読書セラピー(幸せのページ)

読書セラピー(幸せのページ)

木に吹いた風が緑色になるように
花に吹いた風が芳香を運ぶように
風に言葉を託して届けます。

あの人が××・・・で
この人が△△・・・でと
延々続くSさんのグチ。

「Sさん、お話して
楽しいですか?」

「楽しいというより
言えばすっきりしますから」

「でも、またすぐに
戻ってしまいますよね」

「ええ」

「それは何故だと思いますか?」

「何故って周りが
変わらないから」

「周りが変われば
ラクになるでしょうか」

「それはそうでしょ」

「そう思い続けて
周りは変わりましたか」

「いいえ。全然」

「では、そろそろ
Sさん自身が変わりませんか」

「私? 私が?」

「ええ。

人は外側(状況)を
変えられないとき絶望します。

しかし、そのときこそ
本当の意味で
チャンスなんです。

なぜなら自分の内側(心)を
変えざるを得ないから。

私たちの生きる
真の目的は
内側(心)に
変容を起こすこと。
内側の変化こそ
本質的な変容を
もたらします」

「本質的な変容・・・」

「はい。
周りが変わるのを
待つのではなく
自分から機嫌よく過ごす。
すると、次第に周りも
変わってきます。

それでも、周りが
変わらなければ
Sさんはもっといい環境に
導かれるでしょう」

「そうですね。
もう、グチばかり
言うのもなんだし。
やってみます」

出典:『絶望は神さまからの贈りもの』(ひすいこたろう、柴田エリー、SBクリエイティブ、p5)

「依存から抜け出すには
どうすればいいですか?」

「まず相談せず
ノートに自分の気持ちを
書いてみる。
これだけでもだいぶ
落ち着いてきます」

「自分と向き合うんですね」

「はい。
感情が落ち着いてきたら
少しずつ物事を客観的に
見られるようになります」

「母が何か言ってきたら?」

「その内容に
疑問を持つようにしてください」

「えっ? 疑うんですか?
そんなことしたら
悪くないですか?」

「いいえ。

疑問を持つからこそ
自分の頭で考えるように
なります。

お母さんには
『アドバイスありがとう。
少し自分で考えてみるね』
と伝えてみましょう。

今、Mさんの依存対象は
お母さんですが
依存体質が変わらないと
他の対象にも
振り回されて
しまうかもしれません」

「ああ・・・情報とか」

「テレビで言っていたから
本に書いてあったから
ではなく正反対の情報も含め
『自分にとってはどうなのか』
考え、自分軸を育てるように
してください。
すると自己信頼が育ちます」

おわり

参考文献:『神谷美恵子 いのちのよろこび』(神谷美恵子、日本図書センター、p58)

何かあると
すぐお母さんに
相談するというMさん。

「私がわーっと話して
アドバイスをもらうんです。
他の人に言うより
安全じゃないですか?」

まさに母子一体感。
しかし、ここに
落とし穴があります。

「お母さんが自身の
価値観やアドバイス
答えを与えてしまうと
子どもは自分で考えなく
なるかもしれません。

結果、言われた通りやって
うまくいっても
自信が持てず
ますます依存的になり
お母さんの考えに沿った
人生を送ることに
なるでしょう。

悪く言えば洗脳です」

「洗脳って・・・
母はそんなつもりで
やっているのではないと
思いますけど」

「本当に子どものことを
思うなら
『あなたはどうしたいの?』
と子どもを主役にした
聴き方をするでしょう。

・依存は人生を台無しにする
・依存心の強い人は
 周りに依存を
 強くさせる人がいる

という言葉もあります」

つづく