(『その3』から つづく。)
引き続き、前回から継続中のお題。
◆ 課題1 (『なんちゃって JLカジノ 2』新規製作)
● 1-2:塗装をマット仕上げに。
前回『その3』では くどくどと語った割には意味が伝わり難かったかと思うので要約いたしますと、
~ グロス仕上げのギターをマット仕上げにするには「サンディング」すればよい・・・に違いない。
というお話でした。
実は、『Epiphone CASINO Coupe』のボディのツヤを消したいと思い立った瞬間、
「紙ヤスリで削っちゃえばいいじゃん。」
というのは私の中で ほぼ腹は決まっておりました。
だだ。
いささか野蛮な気もするので、一応その方向性で間違っていないことを手持ちの市販品ギターで確認しておこうというプロセスでした。
結果、ネックの サテンフィニッシュ に特化したお話にはなってしまいましたが・・・。
『なんちゃって JLカジノ 2』の目指すところとして、上記の「サテンフィニッシュ」みたいなスベスベのお上品な仕上がりは求めてはおりません。
私が実際に観た
〜 『ジョン・レノン』が “ 自分で “ 塗装を剥がして/そして大雑把にニスが塗られただけ。
と言われるその機体のイメージに近付けられればよいので。
むしろ ヤスリ目 丸出しくらいに荒っぽい方が “ それらしい “ 雰囲気にはなるんじゃなかろうかと。
あ、またムダに長くならないうちに先へ進めます。
もうとにかく、ボディの塗装面を削る。
但し、塗装を「剥がす」のではなく あくまで「ツヤを消す」のが目的。
上で「紙ヤスリで」とは書きましたが、実際には「紙ヤスリ」はちょっと危険かも。
『CASINO』は トップ/バック ともに、合板をプレスして 外縁部の凹カーブから中央部の凸カーブへと なだらかに隆起する加工が施されています。
フツーの紙ヤスリはベースの紙が硬くて伸縮性も無いので、このボディのカーブには馴染みにくい。
凸部分は局所的に当たりが強くなって不用意に削り過ぎてしまう恐れが。
逆に凹分は底に届き難くいので、力を入れて押し付けると却ってその周辺部を削り過ぎてしまうという懸念もあります。
あと、紙ヤスリのエッジで思わぬキズを付けてしまったり。
慎重な作業を要します。
・・・と言うほど極端な R じゃありませんけど。
便利なモノがございます。
シート状のスポンジに研磨剤をくっつけた・・・スポンジヤスリ?
曲面に馴染むので、今回の作業にはおあつらえ向きのはず。
実際に試してみないと どの番手がよいのか分からないので、とりあず使えそうな範囲のモノを購入してストックしておりました。
ざっと、こんなラインナップ。
一通り実際に試してみてから決めます。
よく、家庭用のクリーナーなどに
「目立たない場所で試して下さい。」
みたいな注意書きがあったりします。
本格的に使う前に、例えば 表面を傷つけたり/侵したりしないか といった対象物との相性を確認すべしという意味。
『CASINO Coupe』の “ 目立たない場所 “ で、各スポンジヤスリの仕上がり具合を試してみます。
ここ ↓ 。
フツーは全く目に入らない(= 目立たない)場所。
手持ちのスポンジヤスリは 4系統。
[A] 『3M』 スポンジ研磨材
まあ、順当なところかと。
紙ヤスリをそのままスポンジに移行した感じ。
後はどの番手を選択するかというところでほぼ決まりな気がします。
但し、コストパフォーマンスで言うと次の [B] に分があるので、その辺りはやはり使用感との兼ね合いで判断。
[B] 『3M』 みがきパッド
番手の設定としては [A] と重なるモノもありますが、どうもパッケージの商品説明に依るとちょっと荒っぽい用途(?)を想定している印象。
ベースはスチールウールくらいの粗さの樹脂繊維のスポンジ(?)です。
目詰まりし難いらしいので、使い勝手としては悪くなさそう。
[C] 『シャイネックス』 サンドシート
たまたま「極細(1000)」のみ購入しておりました。 [B] に近い製品ですが、ベースの素材がこちらの方がやや硬目です。
[D] 『GSIクレオス』 Mr.メラミンシート つや消し仕上げ用
模型屋さんで発見。「つや消し〜」というところに反応してしまいました。
ただ、プラモデルの繊細な部品などを想定しているので、恐らく今回の用途に対しては番手が細か過ぎると思います。
で、よくよく見たらこちらは「水をつける」必要があるとのことなので、この時点で木部への使用は除外。
(恐らく、キッチンのシンクを磨くクリーナーとかと同系のモノかと。)
