こんにちは。
フラワーフォトセラピストの内藤由貴子です。

今日、9月30日で、
渋谷の西武百貨店が閉店するそうですね。

私は当店、渋谷ではありませんでしたが
同じ百貨店の社員だったので、

キャッチコピーや文化の発信などで
最先端を行っていた時期が

会ったことを知っています。
 

一つの時代の終わりを感じてしまいます。



さて、『急に具合が悪くなる』
 

という映画を見ました。

 

 

 


たまたま映画の情報を見かけて、
直観で、これは見ておかないと…

と思ったのですが、
3時間16分… と長いんです。

ちょっと覚悟が要りましたが、

観に行ってよかった~

そろそろ上映が終わるのですが、
もう一度、見に行けたら行きたいと思っています。

この映画は、
カンヌで 「ドライブ・マイ・カー」で脚本賞をとった
濱口竜介の監督で制作。

主演の二人は、
パリの介護施設でディレクターをするマリーと
パリで演劇の演出家をする 真理。

同じ名前を持つ2人の偶然の出会いから始まる、

生きることを通した魂の交流が描かれていたと
感じました。


この2人を演じた女優さんは、
2人ともカンヌの女優賞を受賞しています。


真理は、末期がんで、余命半年を過ぎて
もう、1年ほど生きています。

『急に具合が悪くなる』というのは、

真理は、今は、普通に過ごせても、

「急に具合が悪くなったら、一気に悪くなる」
と医師に言われた言葉です。


マリーは、真理が演出する舞台に行ってみます。

そこで俳優、清宮吾郎(長塚京三さん)の
一人芝居が始まります。

タイトルは
「近づいてみれば、誰もまともな者はいない」

始まりで、彼が言う言葉、

「私は75歳ですが 健康です。

 では健康であれば、
 本当に生きていると言えますか?」

(記憶で書いたので間違っていたらご免なさい)

という問いかけから始まる芝居は、

世界初の精神病院をなくしたた法律につなげた
イタリアの精神科医バザーリアの話から
 

始まりました。


その話は、介護施設で、

認知症の人たちを、いかに人間として
生きてもらうかに取り組むマリーを刺激します。


そこで芝居後に、舞台上から
観客からの質問を受ける場で、


マリーは日本語で、質問をします。


その時、真理は、舞台上から

自分が余命半年と言われてから
もう1年になることを語ります。


日本語を話すマリーに興味を持ったのか、
芝居の後、

二人は語りあうようになりました。

 

マリーは、日本の大学で文化人類学を学んだので、
日本語ができると言います。

真理は、ソルボンヌで哲学を学んだので、
フランス語が話せるが、

思いを伝えるのは、母語でないと難しいと
伝えます。


2人の交流が始まり、

マリーは真理を

 

自分の勤める介護施設「自由の庭」に招きます。

マリーが仕事で悩む、

良い介護を目指すと、
施設の経済が回らない…

 

そこで
スタッフともぎくしゃくしてしまう…

という悩みを真理に打ち明けます。


興味深かったのは、
資本主義が都市部で成り立ち、

その外側、例えば自然に犠牲を押し付ける。

人々を、今がそう悪くない
「いまここ」に、
 

必死にしがみ付かせようとする

資本主義の構造を語ります。



私はセラピストとして、

今ここを生きることが大切だと
伝えることもあるので、

この「今ここ」の視点に、
少し驚きましたが、

新鮮な思いで聞きました。



白い花と緑の茎、黒い背景

 

ここは、映画の内容を解説する場ではないので
機会があったら見ていただきたいですが、

真理は、「私はこの結果を見ないで済む」

と言う言葉には
これからが悲惨だと予感があります。



余命半年をうたう映画は、
けっこうありますよね。


ただ、真理とマリーの交流を
見て行くうちに

なぜか胸の奥を掴まれて
揺さぶられたような感覚になって、

いつの間にか
涙があふれそうになってくるのです。


余命半年を懸命に生きて…というような
涙を誘うような質とは全く異なります。


生きていることの意味、
その価値について、

それは、皆に存在し、
軽んじられてはいけないことに気づかされ、

魂レベルで揺さぶられる
何かがあるのですが、

自分でもなぜ涙が出るのか説明できません。



ここに出てくる人は

余命半年の真理や
仕事でバーンアウトしかけたマリー、

認知症の介護施設の人たち。

そして、清宮の孫の自閉症の智樹の存在。

 

一人芝居のタイトルのように、

近づいてみれば、誰もまともな者はいない、
のかもしれません


でも、それ以外の人たちが、

自分を生きているのか…
その人たちもまともなのか…


こんなに、生きることについて
魂に問いかけてくる映画は、

かつて私は見たことがありません。



死ぬことを怖いかと問われた真理は

怖いよ、でもそれ以上に…

「悔しい」と言いました。


この悔しさ。

生きていく身として、

ちゃんと受け止めたいと思いました。
 

それが私の仕事の意味だと

私は感じます。




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