“ なんちゃって “ にもほどがある『CASINO』JLモデル ★Reprise★ 『その11』 | FLOATING JAM の 『続・浮いたり、沈んだり。』

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『その10』から つづく。)




現在、ここまで来ました。


◆ 課題2 (『なんちゃって JLカジノ 1』オリジナル復元)
 ● 2-1:ピックガードを再取り付け。
 ● 2-2:ペグをクルーソンタイプに戻す。《済》
 ● 2-3:コントロール類を戻す。《済》
 ● 2-4:GK-3ピックアップを外す。《済》


引き続き「2-1」はピックガードの捜索中。
新規の『なんちゃって JLカジノ 2』の方の完成までを猶予といたします。



で。

想定外の事案が発生。
リペアを要します。



5フレットの『ポジションマーク』が無い!

いや、しばらく前に接着が剥がれて 5フレットのマークが落ちたのは認識しておりました。
そのまま接着してしまえばよかったのですが、あまり “ その場しのぎ “ に走るべきではないと慎重になったのが仇となりまして。(その他の工程は ほぼ “ その場しのぎ “ の積み重ねなのにも関わらず・・・。)

再接着の方法として即思い当たったのは やはり『瞬間接着剤』なのですが、本来のトラディショナルな工法を鑑みるといささか邪道な感を免れない。(『ホンモノ』は 50年以上も前から製作されているわけなので。)
かといって、さすがに『膠(にかわ)』ってことでもなさそう・・・な気はする。

ボディ(ネック)の振動を阻害しないためには柔らかい素材(ゴム系接着剤とか)は避けたいし、表面のフラットさをキープするには厚味の出てしまうモノ(エポキシ系とか/両面テープとか)も NG。


う〜む。
ここはやっぱり『瞬間接着剤』か・・・。


数日後、結局そういう結論に至って 外れたポジションマークを探してみたら見当たらない!
「無くさないように。」と思ってちゃんとしまったはずの場所に無い!!(← 「ピックガード」と同様、現在 こうした事案が多発しております。)



仕方がないので “ 自作 “ することにいたします。


ギターのポジションマークのデザインは色々な種類があります。
一番シンプルなのはドット(丸)。
後は四角とか、その変形など。
複雑な方に至ってはキリがありませんが、凝りに凝った図柄の「螺鈿細工」仕様のものなども。
(個人的にはあまり派手なものは ” 品が無い “ と思ってしまう傾向にあります。(あくまで個人的には・・・です。))


『CASINO』に関しては「平行四辺形」で、材質はフェイクのアワビ貝的な柄の樹脂製。

ネットで素材の板材を探してみましたが、それらしきモノはヒットしませんでした。
ギターに使う素材としては至極一般的なものだと思うので、検索ワードの引っ掛け方が下手なんだと思います。
尤も、素人が小分けで買える様な形態なのかどうなのかも分かりませんけど。(例えば、メーター角で数千円とか・・・。)


代替材として思い付いたのは、やっぱり “ アレ “ です。

 〜 セルロイドの下敷き

昔よく見掛けたフェイクのアワビ(?)っぽいメラメラした光沢を放つ模様の樹脂素材。
下敷きの他にも 筆箱とか/石鹸箱とか、フツーに身の周りにありました。
実際のところ、あのメラメラの素材の目指しているのはいったい何処だったのでしょう?

 


比較的最近(ここ 1年間くらいだったかと)どこかのお店で、同素材の下敷きを見掛けた記憶があります。

 「へ〜〜、今時こんなの売ってるんだ〜。」

と思った印象が残っておりますので。
ところが、実際にどこで見たのか思い出せない。いくつか心当たりのお店も覗いてみましたが、全部外れ。



となれば・・・。


某フリマサイトを見てみると、『セルロイドの下敷き』あった!
即購入いたしました。

現物が届いたので見てみると、それなりに使用感もあり 恐らく「当時物」と思われます。(← “ 当時 “ っていつだ?)

