《春》
8月26日は土曜日なのに気付かず、銀座へ行く予定をやめて東京駅へ。と言っても私の足では1駅分で歩ける距離なのだけれど。雨上がりの午後になって、東京駅に直結し、旧東京駅遺構煉瓦の残る“東京ステーションギャラリー”へ。
『甲斐荘楠音の全貌 絵画、演劇、映画を越境する個性』鑑賞。甲斐荘楠音と書いて(かいのしょうただおと)と読む。自称、楠木正成の子孫で裕福な旗本だった父の元、お大名暮らしに育ち、喘息の為病弱で絵の道に進む。岸田劉生が“デロリとした絵”と呼び、退廃的で妖しい作風が大正ロマンとして人気を博したのだそう。メトロポリタン美術館収蔵作品《春》も凱旋来日していました。
私も、大正ロマンが好きなのとマッチして、その怪しく燃え立つ炎色を放った独特な色彩に、とても魅了されました。中でも一番目を惹き付けられたのが《幻覚(踊る女)》。肌や着物が、鬼火を纏ったような赤や緑のネオンカラーに滲み、そのタイトルのように幻想的で、コケティッシュで蠱惑的な雰囲気が、狐火というのか、目の前で観ているものを妖艶に幻惑して離しません。
画壇からは賛否あったものの大正時代、大衆に人気を博したのも頷けるデカタンムードが魅力的。岩井志麻子の“でえれぇ、やっちもねえ”や“ぼっけえ、きょうてぇ”の表紙にもなっていて、読んだ事のある“ぼっけえ、きょうてぇ”の恐ろしい物語によく似合っています。
昭和になると、妖しさが薄ると共に、映画監督である溝口健二に見出だされ、衣裳デザインや時代風俗考証家にもなり、俳優・北大路欣也の父である市川右太衛門主演《旗本退屈男》などの衣裳を手掛け、《雨月物語》ではアカデミー衣裳デザイン賞にノミネート。《旗本退屈男》の衣裳展示も楽しく。
場内撮影NGなので、今回のブログ写真点数すくなく、前回同じく“東京ステーションギャラリー”で開催『大阪の日本画』展や館内の模様を少し、併せて置いてゆきます。(5月23日❔)
それからKITTEに向かい、アトリウムの天の川を見て、館内にあるラーメン激戦区“富田”でつけ麺。ちょっとここで、“しまった”出来事が。先ず、麺の量(200g)が多すぎて困惑し、注文が来た所で兄夫妻から食事のお誘い。。。w
寿司チェーン店『日本海』にて、二度目の夕食にご相伴。普段私はお酒を飲まないので、呑兵衛の弟夫妻が飲むお酒に興味津々。日本酒の変わった注ぎ方を眺めたり、ボトルキープの“山崎”を頂いたり。
以前キープしていた18年ものも、今はお店の方で入手出来ず、12年ものを兄お任せでコークハイに。弟が、「コークハイで飲むのはある意味贅沢かも、薫りは消えるかもしれないけど」と言い。でも味も薫りもちゃんと分かりましたよ。内心、ロックで喉が焼けるように飲むのは美味しいと思います。
そもそも私は、お酒や煙草やギャンブルには手を出さないタイプから、自分が飲める口かそうでないか分からない。みんなは強いんだよと言ってくれますが、飲みません。お腹が空いていないので、箸も進まず残念でしたw。
次に連れて行ってくれたオシャレな焼き鳥屋さんは、スタッフさんが超イケメンばかりで驚愕❕「お付き合いしてください」と言いそうになりましたw。。。注いでいく瞬間、凍っていくみぞれ酒も頂いてみました。
私は家族仲のよろしくない家庭に育ったのもあり、とりわけ懐深い兄嫁さん(←私よりかなり年下)&兄のおかげさまで兄弟の結束を取り計らってくださっております。幸せなひとときをありがとうございました、そしてご馳走さまでした。
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東京駅
東京駅天井
5月23日?、雨模様の東京駅前を館内窓外に
《女人像》
『大阪の日本画』展