…まさか舞台本番中にあんな大事故が起こるとは誰も予想していなかった。
この大事故が時代物やラブストーリーの舞台の途中で発生していたら、間違いなく観客からはこう言われたはず。
…金返せ。
しかし、今回の場合において救いだったのは、今回の舞台「恋する惑星」が基本的にコメディーだったということ。
そして、この大事故をやらかした図師光博という役者がこの演劇ユニットMOSHの看板役者だったこと。
そして、図師さん自身の持つ破壊力と、あまりに堂々としすぎた対応ゆえに、本来なら大事故となるはずが会場全体の大爆笑、という事態に転嫁できたということ。
今回の大事故が起こったのは舞台中盤、MOSH名物である即興コーナーが終わった直後。
ストーリーそのものについては公演自体が明日まで行われていますのでここではあえて触れない。
唯一ヒントを与えるならば、今回の「恋する惑星」は9つのショートストーリーの組み合わせで成り立っているということ。
つまり、大事故が起こったのは即興コーナーの次の演目でのこと。℃の演目なのかを知りたい方は明日まで公演が行われていますので是非築地ブディストホールまで。
この演目でとんでもないキャラクターを演じていた図師さんは最初は順当に飛ばしていた。
しかし、あるところで突然セリフがリピートした。
最初は事態が呑み込めなかったのですが、どうやらセリフが飛んだ(忘れた)らしい。
舞台本番中に演者のセリフが飛んだ、という実例は私も過去の観劇において1度だけある。
そう。X-QUESTの「ベニクラゲマン」。
その時に「クエスト四天王」の1人である高田淳さんがあるシーンでセリフを忘れ、1分間くらいフリーズしたんだった。
その時は高田さんが何とかセリフを思い出して先に進んだのですが、
…今回の場合はそうではなかった。
セリフが飛んだ図師さんの口からとんでもない一言が飛び出した。
…「台本とってきてもらえる?」
・・・・・・・・・・・・・・・・・え?
…私が自分の耳を疑ったことは言うまでもない。
そして、本当に台本を取りに舞台袖に捌けた他の出演者。
彼らが戻ってくるまで間が持たなくなったのか、今度は図師さん自らが袖に捌ける。
そして台本を手に戻ってきた出演者の目の前にはこの事態を招いた張本人である図師さんがいない。
…おいおいおい。
この見事なまでのすれ違いが続いたのちにようやくセリフを確認して図師さんが戻ってきた頃には会場全体が大爆笑。コメディーだったことが結果的に幸いした形となりました。
このストーリー自体は主人公を演じた図師さんがとんでもない(何の意味で「とんでもない」かは劇場で確認を)キャラクターを演じていたこともあってストーリー終了後には他のキャストから袋叩きの状態。
…そこに本来ならステージ上にいないはずの演出のまつだ壱岱さんがステージに上がり、図師さんに怒りの蹴り一発(笑)。まあ、結果オーライとはいえ舞台そのものがパンクする一歩手前でしたから無理もない(笑)。その代わり、こちらはめったに見られない大事故の目撃者となり、しかもそれが笑い話になるという珍しい体験をさせていただいた次第であります。
今日はあまりにも図師さんの起こした大事故のインパクトが強すぎていつものパターンとは違った展開でこの文章を書いてきました。
今回の舞台「恋する惑星」に関する感想は明日まで本番ですので別の機会に書くことにいたします。