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「現在もソビエト連邦の一員を続けている国」
参考文献は、吉田一郎さんで「国マニア」(ちくま文庫)
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沿ドニエストル共和国。
東ヨーロッパ、モルドバの右隣。ドニエストル川沿岸の南北に細長い国。南北に約200キロ。東西は広いところで20キロ、狭いところでは4キロ。
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沿ドニエストル共和国は、ソビエト連邦時代の行政システムの多くを、引き続きで採用している。
・大統領は、最高労働評議会議長を兼任している。
(評議会は、労働者のための議会ということで「ソビエト」と呼ばれる。ちなみに、ソビエト連邦はソビエト(労働者の評議会)を採用する国の集合体という意味になる)
・国旗や通貨には、ソ連で使用されていた鎌と槌の意匠が使用されている。
・広場の中心には、レーニンの銅像がある。また道路にはレーニン通りや、10月25日通り(ロシア革命の記念日)といった名前がつけられている。
・町には、コルホーズの生鮮品市場があり、市民の生活を支えている。
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なぜ、ソ連崩壊後もこのようなシステムを続けているのか?
沿ドニエストル共和国は、もともとはモルドバの一部であった。
1991年、ソ連の崩壊に合わせ、モルドバが独立を宣言する。
しかし、モルドバ国内、沿ドニエストルの人たちはこの独立を拒否、ソビエト連邦時代のシステムの継続を望んだ。
その後、内戦やロシアの介入といった事件を経て、沿ドニエストル共和国は、モルドバより分離独立。現在の形となる。
沿ドニエストル共和国にとって、ソビエト式の秩序は、国民が血を流して獲得したものであり、皆が納得する秩序として、有効に機能している…ともいえる。
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一方で、2020年に、沿ドニエストル共和国に駐留しているロシア軍が撤退する約束になっており、その際のモルドバとの再度の合併も計画としてあがってもいる。