(『その11』から つづく。)
『課題1』の方が進んでおりませんが。
一方で、『課題2』については
◆ 課題2 (『なんちゃって JLカジノ 1』オリジナル復元)
● 2-1:ピックガードを再取り付け。
● 2-2:ペグをクルーソンタイプに戻す。《済》
● 2-3:コントロール類を戻す。《済》
● 2-4:GK-3ピックアップを外す。《済》
という状況。
前回は、元々予定には無かったポジションマークの再生で寄り道をいたしました。
我ながらちょっと焦れったいので「2-1」のピックガードを元に戻して、先に『課題2』を終わらせてしまおうと思います。
ホントは 20年ほど前に外した『’65年リイシュー』のオリジナルのピックガードを発掘してからと思っておりましたが。
その内に現物が見付かったらちゃんとホンモノに戻すとして、それなりの出費を覚悟の上でサードパーティー製で一時凌ぎをば。
で、ネット通販で購入したのが ↓ こちら。
『Montreux』というブランドの『Japan 64 Casino pickguard relic』。
あと、『SCUD』のレスポールタイプのピックガード用ブランケット。
むむ。
遡ると『課題2』のベースとなっている国産の『Epiphone CASINO』ですが、当初私の思い込みで『’64年リイシュー』だと思っておりました。
その後ネットで薄っすらと検索していてどうやら『’64年』ではなく『’65年』らしいとの情報に行き当たって、それ以降『’65年リイシュー』ということで進めてまいりました。
んが。
ここへ来て、やっぱり CASINO に関しては『’64年』というのがひとつキーとなる製造年らしい・・・ということになりそう。
まあいいや。
当連載では、本体については『’65年リイシュー』ということにしておきます。
着荷したピックガードの現物を見て、
「あれ? 店頭在庫品で 黄ばんでる?」
と思いましたが・・・。
改めて口紙を見てみると、
〜 国産のオービル、エピフォン等に適合する、レリック仕様のピックガードです。
とあります。
ナルホド。
新品だけど あえて “ 使い込んだ感 “ を演出する いわゆる「レリック加工」が施されているってことなのね。(発注の際には一切感知しておりませんでしたけど)
ピックガードの端面や皿ビス加工されたテーパー穴が、こんな感じ ↓ に茶色に着色されております。
あと、表面にもぼんやりと着色がされた上に、ご丁寧に擦り傷まで加工されている。
ホントに使い込んだ擦り傷は演奏時にピックが当たって出来るものがほとんど(のはず)なので、腕のストロークに合せて同心円状にこんな感じ ↓ になりますけどね。
(画像は『CASINO Coupe』から外した方のヤツ。 )
ギターの世界は一般的な工業製品とは異なり、経年劣化による変色なども「味わい」として捉える向きがございます。
新品の機体にもかかわらず いかにもそれらしく塗装を剥がしたモデルがあったりとか。
まあ、この辺りはそれぞれに 好みの問題だったり/哲学とかをお持ちの方もいらっしゃるかと。
で、それはそれとして。
このピックガードの白い樹脂素材、古い機種でもおよそ黄ばんでるところって見た記憶がございません。
もちろんピックガードの素材にも色々あるので一概には言えませんが、ストラトなど含めてよく 3プライ などで使われている純白の硬〜い樹脂、印象としては黄ばむイメージが無い。
(材質はよく分かりませんが・・・。)
よって、黄ばむ可能性しては「タバコのヤニ」とかでしょうか?
