もしも団体旅行の幹事になってしまったら(6)-アンケートの結果が驚きの結果に…- | 感動!トラベル研究所

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“一生に一度”を旅でデザインする感動トラベルプランナー須田くにひこです。

「う~ん、これはどうしたものか?」

パソコンの画面を眺めながら、俺は思わず声を上げていた。

フロムトラベルの志田さんから送られた旅行プランを社内にメールで流し、どのプランを希望するかのアンケートを取った。しかし、その結果は思いもよらないものになった。

「初野、急に変な声出してどうしたんだよ?」

隣の席の同僚、高田が声をかけてきた。そんな高田に「ちょっと、コレ見てくれよ」とパソコンの画面を指差しながら答えた。

「おぉ~、これはスゴイね!」画面を覗き込みながら声を上げた高田の目の前に映っていたのはアンケートの集計結果だった。

志田さんが作ってくれた静岡、山梨、栃木の3つの場所でのプランのアンケートが集まり、蓋を開けてみると……、社員40名のうち静岡が14票、山梨と栃木は13票づつとキレイに結果が割れていたのだ。

「高田はどのコースを希望したんだっけ?」

「俺? 山梨。カヌーの体験ってなかなか出来ないから面白そうだったし。ワイン作り体験ってのも良くね?」

志田さんは場所ごとに、様々な体験を組み込んでくれた。初めてプランを見た時は、様々な場所でいろんな体験が出来るものだと感心したが、今はそれが仇となったように思えた。

「でもさ、1票とはいえ静岡がトップなんだから静岡に決めちゃおうかな」

そう言った俺だったが、高田が「ちょっと待て」と切り出した。

「これだけ票が割れてるんだったら、せめて二つに絞って決戦投票くらいはした方がいいって」

やっぱり、そう来たか……。しかし、他の2つのプランは全くの同数だった。どうやって調整すれば良いか、すぐには頭に浮かばなかった。しかも、俺はこの調整という作業が苦手だった。

すっかり気が重くなった俺を尻目に、高田は「清水港のベイクルーズってのも良さそうだし、静岡にしときゃ良かったかな」なんて言っていた。全く、人の気持ちも知らないで……。

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“一生に一度”を旅でデザインする感動トラベルプランナーの須田 久仁彦です。

いよいよ、志田さんからプランを出してもらったものの、票が割れてしまって初野君もすっかり困っているようです。

どのプランにするか? の決定は会社など団体ごとに違うと思います。初野君がポロっと言っていたように、幹事に一任される場合もあります。また幹事役が複数いて、その中で話し合って決める場合もあります。そうすれば調整の必要もほとんどなく、幹事がある程度の独断を持って決められます。

もちろんアンケートの結果、一つのプランに圧倒的な人気が集まれば全く問題はありません。

それでも初野君の会社の場合のように、完全に意見が分かれてしまった時などは独断で決めてしまうと「何でこのプランなんだ!」と言われることもあると思います。参加者がある程度納得するような形にしておかないと、後々モメるきっかけを作ってしまう可能性があります。

さて、調整が苦手な初野君はどうやって切り抜けて行くのか? 続きは次回のブログで。