ただ。
ネット上の画像では「白」ベースだと思ったのですが、実際にはかなり「ピンク」でした。

しかも、結構 “ 透け “ 感あり。
下地(指板)が黒いので、尚更 オリジナルのポジションマークの「白」っぽい素材とのギャップが際立ってしまう。


ちょっと悩みましたが、これまた “ なんちゃって “ の一環として「及第点」でよかろう・・・という甘〜い判定に。



さて。
問題は施工方法です。


『CASINO』の平行四辺形のポジションマーク、流石の職人技。
鋭角の方の角も含めて 全く隙間も無くキレイにピッタリ嵌めている。

この穴にピッタリ収めるように高精度に素材を加工するのは至難の業です。(← 特に私にとっては。)
少〜しずつ調整しながら地道にやるしかなさそう。


それにしても、いかな職人といえども ギター 1本毎にそんなに手間を掛けていられるんだろうか?
・・・という素朴な疑問。

改めてポジションマークをよ〜く観てみると、秘密が分かった!

穴を一回り大き目に加工して、隙間をパテもしくは接着剤的な何某かの素材で埋めております。
本来は鋭角な穴の角も、一旦「丸」で逃がしておいてから埋め直しているので、実は 加工の精度は左程要りません。
( ↓ 穴周辺の素材の違いがよく分かるショット。)



ナルホド・・・。

手持ちの「非ドット」のギター数本確認しましたが、同じ手法でした。


ただ、『リッケンバッカー』のベース(4003)だけは違った。

角に R が付いてはいるものの、キレイに全周をピッタリ合わせて加工してます。

こちら ↓ は『グレコ』のリッケンタイプベース。外周を埋めてます。


『ギブソン』辺りはどうなんざんしょ。今度 楽器屋さんで観察してみます。



・・・という発見はあったものの。

今回は既存の穴に新造のポジションマークをキレイに嵌め込まなければならいないのでした。
難易度 高し!


工程は以下の通り。




指板の穴の深さが約 1.2mm、下敷きの厚さが 0.8mm。厚さの調整と同時に透け防止のため、0.3mm の白い プラバン で裏打ちしました。

これで多少なりとも素材の「ピンク」を緩和して「白」に近付けられます。


微調整を避けて一発で決めようと欲を出してしまったがため、結果 切り出し寸法が小さ過ぎました。
全周 0.1mm 程の隙間が空いてしまっております。

ただ、この先 “ ホンモノ “ のポジションマークが発見された時を想定すると あまりピッタリに嵌めてしまうと外せなくなってしまうので、今回はこれでよしとする。(← 甘い。)

近くで観ると 色目の違いや/ちょっとキラキラ感が強いのがバレますが、気にしなければ気にならないレベル。(← とっても甘い。)



それにしても・・・。
元々のポジションマークの樹脂素材、これまで「所詮はニセモノ。」と、ちょっと安っぽく見ておりましたが、下敷きの素材の模様と比べると かなり " 貝っぽい " 仕上がりになっております。
ホンモノのアワビみたいな緑とか紫の要素は無いものの、透明/不透明なところや黒っぽいところの混ざり具合がけっこう頑張ってます。
下敷きの方は基本的に単色なので、どちらかと言うと「パール」のイメージだったりするのかも。


実はこの『CASINO』、その他のポジションマークも全て 1弦側が浮き上がっており、いつ外れて落ちるか分からないくらいの状況となっておりました。
なので、一旦全部外して接着し直しました。


 

 


久々に弦を張って、とりあえず鳴らせる状態にまで漕ぎ着けました。



ロック式のロトマチック・ペグも、弦の ” 巻き “ が無いのも含めて ヒジョ〜にスムーズで安定していて良い感じ。



弦を外す前の弦高を記録してなかったので “ 今 “ の私の感覚でちょうどよい加減に調整したつもりが、何故か 6弦のテンションが足りなさ過ぎ。
元々の弦高がかな〜り高目だったってことなのか?
引き続き調整はしてみます。




後はやっぱり「ピックガード」の捜索か・・・。

本題の『課題1』の方も進行いたします。





『その12』に つづく。)




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