外科外来の日。
ストーマ閉鎖の術前検査結果が出ているので、手術の説明を受ける予定だった。
『コロナの影響で、不要不急の手術ができなくなりました。
いつ手術ができるか、まだわかりません』
手術は延期になった。
ストーマ生活は辛いことだらけだが、手術を受ける恐怖心の方が勝っていた。
今度は無事に終わるのだろうか。
また何か起きるかもしれない。
延期になって、ほっとした。
『閉鎖は急いでいません。
このままでも大丈夫です』
『いやいや、1日も早く閉鎖した方が、楽になれますよ。
心の状態も落ち着くと思いますし』
田部先生は少し困っていた。
また手術がうまくいかず、誰にも気が付いてもらえず、今度こそ死んでしまうのではないか。
たくさん不安を口にすると、先生のことを信用していないように感じられてしまうかもしれない。
だから、本心は言わない。
ストーマを閉鎖したくない程、手術が怖い。
『ストーマ生活は頑張って耐えるから
手術はしたくない』
夫に懇願したが、田部先生と同意見だった。
ストーマケアのサポートで疲弊していたのだと思う。