よく、ネットオークションで購入したギターが梱包を解いたら やたらとヤニ臭いっていうのは往々にしてあります。濡れ雑巾で拭くと、けっこう茶褐色のヨゴレが取れたりします。
尤も、今回はあくまで “ 純正 “ のピックガードを発掘するまでの間に合わせ(のつもり)なので、純正/サードパーティー製 の見分けが付き易いのでよしとしましょう。
因みに。
以前にも書きましたが、通常の CASINO と Coupe のピックガードは別物です。
(左:通常 CASINO 用 / 右:Coupe 用)
そうそう。
サードパーティー製の導入に当たり、ひとつ重大な問題が。
『Epiphone』の頭文字の “ E “ ロゴです。
流石にサードパーティーには及ばないところ。
・・・なんですが。
前述の Coupe から外した “ 純正 “ のピックガードから移植してしまおう。
幸い(?)この Coupe の “ E “ ロゴ、特に引っ掛けたりした覚えはございませんが、購入して間もなく一部が浮き上がって戻らなくなってました。
アルミのプレス品なので、跳ね上がったまま押さえても戻らない。
この浮き上がり部分をきっかけに慎重に剥がして、サードパーティー製の方に再接着いたします。
Coupe の “ E “ ロゴ、接着は透明のゴム系接着剤(恐らく現在主流のゲル状のタイプ)の模様。
またまた接着剤に悩むところですが、一応 “ 可逆性 “ に配慮して、両面テープを採用。
しかも、剥がす時のための “ きっかけ “ 用に少し隙間を設けておきます。(念の為。)
ロゴの接着位置は、毎度おなじみ『シンコー・ミュージック・ムック 「エレキ・ギター・ブック 2」』を参考に。
(そういえば、表紙は初めてだった気がする。)
出来上がり。
ホンモノのビンテージは、「3プライ」ではなく「4プライ」との情報もどこかで見掛けました。
はっきりとは分かりませんが、雑誌の写真だと 白/黒 の層が 3プライ のものより一層当たりが薄く見えなくもない。
ブランケットについて。
正直、レスポールタイプ用のモノがそのまま使える確証はなかったのですが、同じギブソン系の機体だし。
あと、それなりに探した中では特に「335用」みたいなのは見付からなかったので、恐らくこの辺り共用ではなかろうかと。
ピックガードを保持する側(L字の長い方)はスリット状なので固定位置は現物合わせで調整可能。
問題は、本体に固定する側(短い方)の穴位置。
果たして高さが合うのかどうか・・・。
Coupe のモノと比べると、やっぱり同じ設定の模様で一安心。
セットに付いていた皿ビス(M3✕10mm)だとピックガード裏でボディにギリギリ干渉してしまうので、M3✕8mm に変更。
ステンレスなのでちょっと色目が変わってますが、却ってこの方が他のメッキ色と馴染みます。
あと、ISOネジ ってのも見た目的にどうかな〜と思ったので、結果的に一石二鳥。
『JLモデル仕様』となっていたフロント側のビスとゴムブッシュを外して、ピックガード固定に再利用いたします。
・・・と思ったのですが。
むむむ。
穴の位置が合ってない!
安易にサードパーティー製に頼ったのが失敗でした。
しょうがないので、新たにビス穴を開け直すという本末転倒の木工に着手いたします。
元の穴は私の “ なんちゃって “ 内部指標ではそのまま放っておいても OK なレベルなのですが、残念ながら新しく開ける穴に干渉してしまいそうな近さなので 一旦埋めます。
2mm のプラ棒(丸棒)を突っ込んでエポキシ系接着剤で接着。
表面を仕上げて、この辺りの色をテキトーに調合して塗ります。
↓
ほぼピックガードの下に隠れて目立たないので、このくらいで及第点といたします。(毎度 甘〜い。)
改めてピックガードを位置合わせしてビス穴を開け直したところ・・・。
旧穴と新穴、干渉とかしてないし。
無理に埋める必要も無かった・・・。
そして今回の「After」。
これにて、
◆ 課題2 (『なんちゃって JLカジノ 1』オリジナル復元)
は “ 暫定 “ 完結といたします。
(もし純正ピックガードが発掘されたら交換予定。)
むむむむ。
今気付いた。
「レリック加工」の擦り傷、” E “ ロゴの下をくぐってしまっている!!
まあいいや・・・。
(『その13』に つづく。)
■ FJスズキ ■