FJスズキ『勝手にタルボ祭り』(その4) | FLOATING JAM の 『続・浮いたり、沈んだり。』

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『その3』から つづく。)


私 FJスズキ 所有の『Tokai Talbo』のお話、3本目・・・の つづき。
ミュージシャン『平沢進』氏 所有の『FERNANDES PHOTON』のレプリカ “ 的 “ なモノです。


 ◆ PHOTON amitabha ver.1.0



前回『その3』では、元ネタの『FERNANDES PHOTON』について(私の知る範囲で)と/そのレプリカを作ろうと思い至った顛末まで。
今回は当機体の具体的なお話を。

前回も掲載しましたが、本来 “ 理想 “ であった『PHOTON』の形。
2000年ごろ、私の知り得る情報と推測込みで画像加工で作成。


次に、仕様を一段妥協した “ 現実的 “ な形を現した完成予想図。
調達困難と思われる部材を早々に諦めて、市販の別機種の部品を移植&一部加工でまとめる方針に転換。

既に『FERNANDES FR-65S』から部品取りして 2個イチ の想定になってますが、ショップに依頼してヘッド形状の加工と/ネックをシルバー塗装するところまでを想定していた仕様です。


そして、更にもう一段妥協してヘッド/ネックの加工無しの移植のみで完結した結果が ↓ こちら。





実を言うと、前回『その3』で掲載した当機体の画像、1弦が切れております。
錆びて真っ黒の状態で、軽~く爪弾いたらナットのところで切れてしまいました。(← フツーはそんな切れ方しない。)
後でメンテ込みで張り換えようと思ったのと、他の 2本の Talbo と同時に撮影してしまいたかったので横着してそのままに。あと、同じくプレーンの 2&3弦もキレイに(?)真っ黒く酸化していて、結果的に 1弦が無いのがあまり目立たないんじゃなかろうかと。(いったい 何時から弦 換えてないんだ?)


今回、弦の張り換えついでに久々にフタ(ピックガード)を開けてみようかと思います。
中身の確認と、普段よりちょっとだけ丁寧に掃除をば。


その前に久々に『Sustainer Lite』の動作を確認しようと思い、電池を交換しようとしたら・・・。

何やら電池ボックス周辺の塗膜が浮いている。
ここは電池ボックス組み込みのために以前自分で糸鋸で強引にカットしたところなので、その時の影響で塗装が剥がれ気味なのかも・・・と思ったら。
これまた何時から入れっ放しだったか不明の 006P、液漏れしてベトベトになっておりました。ボディの塗膜が浮いた痕跡は、恐らく漏れ出したアルカリ液による侵食の跡ってことかと。
しかもスナップが断線してました。これは交換するしかない。もしかしたらこれも銅線がアルカリ液でやられたってことでしょうか。

あと、電池ボックス固定用ビスが 1本無くなっていたので(画像 ↑ 左下の箇所)「何故?」と思ったのですが、よくよく見るとビスの頭だけが落ちてネジ部は中に残ってました。これもアルカリ液のせい? 鉄のビスはアルカリでも溶ける??
このアルミボディ、ちゃんと洗った方がよいかも。今回は洗ってませんけど。
(それにしても、アルカリ電池はやっかいだな~。「使わない時は外せ。」というのが定石ではありますが、そうは言ってもね~。)


と、いきなり つまづきましたが。

006P スナップのストックは確実に “ ある “ ことは分かってましたが、問題は家の中の “ どこにあるのか “ というところ。つい最近 見掛けた記憶があったので、「神経衰弱」的に記憶を辿って無事に発見。


掃除は、とりあえずリアパネルを外すところから。

パネルの中と比べると、外側の塗装の黄変具合がよく分かります。

 

木製ギターと違ってスプリングハンガーにアース線は来ておりません。ってことは、アウトプット・ジャック(アース側) ~ ボディ ~ トレモロユニットのエッジと いう流れで弦にまで繋がっているという理屈かと。

 


次にピックガードを外します。



ボディ自体が導電性なので、シールド効果もバッチリ・・・ってことでよろしいかと。
サーキットは『FR-65S』から移植しております。
『FR-65S』は SSH ですが、やはり『Talbo』の見た目的には 3シングルに拘りたい。ってことで、リアP.U. のみ「DIMAZIO」のシングルサイズ・ハムバッカー(型番不明)に変更。
何度か書いてますが、当時「Sustainer のドライブにはハムバッカー(リア)が必須」と思っていたので。改めて考えてみると そもそも『PHOTON』の リアP.U. がシングルな訳なので、完全に私の誤認だった可能性が高まってまいりました。

『Talbo』はインナーのスポンジを切り取ればかなりボディ内部に空間が確保できますので、サーキット類の埋め込み自由度は高いです。とはいえ、例えば『GK-3』キット まで含めるとレイアウトの位置関係はほぼ決まってしまいそう。
一般的なソリッドギターにこれらを仕込む場合にはボディを相当量 座繰ることになるので、その時点で “ 別物 “ になっちゃいますね。



