朝から、久しぶりの大名行列がやってきた。
たくさんのスタッフにベッドを囲まれ、緊張で笑顔を作ることもできない。
『おはようございます』
が、精一杯だった。
ようやく、傷口に貼ってあった、メロンの網のようなシートを剥がしてくれた。
田部先生『傷口、きれいですよ』
先生の笑顔で緊張がほぐれた。
女性は、お腹の脂肪が多めなので、縫合後の傷が治りにくい場合があると、手術前に聞いていた。
ストーマになって随分体重が落ちていたので、それが良かったのかもしれない。
夕方、婦人科の木田先生が来た。
久しぶりに、ニコニコしていた。
私『先生、聞いてください。
非常階段で歩く練習したら、怒られちゃいました』
先生『また怒られちゃったんですね。
外科の看護師さん、怖いですよね。
危ないので、無理しないでくださいね』
傷口を見せた。
先生『きれいですね。
体重がすごく落ちたから、縫うのが大変だったと思いますよ。
痛みますか?』
私『傷口の周りが、痛いです。
足も筋肉痛で痛いです』
先生『ゆっくりで大丈夫ですよ』
私『はい。
ありがとうございます』
急かされないから、うれしい。
先生『また来ますね。
毎日来るとプレッシャーかな、と思って、あまり来ないようにしています』
私『そんなことないですよ。
お忙しいのに、来ていただいてすみません。
いつもありがとうございます』
そうだったのか。
気を遣って来すぎないようにしてくれていたんだ。
あまり来なくなった理由がわかって、ほっとした。
なかなか言えない本音を時々言える貴重な存在だから。