(『その1』から つづく。)
『Epiphone CASINO Coupe』を『なんちゃって JLカジノ 2』に改造する不定期連載。
実作業に突入いたします。
今回は・・・。
◆ 課題1 (『なんちゃって JLカジノ 2』新規製作)
● 1-1:ピックガードを外す。
のところ。
現在の『Epiphone CASINO Coupe』のピックガードの状態。
ネック側のビスと、ブリッジ側の L字金具ごと外して終了。
・・・ではない。
↓ こちら。
(1992年 『JHON LENNON DAYS 「ジョン・レノン、もう一つの魂」』展 パンフレットより)
“ ホンモノ “ は、ネック側のブッシュとビスがそのまま残っております。
いや、少なくともピックガードを外す際に一旦はこのビスとブッシュを外している訳なので、「そのまま残ってる」のではなくて「あえて残している」ってことですね。
まだサンバーストだった時期だと思いますが、ピックガードが外れていて L字金具が残っている写真を見たことある気がするので、もしかしたら最初は「ピックガード、試しにちょっと外してみた。」くらいのつもりだったのかも。
でも、その後塗装を剥がしてからもこのブッシュを付け戻しているってことは、余程何かこだわりがあったのか。
もし生前に ジョン に会う機会があったとしたら、一番訊いてみたかったのは “ そこ “ だったかも。
で。
そのブッシュとビスの再現について。
『なんちゃって JLカジノ 1』の方ではこんな感じ。
ピックガードを外した後、ビスとプッシュを付け戻しております。
ブッシュはちょっと硬めの黒いゴム製、外径 9mm/内径 5mm/高さ 5mm です。
恐らく・・・ですが、あえて(それなりに)柔軟性のあるゴムを使っているのは、トップのカーブに馴染ませ易いのと/ビリつき防止策なのではないかと思います。
上記写真で見る限りでは “ ホンモノ “ も 大きさは概ねそんな感じ。(材質は分かりませんけど。)
但し。
このネック側の固定用ビス、オリジナルの カジノ は『丸皿頭』なのですが、ジョン機 “ ホンモノ “ の写真を改めてよ〜く見たら『なべ頭』になってました。
エレキギターには様々な仕様のビス類が使われており、中にはギター界隈専用と思しき特殊なものも存在します。
こちらは参考までに、一般的なビス頭の形状。
(サイズや形態がまちまちなので、あくまで参考として。)
左から、なべ/皿/丸皿/トラス。
(この画像では『丸皿』のみギター用パーツとして売られていたモノ。その他は汎用の規格品です。)
『皿頭』と『丸皿頭』は穴の側をテーパー状に加工することによって頭を沈めるので、カジノ のネック側のビスはピックガードの座繰りとセットで本来は『丸皿頭(もしくは皿頭)』のはずです。
(そこは ’64年モデルの写真などからも伺えます。)
従って、 “ ホンモノ “ に使われている『なべ頭』のビスは、何らかの理由でオリジナルではないモノに換えられている・・・ってことかと。
まあ、ど〜〜〜でもよいお話かとは思いますが、もしかしたら本気で情報をお探しの方には多少なりともお役に立てるかも知れませんので。
作業に戻ります。
今回ピックガードを外した『なんちゃって JLカジノ 2』の方でもこのブッシュとビスは当然再現・・・と思っていたら、意外な落とし穴が。
まず、『CASINO Coupe』の仕様。
ネック側は 2.6mm相当と思しき『なべ頭』の木ネジと/透明のポリエチのチューブで固定されております。
その理由。
『Coupe』は通常の カジノ に比べてボディが小さいため、ネックのジョイント位置も違います。
故に、フロントピックアップからカッタウェイの底までの距離も全然違う。
『Coupe』の方が圧倒的に狭いのです。
この幅が狭いがために 通常版カジノ と同サイズの『丸皿』使用は断念して、一回り細い 2.6mm木ネジ を採用したのだろうと思います。
(因みに、『Coupe』のピックガードにも しっかり皿頭用の座繰りは入ってましたが・・・。)
ということで、今回は『Coupe』からの部品転用は不可能。
加えて、悩ましき問題は やはりこの “ 狭さ “ です。
対策を考えます。
『Coupe』のビス穴はフロントピックアップの上端にかなり近い。
ここに “ ホンモノ “ 相当の大きさのブッシュを取り付けたらピックアップにぴったり着いてしまって明らかに不自然です。
そこで、2段構えの対策を講じます。
〜 現状の穴を一旦埋めて/適度な位置に少し小振りなブッシュを取り付ける。
