虹 | 読書セラピー(幸せのページ)

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木に吹いた風が緑色になるように
花に吹いた風が芳香を運ぶように
風に言葉を託して届けます。

雨上がりにかかる虹は
希望のしるし・・・・

・・・・・・

空の虹を見るとき
私のハートはおどる

子どものときも
そうだったし
大人の今もそうだ

  (ワーズワース)

・・・・・

虹は突然の贈り物のように
やってきて
心をいっぱいにときめかす
それで充分でした

いつくるか
分からない贈り物を
誰も待つことは
できないのですから

  (立原えりか)

・・・・・・

○素直なままで

夕陽の沈む
一番キレイな瞬間が見たくて
息がきれるまで走ることは
はずかしいことだとは
思いません。

消えかけた虹の色を
追いかけて迷子に
なってしまった子どもを
しかることはできません。

雪の上で寝ころびたいと
カゼをひいた人を
笑うことはできません。

素直なままでいたいよ。
キレイなモノを
キレイだって、言いたい。

人の目を気にして
いちばん上等のモノを
見逃してしまうなんて。

そっちのほうが
よっぽどバカなこと
だって思うよ。

『瞳の中の宝物』(折原みと、ポプラ社)

・・・・・・

雨がやみ
虹が大きくかかった。

やがて満月が海の真上に
夜の女王のように
輝きわたった。

ひとり清水のほうへ
歩いて行くと
海面に無数の銀の玉が
おどっている。

清水は岩かげに
こんこんと湧いていた。
ひしゃくですくうと
光の雫が溢れてこぼれ落ちた。

『人間をみつめて』(神谷美恵子、みすず書房、pp192-193)