floatingsoulさんのブログ -133ページ目

初体験ふたつ ii-1

映画の帰り、少し前にインド人らしき青年が、全商品が20%オフになるチラシを道端で配っていた地元に新しく出来たインドカフェで、夕食を取った。
ベジタブルカレー、オニオンナン、ホットチャイ。
店内はずっとインド音楽。
私の席のすぐ横にはヒンドゥー教の神様でいうところの、第三の目がある、眉間に貼る女性用アクセサリーが1セット\300で売られていた。Bindiというものらしい。とてもきれいなので買いかけたが、すんでのところで自制心を働かせることが出来た。

カレーの味は、普通。
近所の日本人に作らせたのかと思うほど、顔に似合わず普通の味。
絶対醤油入れてるな、っていう、味。

さらに、オニオンナンは、直径20cmくらいのフライパンで焼いたのだろう大きさのものが出された。
それで\350。安い。
喜んでいる場合ではなく、少し大きすぎる。
オニオンナンというだけあって、見た目も舌触りもオニオン三昧なのだが、いかんせん一番大事なオニオンの味が、ほとんどしない。
予めたぶんバターで火が通るまで炒めた玉ねぎを生地に混ぜ込んで焼いてあるのだが、その火が通るというのがどうやら曲者、今回の犯人らしい。
玉ねぎは、火をあまり通さずシャキシャキした食感を残せば少し刺激的ながら爽やかな風味になるし、飴色になるまで炒めれば甘味とコクがでてそれだけで調味料の代わりにもなる、と振り幅のある使い勝手のいい野菜だと思うのだが、残念ながら今日出会った玉ねぎは振り幅のちょうど真ん中、はい火が通りましたよ、といった位置でストップしていた。
もちろん、他の具材と一緒に炒めるときやもっと濃い味をつける場合はそれでもいいのだろうけど、今回はただでさえほとんど味のないナンが相手だ。せめてハーブで香りづけするとかコクのあるスープを加えるとかしないと、ただオニオンが入っているナン、ということで終わってしまう。
きっとおいしいのは、下準備の段階で玉ねぎを炒めた、あるいは、その玉ねぎを加えてナンを焼いたフライパンに残る油だっただろう。

そしてチャイ。
私はミルクティーが好きで怪しげなハーブ、薬草の類いの香りが好きで、チャイがとても好きだ。
だから、今日のはチャイと認めない。
ハーブの香りがあまりに微量、ミルクのりょうが逆に多すぎた。肝心な茶葉の風味に関しては、またしても調理器具の中に取り残されてきたようだった。

初体験ふたつ i

David Lynch's"Inland Empire"

終始訳が分からない。

そんなことはどうだってよく、3時間もあって真ん中辺りで集中力が切れたものの、それでもまだ続きを見たいと思わせる力があった。

この映画いいよ、と人にすすめるようなタイプものじゃなく、あれ見た?あれどう思う?分かんないよねー、と終着のない会話を誰彼と吹っ掛けたくなった。

人の心を打つ!琴線に触れる!とかではないが、惹かれるものがあった。映画が私の中に入ってきて刺激するのではなく、3時間の長丁場を映画館にいる人みんなで泳ぎ進んでいくような感覚だった。旅しているというより、お化け屋敷の中を歩き続けているような。

映画が終わって席を立った時隣に座っていた人と目が合ったのは、進む通路が同じだったせいばかりではないだろう。

見るというより体験する映画で、いつも映画を見たあとに浸る余韻が、心――頭でなく、頭――体に在った。


ああ
David Lynchめっちゃ好き!!(笑)


これを見た映画館がホクテンザ2(天六)だったことも幸運だった。
さびれた建物の中の、経営者が気に入ったものだけ上演しているのであろう小劇場で、当然受付のもぎり番はパートのおばちゃん、トイレの入り口のドアだけ何故か押しボタン式の自動ドア、とベタとシュールが同居している。
たまたまなのか意図されたものなのか、椅子の座り心地が3時間の鑑賞にも耐えるほどだったのはありがたかった。クッションの柔らかさ・沈み具合、背もたれの角度・首の部分の膨らみの大きさ、と全てが少なくとも私の体にはちょうどよかった。ああいう椅子を見つけるのはなかなか難しい。安くても高すぎても見つかるものではない。まさか場末(といった風情)の映画館で出会うとは。あの中で私はずっと腹六分目だった=うれしかった。


勉強させてもらいます!


人との距離の取り方

想像力を絶えず巡らすこと


下手こいたー

そんなの関係ねぇ
って言ってもしょうがないから、

精一杯出来ることがんばります

いいことがあると信じてるぜ




ああ、私は少し過敏だ。
サッドヴァケーションを見たばかりだから。
ストーリーの流れじゃなくストーリー自体が、なんだか釈然としない、モヤモヤしたものが喉につっかえた気持ちになる映画だった。
俳優さんが素晴らしいのはもう当たり前といった感じだった。
そんなことより、ここ数年の私が、なんとか切り抜けて逃げ出せたら、とそんなことをしても解決しないのをわかっていてそう思ってしまうほどの問題を、ほら、と手渡されたようで、気持ち悪かったのだ。
映画がダメだったというわけではなくて、私の話。
つまり映画に関しては、なんて素晴らしいんだろう!ということ。
元気になった今だから、さほど反発ものめり込みもせずに見られたのは、よかった。

見た直後はグルグルするけど、色々考えながら時間が経つと、なんかがんばろうって思い始めた。


ふぅーん、青山真治ってこんな人だったんだ。
CDラックの奥の隅の暗い所にそっと置いておきたいような監督だ。
つまり、とっても大切ということ。

なーんか、今日はいいもの見たかも。
おとなしく寝られそうだ。


劇中で使われてたのもあるけど、サッドヴァケーション見た後は、Albert Aylerがおすすめです。
映画の余韻にちょうどよく浸らせてくれます。