トレモロユニットも『FR-65S』の「Wilkinson VS100N」を移植。
但し、2点支持用のスタッドとポストは『Talbo』のモノをそのまま流用しております。ちょっと無理あるかな~とも思いましたが、とりあえず使えそうだったので。(1弦側のエッジがストレートなので、多少のピッチ差は吸収可能。今のところエッジの破損なども見られません。)

改造計画当初にはトレモロを『FERNANDES FRT-8PRO』に載せ換えたいと思っておりましたが、早々に断念。
果たして、実際に物理的に搭載が可能だったのかどうか・・・。


Floyd Rose 系のポストのピッチが 74mm らしいので、アンカーが『Talbo』のブリッジ部の “ 座 “ の中には収まりそうな雰囲気です。実際、『TALBO Secret FACTORY』からは FR 搭載モデルも販売されているので、「1996年~」ボディは FRタイプ搭載を視野に入れて設計されているのではなかろうかと。
但し、未加工状態のボディなら問題ありませんが この個体に関しては既に開いているアンカー用の穴が干渉しそうなので埋め直しが必要。木製ボディだったら木材で埋めて再加工で済みそうですが、さすがにアルミボディでは素人には無理ですね。(プロにも無理かも。)
あと、あまりよく分かってませんが FR 特有のユニット後部のボディ座繰りは FRT-8PRO には必要なさそう(?)なので、そういう意味ではまだ搭載の可能性は無くもないかも・・・。


ボディの塗装面、全体的には特にダメージありませんが、恒例のコンパウンド掛け。

汚れ落としの感覚で「仕上げ目」一発で完了。
あ、もしかしたら。
荒目から掛けたら黄ばみも取れるんでしょうか? 黄変がクリアーの層全体の問題なのか?/表層だけの問題なのか?/或いは下地のシルバー塗装にまで及んでいるのか?
気が向いたら とりあえず目立たないところで試してみます。


今回はトレモロユニットとマシンヘッド周辺の分解は見送って、ウェスで磨いて/ブロワーで吹いて終了。
弦を張り直してみたところ、フローティングの浮き具合がやたらに大きい。
私がここ 10年間くらい張っているのは「.10~ .46」のセットなのですが、恐らく今のセッティングは「.09 ~ .42」用になってます。
・・・ってことは、10年間 弦を張り換えてなかったってことか。道理でキレイに(?)黒く錆びてる訳だ。

スプリングを締めて「.10~ .46」に合わせたフローティング量に調整してみたものの、どうも様子がおかしい。
12フレット弦高が 3mm を越えていて/ネックは逆反り気味/サドルはプレートにベタ付け/12フレット以上のハイポジションがビリつく・・・という無茶苦茶な状態でした。
他の Talbo と比べるとピッキングポジションの弦高も低くて弾き難いし。

こんな状態で 10年近くも放置してあったのね・・・。
ネックを移植した際にポケットにハマる様にジョイント部を加工してますが、ジョイントの角度にまで意識が及んでおりませんでした。
因みにその加工したネックが ↓ こちら。


ネックは、元の Talbo が 22フレット仕様/ FR-65S は 21フレット+1 の出っ歯仕様のため、足りない隙間分は別材を足して延長しております。ビス穴は埋めて開け直し。あと、ポケットの幅に合わせて少しネック側のサイド(1弦側)を削ってます。



弦高(など)のセッティングに関して。

 ネックの取り付け角度/ネックの反り具合/ブリッジの高さ/サドルの高さ/フローティング量

の相関関係によって決まるはずなのですが、「どっちが先か?」みないなところもあり。
それらを決めるための、ロジカルな方法論に基づく正しい手順みたいなものはきっとあるはず。

んが。
考えてても埒が明かないのでとりあえずやってみる。
とはいえ、素人考えながら ほぼ確実と思えるのは、

 ・ ピキッキングポジションでの弦高が低い。/且つ、ハイポジションがビリ付く。
  ↓
 ・ ブリッジ側を上げる必要あり。
   現状はサドルがプレートにベタ付け状態。ってことは指板の R には沿ってないし、上下双方向に調整代を確保するためにもとりえず全体的にサドルを上げておくべき。(ユニット自体の高さは後から考える。)
  ↓
 ・ そうすると、12フレット弦高は確実に更に高~くなる。(ネックを順反り方向に調整すると尚更に。)
  ↓
 ・ ネックのヘッド側をバック方向へ倒す様な取り付け角度に修正する必要あり。

というところまで。
差し当たりネックジョイント部に「シム」を噛ませて、その後は色々試しながら・・・ということで。

 



ん?
連載の趣旨が何だか違う方向に・・・。
またまた泥沼の予感。


う~~む。
予定に反してまたまた長~くなったので、ここで分割いたします。



『その5』に つづく。)




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