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神様からひと言




荻原 浩
神様からひと言

 珠川食品に再就職した佐倉涼平は初っ端の大切な会議で上司を蹴っ飛ばし、「お客様相談室」に飛ばされてしまう。
 一癖も二癖もある同僚や上司、毎日襲いくる悪質なクレームの嵐。そんな中を涼平は懸命に走り抜けていく…。

 ファンタジーサラリーマン小説とでも云いますか、最初はリアリティのある、つらい胃に穴が空くような会社の描写で始まるのですが、お客様相談室に舞台が移ってからは笑いをふんだんに入れながら、天使は悪魔に、悪魔は天使だったかのように華麗に人物像が変化していくんですね。終盤での仲間たちが一致団結していく様も愉快痛快です。
 ただ、一つ残念だったのはオチでして、あれでは読者に希望を与えるどころか、「やっぱりそれしかないのかな」という思いを残してしまうように思いますねえ。もちろん素敵なフィナーレではあるのですが、できればつらい毎日を過ごしている私たちと同じ地平にいて欲しかった、というのがですね、やっぱり感じてしまう。。いや、単に私の価値観が狭すぎるだけなのかもしれませんが…。

 作中に、会社には生活を人質に取られている、という描写が出てくるのですが、確かそれが幸福であれ、不幸であれ、根っこの部分にはなっているのかも。
 それもいいけれどちょっと外れて眺めてみようよ、という優しい問いかけをしてくれる、ふっと息を抜くことを教えてくれるような、そんな一冊でした。

犯人は野洲


 喪中につき、年始のご挨拶失礼させていただきます。

 まあ、去年のうちに云っとけという感じですが…。
 正月は高校サッカーを見に行きまくるのが毎年のことでして、成立が今年こそは結構行くかなと思っていましたがあっさり負けてしまいちょっとがっかりだったのですが、滋賀の野洲の素晴らしさで吹き飛びましたよ。
「そうそう、そういうパス、大好き!」って何回叫んだことか。ワンタッチパスは相手の思考を止める、それを高次元で体現している野洲高校、なんとか決勝まで進んで欲しいな、頑張れ~。

 あとは、連休ということで本のほうでは、伊坂幸太郎、荻原浩、東野圭吾辺りをぽつぽつ。米澤穂信は「このミス」で知ったのですが、軽快に切なく、いい感じです。
 漫画ですと、志村貴子の 「青い花」 を毎日5回は読むのはデフォルトとして、ジャンプものをわりと読んだのですが、 「銀魂」 「家庭教師(かてきょー)ヒットマンREBORN!」 がすべてに凝っていて引き込まれましたね。とくに 「銀魂」 は 「死神くん」 を彷彿とさせるストーリーのストレートさが気持ちよかったです。 

 今年もまだ読んでいない、知らなかった傑作を読む、という経験ができるのかと思うと嬉しさで身震いします。
 今年も一冊でも多くの素晴らしい本を紹介できればと思います。どうぞよろしくです。

青い花 (1)



志村 貴子
青い花 1巻

 万城目ふみは受動的で、奥平あきらは能動的な子なのですが、この物語にはまりこむには万城目ふみとシンクロしていくのが最高なんですね。いろんなケースはありますが、基本的に、特に思春期なんかを、能動的か受動的に生きていたという分け方が出来ると思うのですね。私は今までの人生では結構能動的だったものですから、どうしても視点がふみよりもあきらに向かってしまうのです。そこが個人的にとても残念で、ふみと同化して入り込めた人には、たまらないものがあるでしょう。
 あとは、多人数群像劇にしては偶然を使いすぎているのが少し引っかかったのですが、そこも完全に作品に入り込めなかったせいなのかも。

 テーマをしっかりと保ちながら、キャラクタも多様でいて深くて。この両輪がとてもハイレベルでして、志村貴子は現在、トップであるとまざまざ感じられます。
 アクションとリアクションのコマの間には、観察する表情のコマが挟まっていて、これが独特のテンポになっていますし、そのまま雰囲気になっているんですね。
 お嬢様学校を舞台にした女の子同士の恋愛模様は、確実に穢れてしまう直前にある最も美しい時期、それを見事に切り取っているのです。

 あと少しで咲き誇り、そして枯れていく。そんな意味での青い花というところでしょうか、ですが、今作はその青さにしてはなかなかに力強く咲いている花ですよ。

テレパシー少女「蘭」 ねらわれた街 前編 (1)



いーだ 俊嗣, あさの あつこ
テレパシー少女「蘭」 1 ねらわれた街 前編 (1)

 テレパシー能力に目覚めた中学一年生、磯崎 蘭。幼なじみのボーイフレンドでナイーヴな少年、綾瀬 留衣。転校生で同じテレパシー能力者の、名波 翠。
 能力者である翠が蘭を導き、二人は反発から次第に友情で結ばれる。留衣は優しく蘭をサポートしながらもどこか謎に包まれている。そして、もう一人の能力者によるどす黒い闇は蘭のすぐ近くに迫ってくる…。

 あさのあつこらしく、大人が思ってるよりもちょっぴり大人な子供たちの潔癖な悩みを物語にうまく乗せていきます。
 能力者というのは思春期の個性や自我への悩みですし、闇の感情は大人への成長に対する嫌悪感そのものです。少女が潔癖さをもって成長と対峙していく、というのは以前も似たような感想を書いたなあと思いましたら、桜庭一樹の「推定少女」に定番ながらも似ていますね。こっちはマンガということで、繊細な感情が丁寧な表情の描写によって、ダイレクトに迫ってきます。

 けれど、少し悲しいかな。物語といえど、やはり少女に人間の暗部と対決させる役割を負わせてしまうというのは、悲しいです。
 まだ甘くてもいいのにと、思春期を忘れれば忘れるほど、この悲しみは強くなってきますよ。。

The sweet hereafter


 まさかまさかの、残業。新居昭乃さんのライブに行けませんでした。
 明日も無理。。うわー、なんだよー、この悪夢。

 今日はなんかオメデタイらしい日だって聞いたんですけど! 
 めちゃくちゃ愚痴りたいのに、みんな多忙。
 梅酒を一口だけ飲んで、寝ます。