(『その4』から つづく。)
私 FJスズキ 所有の『Tokai Talbo』のお話、3本目・・・の つづき・・・の つづき。
ミュージシャン『平沢進』氏 所有の『FERNANDES PHOTON』のレプリカ “ 的 “ なギターについて。
◆ PHOTON amitabha ver.1.0
久々に弦を張り換えてちょっとメンテしてみたところ、改造後あまり弾かないまま ほぼ 10年間放置に近い状態だったことに改めて気付きました。(苦)
現状の支離滅裂なセッティング状態、根本的な原因は恐らくネックの装着角度。
2008年に改造した際、ネックの移植作業自体に気を取られ過ぎて角度の調整にまで気が回っておりませんでした。
ってゆーか、それって その時点で気付かないとおかしいレベルの瑕疵だった気がしないでもない。
例えばストラト同士とかならまだしも、別機種間でネックにそのまま互換性があると思ってるのが甘かった・・・。
デタッチャブルネックの取り付け角度調整には、ジョイント部に「シム」と呼ばれる薄い板を噛ませるのが一般的。
厚紙/木材の薄板/製品化されたシム など、やり方や考え方は様々あるようですが、手持ちの素材の利用で合理的と思われる方法にて対処します。
とりあえず 0.5mm 厚の『プラバン』を切り出して挟み込んでみたところ、ちょっと角度が足りない感じだったので 0.3mm 厚を重ねて 計 0.8mm としました。
製品版のシムの中には、ジョイント部の接触面全体をカバーする様に 木材を一定の角度で薄く削り出したものもありますが、私には到底そんな繊細且つ高度な技術を要するモノは作れません。
「タミヤ」 の『プラバン』は透明なタイプも含めると厚さが 0.2/0.3/0.5/1/1.5/1.7/2 と刻めるので、特にシムの材質に拘らなければ いろいろ試せてよいと思います。
ただ、シム用途に限定すれば・・・のお話ですが、実質的な使用量を考えると販売単位がなかなか使い切れる量ではないのが難点といえば難点。
(昔の街の模型屋さんでは袋からバラして 1枚単位で販売してくれてました。今時はそんな売り方してないだろうな~。)
通常版より小振りなサイズで 3種類の厚さがセットになった『楽しい工作シリーズ No.3 プラバンセット』というのが実用的かも。
この様に厚さ一定で傾斜のないシムを噛ませる場合、どうしてもネックとボディのジョイント部での接触面積は減ります。(理屈的には、シムのヘッド寄りの方のエッジのみで線接触することになります。)
これがどの程度サウンドに影響するのか/しないのかは毎度のことながら私の耳では「?」なお話なので、あまり気にしないことにします。
元々 Talbo のジョイント部分はボディ側が鋳造の都合で大きく肉抜きがされているため、接触面積自体が少なめです。
どちらかというと、(弦と平行方向に)シムに余計な幅を持たせてしまうと接触するエッジの位置が よりヘッド寄りになって不安定になる気がするので、シムは極力 幅狭にいたしました。(5mm くらい。)
で、一旦 “ それなり “ に調整した結果が ↓ こちら。
確かに “ それなり “ な効果はあったのですが、今度は 5フレット以下のローポジションがビリ付く状態に。
ちょっと悩んだ末、
~ シムを 1mm 厚に変更/ネックをもう少し順反り方向に調整
で概ね良好になった・・・と思います。
(ネックが波打ってる様に見えなくもありませんが・・・。)
『Sustainer Lite』の動作については万全とは言えない状態です。
今回は外しておりませんが、この基板 ↑ の裏側に半固定ボリュームが 3基あって、恐らくそれらでサスティナーの作動状態を微調整するものと思われます。
ただ、無闇に触ると取り返しの付かないことになり兼ねないので、一切触れないまま移植しております。
現状 少なくともサスティーンを得られる状態にはなっているので、余計なことはせずに そっとしておこうかと。
