結果的に彼女を狙い撃ちしたような質問となったのは共産党の市田書記局長による参議院・予算委員会質問です。
質問の要旨は、3・11大地震の被災地での医療体制の問題でした。
地震から半年余りが過ぎ、緊急派遣の医療機関も引き揚げ始め、地元の医療体制の再建が急がれる段階に差し掛かっていること
小泉内閣以来の行革や社会保障制度の見直し政策のもとで、ただでさえ公立病院が減らされているうえに被災3県の医師の数は全国平均の3分の2にも満たない水準に減らされていること
こうした背景のもとで、
被災した医療機関のうち、一部損壊の施設は業務再開ができるだけの補助金が出ているのに対し、沿岸地域を中心とした全壊の施設は一切再建されておらず、業務再開のための基準が厳しすぎること
中には県立病院でも入院・手術のできない診療所としてしか再開が認可されていないケースもあって、入院させれば助かるはずの患者も泣く泣く帰宅させる事態が相次いでいること
さらにまた、公立の医療機関は補助対象となっているのに対して個人の開業医のほとんどが十分な補助を得られず廃業を迫られたり巨額借金の個人負担での再建を強いられていること
こうした問題の質問に対して市田書記局長が珍しく語気を荒げたのは小宮山大臣の答弁のいい加減さに対して「あらかじめ質問通告をしていたテーマであり、十分に時間をかけて答弁が準備できたはずだ」と、キレたのでした。
国土交通省に対して、地震で全壊した橋の再建について質問しながら、
「同じ全壊でも、橋は再建の場所を少しずらすとか以前よりも頑丈な橋にするとか、無条件に即時に援助金・補助金が下りて、しかも厳格に原状回復を求めるのではなく柔軟な対処によって、すぐに建設に取り掛かることができている。これに対して、全壊した総合病院がなぜ同じように再建できないのか」と追及したわけです。
この理由には、地元自治体による総合(復興)計画がまとまってからでないと病院建設も認められないこと、医療体制についての政策的基準に適合しなければならないこと、などの制約があることを答弁していましたが、その答弁自体が、大臣席の後ろに控えていた厚労省職員の「説明」のオウム返しであったことから、「そこの白いカッターシャツの人に耳打ちしてもらうのではなくて、大臣自身で答えるように」と注文をつけられるありさまでした。
橋の建設であれば、現に国交省の答弁のように、補助金も援助金も柔軟に運用されている。それに対して全壊病院の再建の認可基準は厳しすぎる。柔軟に運用せよ。
という要求に、小宮山大臣は、とうとう、いろいろな制約を乗り越えて柔軟に運用すると答弁するに至り、予算委員会の野党席全体から大きな拍手が起こりました。これは、市田議員の質問およびこれに基づく要求に対して内閣がこれまでの対応を改めることを明言することとなったものでした。
「白いカッターシャツの人」に耳打ちされて、はっと気付いた小宮山大臣は慌てて、前言をひるがえし、「質問終わります。もう、答弁はいりません」という市田議員を無視して「ただし、あくまでも総合政策の範囲内での対処であることを申し上げておきます」と発言したために、予算委員会が騒然としました。
これにはさすがに、予算委員会の石井委員長も呆れて、「この問題は予算委員会の理事会預かりとして、政府の見解を明確にするように、市田議員の要求のように、できるだけ、現地の人々のためになる回答を得るように、理事会で協議します」と委員長決済をすることとなりました。
市田書記局長にしてみれば、事前通告の質問に対する答弁のあまりのいい加減さにハラワタが煮えくりかえる思いがしたのだと思います。スマイルが看板の小宮山大臣に対して容赦ない追及となりました。
彼女がこれほどにヤリ玉に上がるとは、たぶん、誰も想像していなかっただろうと思うし、その追及ぶりには、自民党なども含めて喝さいが上がったのだと思います。
就任一週間余りで辞職させられた大臣ではないけれど、今の民主党の大臣諸君は、少々、軽薄というか「お山の大将」になって浮かれている部分があるように思えてなりません。小宮山大臣も今日の追及でさぞかし青ざめたことだろうと思います。
市田議員ではないけれど、「冗談じゃありませんよ。(大臣になって浮かれてる暇があったら)一日でも早く被災現地に足を運んでごらんなさいよっ。医療がどんなに悲惨な状態に放置されているか、その目で確かめてもらいたいっ」と思いました。
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