本当に対応が悪いよ。

病院のせいなのに、紹介状も出さずに精神科に行けって?』


診察が始まってすぐに、涙が止まらなくなった。

初めて会った人が、私の為に怒ってくれている。

石橋病院の対応が悪いと、はっきり言ってくれた。

わかってくれる人がいた。

それだけで救われた。


『医療費は?

まさか自分で出さないよね?

そんな話、石橋病院からは何もないの?』

涙で言葉にならなかった。


『あなたも、ご家族も我慢しすぎだよ。

辛い思いをしたね。

僕が石橋病院に手紙を書こうか?

ちょっと考えられないから』


『大丈夫です。

私のせいかもしれないし。

今後も診てもらわないといけないので』

どうにか絞り出した。


味方をしてくれた。

それだけで十分だった。

自分を責め続けた私も、我慢した家族も、少し報われた気がした。


診断は、不安障害とうつ。

心の病気だと知って、安心した。


毎日イライラして、些細なことで家族に八つ当たり。

そして、自己嫌悪。

職場では社交的に振る舞い、家では笑うこともなく、ただただ慌ただしいストーマ生活。


『あなたは何も悪くないから』

堪えきれず嗚咽した。


たくさんの薬を処方された。

これで少し楽になれる。

精神科に行ってよかった。