前回記事からの つづき。
先週末と先々週末とで、静岡市内の某シネコンにて映画を合計 5本鑑賞。
残りの 2本についての “ 成り行き “ です。
● 先週:
◆ 『風の谷のナウシカ』
◆ 『エジソンズ・ゲーム / The Current War: Director’s Cut』
「先々週」の『ガンダム』3本立ての際、予告編を観て「これ観たい!」と思ったのが『エジソンズ・ゲーム』でした。
『ナウシカ』の方は “ ついで “ と言ったらアレですが、同日の並びでウマく組み立てられたので・・・という流れ。
とりあえず、『エジソンズ・ゲーム』について。
もう 20年以上前になるかと思います。
あるミュージシャンが『ニコラ・テスラ』なる人物に執心されていることを知りまして。
ニコラ・テスラ は、概ね
・ エジソンの「直流」に対してテスラの「交流」。結果、『電流戦争』を制したのはテスラの「交流」。
・ 電波による無線通信や遠隔操作を発明。
・ 無線での電力伝送を考案。
といった実績を残した科学者ながら、その天才肌ゆえに「奇人」とか/むしろ「マッド・サイエンティスト」的な扱いで歴史上あまり正当に評価されていない・・・ってな感じでしょうか。
(科学的/技術的/史実的に正しい記述かどうかはちょっと怪しいですけど。)
私もにわかに テスラ に関心を持ち、何某か伝記的なモノを読んでみたくなって渋谷のパルコブックセンターで探しました。
2冊発見。
案の定、置かれていたのは ちょいとサブカル感漂う超常現象やオカルト系のペーパーバックなどが並ぶ棚。
写真左の方が正にそういう切り口で編まれた感ありありの 1冊でした。
奇しくも同日、同店内で平積みになっていた新刊を発見。
ちょうどよい機会なのでこちらも購入。
どれも 20数年前に読んだきり 特に読み返してはいないのであやふやな記憶頼みですが、先に『テスラ』の方の 2冊を読んだと思います。
あくまで「テスラ目線」・・・というか、「テスラに肩入れした作家目線」だと思うのでどこまでが真相なのかは不明ながら、私の中の エジソン に対する印象がガラリと変わった記憶はあります。
それまでは、『エジソン』といえば小学校の図書室にある「伝記」シリーズの筆頭に挙がる “ 偉人 “ という印象でした。
例えば、
・ 1,000件もの「発明」で特許を取得、現代社会に大いなる恩恵をもたらした『発明王』。
・ 所謂「天才」というよりは、世のため人のために努力を惜しまない「努力の人」。
って感じでしょうか。
んが!
今や割と有名なお話かと思うのですが、テスラ との『電流戦争』では本来根拠の乏しい “ 交流電流の危険性 “ をアピールするネガティブ・キャンペーンのために、公開の動物実験を行ったというエピソードとか。
多数の特許取得も、当時のライバルたちとの激烈な『特許戦争』の中で相手を牽制したり/出し抜いたりという「手段」として必要に迫られていた状況とか。
必ずしも「善意の人」ではなく、実は「ビジネスの人」だった・・・みたいな。
追って『快人エジソン』の方も読んだのですが、これまたあやふやな記憶では
〜 良くも悪くも誤解されがちな『エジソン』の人物像を、改めて評価する。
みたいな切り口だったかと。
とはいえ「エジソン寄り」の立場で書かれているので先のスキャンダラスなエピソードなどには触れられておらず、当時の「にわかテスラ派」の私としてはちょっと物足りなさを感じてしまったと記憶しております。
・・・と、そんな前提がございまして。
劇場で『エジソンズ・ゲーム』の予告編を観て、「これだよ、これ!」と思ってしまったのでした。
メジャーな映画なので、余程明確な意図でもない限り エジソン が「100% 悪者」として描かれることは考えにくい。その辺のバランスは考慮されているであろうことは想像できますが、少なくともテーマがズバリ『電流戦争』ってことは前述のネガティブ・キャンペーンのエピソードとかも避けては通れないはず。
予告編にも エジソン が激昂するシーンが挟まっていたりと、「100% 善人」という描写でないことは確かな模様。
つまりは、
「エジソンって、” 偉人 “ かも知れんけど 必ずしも “ 善人 “ ってわけじゃないんだよね〜。」
って言いたい自分が居る。
先の テスラ の伝記を読んでから、ず〜〜〜っと。
でも、この 20数年間 実際に他人とそんな話をする機会もなく。
だから、ぜひこの映画で、
「やっぱ、そうだよね。」
と確認したい。
う〜む。
我ながら、その動機の何たる不純なことか・・・。
で。
映画は、大筋で
〜 『トーマス・エジソン』 vs 『ジョージ・ウェスティングハウス(w/ ニコラ・テスラ)』
みたいな構図で描かれているので、テスラ の存在感はやや薄め。
それはそれとして、エジソン の描かれ方がヒジョ〜によいバランスだな〜と思った次第。
映画の冒頭に「史実に着想を得て・・・」的なテロップが出てました。
当然ながら細かい心理描写が “ 創作 “ なのは間違いないのですが、登場人物の言動が、それぞれが抱える 事情や/立場や/想い を背景にしたものだというところがウマく表現されている気がいたします。
因みに。
『快人エジソン』の帯にも書かれてますが、エジソン発の格言として有名な
〜 天才とは 1% のヒラメキと 99% の努力である。
みたいなヤツ、ホントは
〜 1% のヒラメキがなければ 99% の努力も無駄である。
という趣旨の発言が間違って流布されたものらしいです。
長くなったので、『ナウシカ』についてはまた次回記事に持越し。(← あくまで予定です。)
■ FJスズキ ■