陽気なギャングが地球を回す

伊坂 幸太郎
陽気なギャングが地球を回す
喫茶店のマスターを中心に集まる男女4人組は、天才的な銀行強盗。今回も無事に銀行強盗を成功させたかに見えたが、最後の最後に別の銀行強盗とかち合い、あろうことか金を取られてしまう。
その後も連続して起こるトラブル。果たしてこの陽気なギャングたちは相手を出し抜き、最後に笑うことが出来るのか…。
短いセンテンスを繰り返す軽快な文章と、4人のギャングの視点をどんどん変えていくことで、スピーディに物語が展開していきます。
登場人物たちもたいへん魅力的で、些末にはくよくよ悩んだりしているのですが、人生や銀行強盗といった根本的なことにはまるで悩むことはないんですね。読んでいると本当にそれで大丈夫な気分になるような、彼らに憧れてしまうような、そんな素敵な人物像なのです。
伊坂幸太郎というスタンプは、高品質の安心感ですね。これぞエンタメという感じで、とても楽しませていただきました。
もうすぐ映画化ということで、映像化のキャスティングに文句を云うのは間違いというのは重々承知しているのですが、それでも云わせていただきたい。。
成瀬の大沢たかおはまあいいでしょう、祥子が加藤ローサって、設定変えてまでキャスティングすることはないのでないでしょうか! 私の祥子さんが…。
くちびるためいきさくらいろ

森永 みるく
くちびるためいきさくらいろ
Amazonでの私へのオススメがすべて百合関係になってしまったので、ここは観念して自分のコレクションをがしがし晒していく所存です…。
ひとつの女子校を舞台に女の子同士の恋愛が、次々とチェーンしていきます。意図的に同性愛であるという異常性やマイノリティの苦悩などはまるで無いかのように描き出し、刹那的な時間軸、そして真面目でありながら享楽的な人物像なんですね。
一瞬を切り取って世間との断絶をしているという状況、女子校を楽園に仕立て上げるというのは、物語から影を取り去るためだとは思うのですが、私が想像するには、作者が登場人物たちに純粋に欲情するための必須処置であったのではないかと。そして、それは無意識だったのではないかな、と。。
まあ、なんていうか、いろいろ書いていますが、その、私が云いたいことはですね、この本の中の世界にダイブしたい! ってことだけなのです。
犬はどこだ

米澤 穂信
犬はどこだ
東京から田舎に戻り探偵事務所を開いた、紺屋長一郎。犬探し専門のはずだったのだが、早速舞い込んだ依頼は失踪人の捜索と古文書の解明。
押しかけの助手、半田平吉も加わって事件を追っていくうち、この二つの事件が関係し合っていることに紺屋は気付いていく…。
失踪人探しの紺屋の視点と、古文書の謎を追う半田の視点。この二つを絶妙のプロットで織りまぜながら、ラスト直前までは割とのんびりとした雰囲気で進んでいきます。
全てが重なったラストでは、それまでの価値観が逆転したかのようにスピード感あふれる展開になり、そしてラストのラストでもう一回起こる逆転。いやー、痺れました、堪能させていただきました。
米澤穂信は飾らない文章で綴っていくのですが、読み手の感覚を正確に察してのミステリの仕掛けが大変上手いですね。その文章力を、心地よいバランスで読者寄りに作用させている、という感じでしょうか。
ミステリは、自分でも思わぬところでネタバレを書いてしまいそうで、怖くて今までもあまり感想を上げてこなかったのですが、今回は大丈夫ですよね…。
まあ、それくらいのオススメということで。そして、この「犬はどこだ」はサイン本を買ったのですが、いつしか望外な値段が付きますように。。
The Spitfire Grill
いやー、バルサがチェルシーに勝ちましたよ~。退場したのがデル・オルノというのがちょっと悲しくもありましたが、なにはともあれ嬉しい!
解説が原博実氏だったのですが、バルサが勝ち越し点を決めたら、「よしっ!!」と叫んだり、「ほら、ほら、ねっ? ねっ? 今のロナウジーニョのパス!」と普通にしゃべっていたり。あなた、本当に解説なのですか、と。大好きですが。
イラストはCLとはなんの関係もないです。。そして、どうか私を軽蔑しないでください…。

荒川静香さんが金メダル獲りましたねー。すごいすごい! 村主章枝さんの応援をしていた我が家はちょっと悔しがっていたのですが…。
イラストのような技を繰り出している選手を見るたびに、妹と
「今の技すごくね?」
「すごい、目つきもすごい」
と、つぶやいていました。。そんな朝。
貧乏姉妹物語 (2)

かずと いずみ
貧乏姉妹物語 2 (2)
1巻の感想へのリンク
内容などは1巻の感想で書いたのですが、この2巻も温かく泣かせてくれますよ。
フォーカスをこの姉妹の愛情以外には当てるつもりはない物語ですから、この姉妹の愛情表現を繰り返していくというのも、マンネリとはならずにジワジワと響いてきます。
最後に、二人きりの世界に新たな展開を見せていましたが、おそらく世間と相対化されていく二人の姉妹とはならずに、再び姉妹二人きりの世界に帰結していくとは思います。悲劇や喜劇は起こっても、その世界を変えることはないのが、この漫画の揺るぎなき本線なのではないかと。
まあ、とにかく、この一瞬の過ちも起こさぬように互いを見つめ合う姉妹愛、今巻でも堪能させていただきました…。
