さて。今回も前回の続きからスタートします。
第94回選抜高校野球大会の出場校が発表されたのが1/28のこと。
しかしあれから1週間経過してもネット上では昨秋の東海大会で準優勝した聖隷クリストファーのまさかの落選をめぐる騒動が沈静化する気配はありません。
その一方で主催者の毎日新聞社及び高野連はこの問題に関して完全に沈黙。我が国の「アホ」マスコミもちょうど北京冬季五輪が開幕したことを受けて何とかこの騒動を沈静化しようと躍起になることでしょう。
…そりゃそうですよね。
だって自分たちの正当性を主張したところで聖隷クリストファーではなく大垣日大を選出するだけの明確な根拠、それも当該校及び周辺の関係者、そして何より今回の決定に怒り心頭の高校野球ファンを納得させられるだけの明確な根拠はおそらく提示できないでしょうから。
そこで例のごとく高野連が提示している「選考基準」を再び登場させることにします。
- 大会開催年度高校野球大会参加者資格規定に適合したもの。
- 日本学生野球憲章の精神に違反しないもの。
- 校風、品位、技能とも高校野球にふさわしいもので、各都道府県高校野球連盟から推薦された候補校の中から地域的な面も加味して選出する。
- 技能についてはその年度の新チーム結成後よりアウトオブシーズンに入るまでの試合成績ならびに実力などを勘案するが、勝敗のみにこだわらずその試合内容などを参考とする。
- 本大会はあくまで予選をもたないことを特色とする]。従って秋の地区大会は一つの参考資料であって本大会の予選ではない。
まあこれを読んだうえで今回の東海地区の選考、特に聖隷クリストファーと大垣日大のケースを当てはめるのなら、高野連は基本的に(4)(5)の項目から両校を比較してその結果として大垣日大を選出した、というのが大まかな説明。確かに高野連及び選考委員はこの選考基準に則って代表校を選んでいるので、手続き上は何の問題もないんです。
しかし、この選考基準自体に大きな問題があります。
そしてこの「大きな問題」を隠した状態でかつ選考理由として
「個々の力に勝る」
「チームの総合力が大垣日大の方が上」
「甲子園で勝てるチームを選んだ」
なんていかにも「とってつけたような理由」を前面に押し出し、東海大会直前にバッテリーの故障というアクシデントに見舞われながら準優勝という結果を残した聖隷クリストファーの選手たちの努力とチームとして積み重ねてきた知恵を踏みにじるような発言をしたから高校野球ファンが怒り狂っているんですよ。一部のファンからは聖隷クリストファーを何とかしてセンバツの舞台に立たせてほしい、なんて声も上がっていますが、
…正直管理人は高野連の決定が覆ることはないと考えています。
しかしここまで来たら高野連も記者会見を開いたうえで少なくとも聖隷クリストファーに対する無礼な発言(ととらえられている)の内容についてちゃんと説明しないと今回の騒動は収束しないどころかことあるごとに蒸し返されそうな気がしますね。、
※そもそもここで触れた「チームの総合力」「個々の力量」「甲子園で勝てるチーム」といった選考理由自体が「21世紀枠」の存在意義を自ら否定していることに気づいていないとしたらそれこそ滑稽なことなのですが、このことについては別の機会で。
それは「センバツ」という大会形式の特質というべきなのかもしれませんが、出場校の選考過程において
「高野連の役員や選考委員、そして主催者である毎日新聞の意向が入り込む余地が大きい」
言い換えれば
「いわゆる『大人の事情』が選考を左右する」
だから過去のセンバツにおける「不可解」な選考のほとんどがそれなんですよね。
逆に言ってしまえば「不可解な選考」をなくすには「大人の事情」が入り込む余地をなくしてしまえばいいだけのこと。
一番手っ取り早いのは
「秋季大会を春のセンバツの予選と位置付ける」ことなんでしょうが、
…そうすると今度は 「センバツ大会の独自性」というものも考えなければいけなくなる。
だから「センバツ大会」と銘打っている以上、不可解な選考基準をなくす特効薬は「ない」というしかないんです。
とはいえ、センバツ出場校の選考における各地区大会の優勝校と準優勝校の扱いだけは明確に
「各地区大会の優勝校と準優勝校は不祥事がない限り無条件で選出する(ただし代表枠が1校の地区は優勝校のみ無条件選出)」
と一文入れておいた方が後々今回のようなトラブルが起きないように思いおますがいかがでしょうか?