まずは「穴を埋める」作業。
・・・なんですが。
後の工程で塗装面に手を付ける予定(マット仕上げ化)なのと、出来れば木部にはギリギリまで手を付けないことにしたいので、
〜 シールで塞ぐ。
ことにいたします。
ちょっと探したら 20年くらい前のいい感じにノリが死に掛けたラベルシートがあったので、それに着色して穴を隠します。
そして、ブッシュの代替品。
ちょうど断線して捨てようと思いつつ「何かに使えるかも。」と思って捨ててなかったパッチケーブルがあったので、その被覆を利用します。
(こういう感じでモノが捨てられない。実際に「捨てなくてよかった!」という体験が 10年に 1度くらい巡って来るので、尚更捨てられない・・・。)
ケーブル被覆の外径が 5.9mm。
ビスは 2mm の『なべ頭』を選択。
但し、こちらも同じく木部の加工を極力避けるため、両面テープで固定するだけに留めます。
一応 “ ホンモノ “ を意識しながらブッシュの位置を調整。
穴隠しのシールも貼って、こんな感じに。
シールは、色目は割といい感じに合わせたつもりでしたが、周辺は厚いクリアー塗装で覆われているのでイマイチ馴染んでおりません。
(遠目に見る分には及第点かと。)
あと、「ブッシュの外径は 7mm/ビスは 2.6mm のなべ頭」くらいのバランスが もうちょっと “ 主張 “ があってよいかも。
引き続き使えそうなモノを探すことにいたします。
まあ、この “ なんちゃって感 “ 丸出しなところこそが当連載の本懐かと存じます。(マジで。)
一方、並行進行(予定)のこちら。
◆ 課題2 (『なんちゃって JLカジノ 1』オリジナル復元)
● 2-1:ピックガードを再取り付け。
『その1』でも触れましたが、通常カジノ の方のピックガードが行方不明につき 目下捜索中。
いずれにしてもピックガードを付け戻す作業は最後にしたいと思います。
その間に まずはそのピックガード発見が第一ですが、もし見付からなかった場合・・・。
今回取り外した『Coupe』のピックガードは転用不可です。
これも『その1』で書いた通り “ 似て非なるもの “ ですので。
現物を合わせてみると ↓ こんな感じ。
ちょっとズラしてみると、あれ? 意外に・・・
いや、やっぱ全然ダメじゃん。
幸い(?)『E』のエンブレムは剥がして使えそうなので(既に剥がれかかってる)、最悪これを流用しつつピックガード “ 自作 “ ってのもアリかも。
あ、でも。
世の ナチュラル・フィニュッシュの カジノ 所有者のみなさん、恐らく 9割方ピックガードは外してると思うのですが・・・。
ってことは、恐らく世界中で数万枚の カジノ用ピックガードが余剰品として保管/若しくは処分されているに違いない。
実際、オフィシャルのジョン・レノン シグネチャーモデルにも外した状態のピックガードが付属品として同梱されているみたいだし。(確実に “ 余ってる “ ・・・はず。)
となれば、ネットオークションやネットフリマには カジノ のピックガードが溢れているに違いない。
そう思って覗いてみたところ。
意外に出てないのね・・・。
過去にけっこうな高額(← 主観です)で出品されていた形跡は何件か見掛けましたが。
では、今回のまとめ。
う〜む。
〜 ピックガードを外すだけ。
のはずが・・・。
(私的にはこの “ ねちねち “ 感が楽しいですけど。)
【2020年05月02日 現在】
今までピックガードで隠れていた f字ホールから白いケーブルが覗いてしまっております。
ちょっと押し込んだ程度では治らなかったので、後程 何らか対策を講じたいと思います。
実はこの『Coupe』の個体、購入時から気になっていたのですが、弾くとかなり不快なビリつき音が出ます。
外から見えるパーツ類は一通り触って確かめて問題無かったので、恐らく中のケーブルがトップかバックに触れているのではないかと疑っております。
内部だと直接は手が届かない可能性高いのですが、これも今後の課題として処理したいと思います。
しかし・・・。
こうして眺めてみるとピックガード外したらもう 九割九分 出来た様な気がして来た。
イカん。
この先まだまだ長いので、モチベーション保ちながら参ります。
もうひとつ。
改めて気付きましたが、私的にはピックガードあった方が弾きやすいな〜。
(『その3』へ つづく。)
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