瑞々しい感性をお届けします。
・・・・・・
○青春
たとえアヒルの歩みでも
それが子犬の知恵にしろ
自分で選ぶ道だから
自分の歩く道だから
自分の足の向くままに
自分が生きて行く先は
自分の足の下にある
たとえアヒルの歩みでも
それが子犬の知恵にしろ
自分の生きて行く先は
自分の足の下にある
(東君平)
○鍵
部屋に
鍵がほしいのです
(心には もう
鍵をかけました)
どうして? なんて
きかないでください
部屋に鍵をかけなければ
心の鍵をあける気に
なれない時だってあるのです
ささいなことで傷ついてしまう
かすかな風にも大きく揺れる
自分にさえわからない心を
守るため
部屋に鍵がほしいのです
(きのゆり)
○お尋ね
どこかに
うれしさを
預かってくれる
銀行はありませんか
悲しい時に
おろせるような・・・・
(小南あいりん)
○風船
風船は
ひとかけらの
かげりも
ない
心
あんなに
ふくらんで
あんなに軽く
割れることなんか
恐れない
(きのゆり)
○橋
少女よ
橋のむこうに
何があるのでしょうね
私も いくつかの橋を
渡ってきました
いつも 心をときめかし
急いで かけて渡りました
あなたがいま渡るのは
あかるい青春の橋
そしてあなたも
急いで渡るのでしょうか
向こう岸から聞こえる
あの呼び声にひかれて
(高田敏子)
○世界にあるもの
ぼくの眼に写る光景は
ぼくの世界のすべてじゃない
ゆがんだ教室も
校舎から見下ろす日常も
きっと世界のすべてじゃない
空を見上げると
涙があふれるから
気づかれないように
目をつむる
まぶたのずっと奥には
だれにも邪魔されない
世界がひろがっていて
笑っているぼくがいる
眼に写るものだけが
世界のすべてじゃないことを
ぼくはだれより早く知るんだ
目に映る
ほんとうの世界を見つめることは
ほんとうの自分に出会うことなんだ
(市川恵子)
○この部屋の活発な女の子(=赤毛のアン)の
寝ても覚めても見ている夢が
形のないものになって
がらんとした部屋いっぱいに
虹や月の光の織物を
織っているようだった
(熊井明子)
○若い人たちのほうが偉い
年寄りたちは神代の昔から、
「今の若い者は・・」としぶい顔をする。
けれど、そう言われた若い人たちが、
飛行機を飛ばし、月まで行ける時代を
築いてきたではないか。
いつの時代でも、年をとったオトナたちよりも、
若い人のほうが偉いんだと私は思う
『やりたいことをやれ』(本田宗一郎、PHP、p.42)
○散歩道にも、
生きていく上の道にも、
いくつかの曲がり角がある。
曲がり角のむこうには、
何かあるだろうか。
何か思いがけないこと、
人間の未熟な予知を超えた
素晴らしいものが
あると想像していこう。
『あなたの花を咲かせて』(熊井明子、三笠書房、p.56)
○Youth
青春とは 真の青春とは
若き肉体のなかにあるのではなく
若い精神のなかにこそ ある
薔薇色の頬 真っ赤な唇
しなやかな身体 そういうものは
たいした問題ではない
問題にすべきは つよい意思
ゆたかな想像力 もえあがる情熱
そういうものがあるか ないか
臆病な20歳がいる 既にして老人
勇気ある60歳がいる
青春のまっただなか
歳を重ねただけで 人は老いない
夢を失ったとき はじめて老いる
・・・・・・
(サムエル・ウルマン:新井満訳)
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