一連のミッションの中で何かしら他に使い道があれば・・・ということで。
因みに、[A] ~ [C] ともに水研ぎや水洗いにも対応してますが、今回は乾式で行こうかと思います。
(一応、目詰まりしたら洗って使う方針で。)
こんな感じでボディを区分けして、それぞれのスポンジヤスリを試してみます。
本番はある程度広い面積でダイナミックに仕上げたいところなので、ちょっとニュアンスが違ってしまう可能性もありますが。
以下、ざっと試してみた印象。
(結果的に今回も長〜くなります。)
画像では伝わり難いかとは思いますが、一応 Zライトの映り込みで元のグロス面との差が比較出来る様にしてみました。
[A] 『3M』 スポンジ研磨剤
A−1.極極細目 (#800〜#1000)
これが一番キレイにというか気持ちよく削れた粉が出ます。
仕上がりは、前回の『FENDER STRATOCASTER』のネック裏 サテンフィニッシュ に相当するくらいの スベスベさらさら感。
見た目にもヤスリ目はほぼ気にならないレベルなので、一般的な「マット仕上げ」を求めるならこれで丁寧に磨けば OK だと思います。
・・・ってことで今回の『なんちゃって JLカジノ 2』については実用面を鑑みて、ボディとは別にネック裏をこれで サテンフィニッシュ にしてしまおうと思います。
A−2.極細目 (#320〜#600)
A−3.細目 (#240〜#320)
この 2点は目が荒い分、研磨剤が接触しないところに細かくグロス面が残ってしまいがち。
全面しっかりツヤを消すにはかなり念入りに掛ける必要あります。
しかもこれら一発で仕上げた場合には、今回目指すところに対してはちょっと目が細か過ぎる(キレイ過ぎる)感じ。
[B] 『3M』 みがきパッド
B−1.#400相当(細目)
B−2.#320相当(中目)
B−3.#240相当(中荒目)
こちら 3点については、もっとゴリゴリ削れるのかと思いきや・・・。
グロスの面に直接掛けると、意外に上滑りをして食いつかない感じ。
ちゃんとヤスリ目を付けるにはかなり力を込めないといけません。「削る」というよりは「傷を付ける」みたいな感触。
そして、やはり研磨剤の密度が低いので、[A-2]/[A-3] 以上にグロスの面が残ります。
[C] 『シャイネックス』 サンドシート
C−1.極細(1000)
こちらは感触的には [B] とほぼ同様。
同じく密度が薄いのでグロス面が残る上に、番手が細かいので全面しっかりツヤを消すにはかなり非効率。
(あくまで今回の用途に照らして・・・ということですので。)
実際に試してみる前は #320 くらいの比較的荒い番手で一気に仕上げるのを想定しておりましたが。
それだと上記の通り、研磨剤が接触しないところに細かくグロス面が残ってしまいがち。
ということで、一旦 細かい番手で全面のツヤを落とした上で、ヘアライン仕上げ的に荒い目を掛けるという手順にいたします。
(通常の仕上げとは逆方向です。)
こちらも具体的に検証。
まず 『A-1. 極極細目 (#800〜#1000)』で全体的にツヤを消す下地処理をデフォルトとして、その上に荒い番手を掛けるという折衷案。
● 「A-3. 細目 (#240〜#320)」との組み合わせ
やはり、思っていた以上にキレイに仕上がってしまう印象。
(ピンボケでスミマセン。)
● 「B-2. #320相当(中目)」との組み合わせ
番手的には上の [A-3] と同じではありますが、実際の仕上がりが荒い方に振ってみました。
う〜む。
ここまで行くとヘアラインが大味過ぎて、何だか わざとらしい印象。
(ピンボケでスミマセン。 Reprise)
● 「B-1. #400相当(細目)」との組み合わせ
一段 細かい方で試してみたところ・・・。
割と木肌っぽい感じが出せている気がするので、この組み合わせに決定いたします。
グロスから一度荒らしている分 ヤスリの食いつきもよく、左程 強い力は要りません。
但し、ヘアラインを出来るだけ下の木目と方向を合わせないと途端にわざとらしくなってしまうので、そこは注意が必要。
バック側は障害物が無いのでその点ではやり易いのですが、トップはちょっと面倒な作業になりそうです。
この「マット仕上げにする」作業が最も時間を要するはずなので、こちらを進めながら 他にやれることを並行してやって行こうと思っております。
次回以降、磨き(削り?)の進捗も含めつつ・・・ということで。
(『その5』に つづく。)
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