サスティーンボリュームにはあえて目盛り付きのハットノブとポインター(目盛りの位置を示すプレスの板)を入れております。この組み合わせはエレキギターとしては かな~り古典的なモノではありますが、実用的且つ/ちょっとメカニカルなイメージがあって大好きなので。
サスティナーの使い方って結局のところ “ 常フル “ に行きがちなので、目盛りはあまり意味無いと思ってました。しかし、この機体に関しては実用上で役に立っております。
というのは、サスティーンボリュームを “ フル “ に上げると「キ~~~ン!」と高周波で発信してしまうため、MAX で目盛り「7.5」くらいまでの発信しないギリギリのところで使っております。
フロントのサスティナードライバーを全弦オープン状態で弦ギリギリの高さにまで近付けると発信が収まるのですが、そこまで上げてしまうとハイポジションを押さえた時(& アームアップした時)に弦がドライバーに接触してしまいます。
さすがにこれでは演奏に支障を来すので、ハイポジション & アームアップで弦に触れないところまでドライバーを下げて、あとはサスティーンボリュームを絞って調整という状態で運用しております。
本来はそういったところを前述の半固定ボリュームで調整するのではなかろうかと思います。
『Sustainer Lite』は ON/OFF SW のみで、ハーモニクスモードは省略されています。
ただ、これもまた調整の問題なのかどうか、特定のポジションでハーモニクスに移行してしまうところが何箇所かあります。
因みに。
サスティナーの電池残量インジケーター(赤色LED)が裏から覗ける様に、Talbo のボディに直接穴を開けております。(通常は「リアパネルに穴」だと思いますが。)
アンプに繋がなくてもプラグを挿せば電源が入るので、生音でもサスティーンします。
けっこうビリビリして気持ち良い。
改めて。
掃除後、ちゃんと弦を張った『PHOTON amitabha ver.1.0』。
ひとつ忘れてました。
ホーン部分のロゴマーク。
改造当時に アルプス電気 のマイクロドライプリンタ『MD-2000』で製作いたしました。
高精度の熱転写式プリンタで、現在ほどインクジェット式の用紙の種類(素材)が豊富でなかった時代に様々な素材に直接印刷が出来て と~~っても重宝しておりました。
このロゴマークは、ホームセンターで購入したシルバーのカッティングシートに MD-2000 で直接印刷した上に、保護用に透明の粘着フィルムを被せております。
当時はボディの塗色のシルバーと/カッティングシートの色目やラメの粒子感がバッチリ一致してましたが、現在はボディ側の黄変によって ややギャップが目立ちます。
『MD-2000』の話題が出たので、長くなりついでに余談です。
当初この『PHOTON amitabha ver.1.0』をショップに改造依頼して製作したいと考えていた時点で「仕様書」を作成しておりました。
その際、こんな ↓ 感じに。
カラー画像の上にトレーシングペーパーに印刷した青い画像を重ねて、そこにキャプションを入れています。
恐らく当時はインクジェット用のトレーシングペーパーは無かったと思うので、これも MD-2000 ならではの遊びだったかと思います。
これの元ネタは、むか~しむかし『テレビマガジン』の綴じ込み付録にあった『マジンガーZ』の内部図解でした。厚紙に内部メカのイラストがカラー印刷されていて、その上にトレーシングペーパーに青色印刷で “ ガワ “ の絵が重なっているヤツ。
(現物はどこかに保存してある気がするので、もし見付けたら追記いたします。)
私は Mac版の MD-2000 を所有しておりましたが、「OS 9」がネイティブで動作する環境と/「SCSI接続」というハード環境が維持できず使用不能に。数年前に処分してしまいましたが、今思えば とりあえず本体は残しておけばよかったかも・・・。
ということで、『勝手にタルボ祭り』は つづく・・・かどうか未定です。
ネタはまだまだありますが、毎度々々 余計な泥沼にハマってしまいそうな気がして・・・。
(もし つづくとしたら『その6』へ。)
■ FJスズキ ■