絶景
昨晩あのコとデートした。
もう散り始めていた桜を見にあの場所へ。
今まで何度となく訪れたあの場所が、かつてないくらいステキに感じた。
俺の隣で桜を見るあのコの横顔も・・・。
これからもあの場所に俺は行くであろうが、その度に必ず昨夜のあのコのことを思い出すだろう。
何年経っても色あせることなく・・・。
涙3 by 爆風スランプ
冷却
土曜日に会う予定だった旧友から予定延期の連絡があった。
外せない仕事が入ったらしい。
仮にヤツとの約束がなかったとしても、別の予定を入れてあったわけではないので、全く問題はないが、久々に会うのを楽しみにしていた俺としては少し寂しかった。
来週から暫くあのコとも会えなくなる。
週末にしばしのデート納めはできるのだろうか?
会えなくなる日々はこれもまたものすごく寂しいのだが、一方で落ち着いている自分がいる。
狂おしいくらいあのコの事を考えている日々が、会えないことで少し和らぐのかもしれない。
あるいは今以上にあのコのことだけを思いつめるのか・・・?
Maybe Blue by ユニコーン
逸機
仕事帰りにあの場所へ行った。
本当はあのコと行きたかったのだが都合が合わず、昨年に引き続き1人で行った。
久しぶりに行ったあの場所は、降雨直後+低気温の影響か、数組が花見を楽しんでいただけで、ガラガラだった。
ライトアップは終了していたが、1人で訪れた俺が物思いにふけながら散歩するにはうってつけで、身体が冷えていくことも忘れて歩き続けた。
俺はどこに向かうのだろう?
俺たちはどうなっていくのだろう?
俺はどこに向かえばいいのだろう?
俺たちはどうなっていけばいいのだろう?
気が付くとかつてのほろ苦い思い出とともに胸に残るベンチがあった。
濡れているのも気にせず腰をかけ、タバコに火をつけた。
俺はあの頃思い描いていた未来の自分に近づけているのだろうか?
恐らく年を重ねたこと以外殆ど成長していなく、いや、若さがあった分だけあの頃のほうがマシだったのかもしれない・・・。
が、俺は今の自分もそんなに嫌いではない。
あのコの事を想って胸を熱くすることができるのだから・・・。
タバコの火を消し、俺はあの場所を後にした。
あの歌を口づさみながら・・・。
今宵の月のように by エレファントカシマシ