見ない | 読書セラピー(幸せのページ)

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木に吹いた風が緑色になるように
花に吹いた風が芳香を運ぶように
風に言葉を託して届けます。

「フェイスブックで
友だちの幸せなそうな写真を
見ると、嫉妬してしまうんです。

いいな、この子はこんなに幸せで。
それに比べ私なんか・・・って
惨めになる」

と語るGさん。

「『自分をみじめにする方法』
という本によれば
他人の生活をのぞき見て
比べることが
自分を惨めにする
一番簡単な方法だと言います」

「えっ? そうなんですか」

「はい。

相手がどんな生活を
送っているか見物し
惨めさという代償を払う
必要あるでしょうか。

そもそもSNSは
自分の最もよいところ
よく見せられるところ
を載せる傾向にあります。

当然、幸せそうな写真ばかりに
なるでしょう」

「じゃあ、フェイスブックは
現実を反映したものではない?」

「ええ。
その人が見せたい
自分の姿を載せるので
現実とは違います」

「私、表面的なことしか
見てなかったんだ・・・」

「これは嫉妬の問題ではなく
SNSとの付き合い方の問題
だと思います。

突然、視界に幸せそうな写真が
飛び込んでくるわけですから
それを見た人にとっては
衝撃的な体験になるでしょう」

「衝撃!? ああ・・・」

「いろいろな衝撃がありますが
目から入ってくる情報が
最も衝撃を受けやすいもの。

なので、見ると不安定に
なるものは見ないで
自分の人生にエネルギーを
注いだほうが有意義です」

出典:『私は私のままで生きることにした』(キム・スヒョン:著、吉川南:訳、ワニブックス、p19)『大人のための「困った感情」のトリセツ』(水島広子、大和出版、p171)