”なんちゃって"にもほどがある『Rickenbacker 325 “風”』JLモデル 【3/4】 | FLOATING JAM の 『続・浮いたり、沈んだり。』

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『その2/4』から つづく。)




連載 3回目にして ようやく本題突入。



 『Monogram MR-850G BLK』

をベースに、

 『Rickenbacker 325 “ 風 ”』JLモデル

に仕立てようというプロジェクト。
(改めて、あくまで “ なんちゃって “ ですので。念のため。)




この『Monogram MR-850G BLK』ですが、『その1/4』での記述の通り、予約時点で他に選択肢が無かったので ある意味 “ 仕方なく “ 選んだという経緯もアリ。


以下、具体的にどの辺りが “ 仕方なく “ なのか・・・というところ。


◆ その1:ピックガード/トラスロッドカバー

本来、私の中で リッケン の ジョン・レノン 使用機の印象としては「白 二層のピックガード」がかなり需要な要素となっております。

が。
『MR-850G BLK』は、型番に『G』の文字が入っている通り「ゴールド」のトラスロッドカバーに「ゴールド 二層」のピックガード。


ジョン が最初に手にして自ら(?)黒にペイントした 325 のナチュラルフィニッシュのタイプは「ゴールド 二層」ピックガードで、コントロールノブが大振りかつダイヤ形の突起が付いたものがオリジナル・・・のはず。
あと、そいつはセンターピックアップのミックス用ボリュームが付いてなかったりとかも。
(ってことは、センターPU は鳴りっ放しってこと?)

何度も出しますが、この ↓ 上の機種が恐らくオリジナル状態(のリイシュー)。
・・・だと思います。

(Rickenbacker 『Vintage Series』カタログ(1993年)より)


それが、諸々の変遷を経て、(恐らく)これ ↓ が黒塗装を剥がされた最終形態。

(シンコー・ミュージック・ムック「エレキ・ギター・ブック 2」 より)



従って私が発注した『MR-850G BLK』、別製品として設定されている ジョン・レノン モデル『MR-850G BLK JL』(ピックガードは「ゴールド 一層」)とも違う、” どっち付かず “ な印象が拭えず。


因みに。
最終形態はコントロールがシルバーのノブになってますが、むしろ ジョン が抱えている現役時代の写真などから Monogram の JLモデル の様な黒くて丸い小振りなタイプの印象の方が強い気がします。



◆ その2:テールピース

やっぱりここが鬼門かと。
Monogram の リッケンタイプ は本家の『R』鋳造一体形とは違って、ワイヤーで支える構造の上に独自な書体の『R』の文字プレートが溶接されてます。

じゃあ、やっぱり『ビグスビー』に換装か・・というと、そうではないんですね~。
(対策は次回へ。)



上記 2点、いずれも「この際(?)、何なら そのままでもよいかな~。」という感じ。
どうせ “ なんちゃって “ だし。
あとは得意の『脳内補完』でどうにかなるし。


発注時点ではその他の仕様詳細がよく分かってなかったことろもあります故。
現物を眺めながら 具体的な施策を検討することにいたします。
もう高校生時代の ネチネチとした拘りは大分薄れてしまった気はしますけど・・・。






そして、『MR-850G BLK』到着。


( ↑ 『ローラ・パーマー』風)





改めて、上記以外の気になる点の洗い出しを行います。



現物を手に取ってみて、まず「?」ってなったのが・・・

 「あれ? 中空ボディじゃないの??」


Monogram 製のコピーモデル群、勝手な思い込みではありますが、オリジナルの再現にけっこうマジメに取り組んでいる印象あります。
従って、325タイプ は(350タイプ も同様に)てっきり中空のボディまで再現されているものと思っておりました。

ここはさすがにサウンドキャラクター面で言ったら決して無視出来ない要素なので。


ここのところ、ちょっと詳しく説明してみます。
(但し、元々よく分かってないので 寧ろ混乱を極めることになろうかと。)

まずは、この『MR-850G BLK』が「中空」であると私が思い込んでいた経緯から。


" ホンモノ " の 325 ですが、恐らくボディが中空です。
いや、少なくとも、同モデルの『f字ホール』の空いたタイプは中空で間違いないはず。

もしかしたら f字ホールの空いていないタイプの 325 は「ソリッド」なのか?? という疑問もなくはないのですが・・・。


あぁ、面倒臭い。


因みに。
これまで私の中ではこのリッケンの中空ボディ、「セミアコ」とか「セミソリッド」とは違い「シンライン」と呼ばれる仕様・・・という長年の認識でした。
珍しくネットで調べてみたら なんだかこの「シンライン」という呼び方が実は F社が誤用したまま定着してしまったという経緯もあるらしいので、ここでは「中空」と表現することにいたします。


私の乏しい知識の中でも、

 〜 リッケンバッカー・ギター の型番『300番台』は「中空ボディ」。

と記憶しております。
Wikipedia大先生 の記述には『325』は入ってませんが、大きな括りで『300シリーズ』と謳っているので恐らく間違いないかと。



まあ、いずれにせよ私の中の認識では「325 = 中空ボディ」だったので、

 「???」

となった訳です。


結局のところ何が正しいのか未だに分かってませんが、この際どっちでもいいや。
どうせ「見た目重視」だし。


とりあえずここまでは梱包を解いて最初に手に持った際の重量の印象と/スイカみたいに指でコンコンとボディを叩いてみた音からの判断でしかありませんでしたが、後にアッセンブリーを外して実際にソリッドなのを確認いたしました。

(ストラト とかに比べると相対的にキャビティがえぐられている比率が高いので、その時点で「セミソリッド」と言えなくもないかも?)


ここは どうにもならないのでスルーです。
まあ、自分で “ えぐる “ という荒技もなくはないですが・・・。
(いや、ないな。)




もうひとつ。
実物を手にして「?」となった件。

 「あれ? ピックアップが浮いてる??」


これにはホントに文字通り自分の目を疑いました。(笑)
何が起こっているのかすぐには理解出来なかったので。

3連のピックアップはそれぞれ木ネジで固定されているのは表から見れば分かりますが、ボディから完全に浮いている・・・ように見える。

ただ。
「そんなはずはない!」と思う意識と/黒くてテカテカのボディに映り込むピックアップの像との整合性が取れずにヒジョーに混乱いたしました。(伝わりにくいかとは思いますが・・・。)

あたかも、

 ~ 半球状のメッキの器の中に赤い玉が浮いている様に見えるのに、触ろうとすると何もない。

っていうトリックのおもちゃを見ている感覚。

ペンを突っ込んでみて、「やっぱり浮いてる!!」と確認。

ホンモノの 325 をちゃんと見たことはないけど、まさかそんな構造なはずはなかろう。


改めてネットで “ ホンモノ “ の 325 の画像を漁っている内に何となく思い出しました。

このトースタートップのピックアップ、下に丸いゴムブッシュみたいなものを噛ませてあるのを見たことがある・・・気がする。

この →  Wikipedia の下の方にある画像でも確認できました。

Monogram 製は、ゴムブッシュが省略されてピックアップが浮いてしまっているってことなのね・・・。


因みに。(「因みに」多過ぎ。)
現行の リッケンバッカー は、ピックアップ下に板状のゴムを挟んでいます。
これは 単にショック吸収目的なのか/ゴムの弾力でピックアップの高さのアジャストまで想定に入れた仕様なのかは定かではありませんが、旧仕様はここが丸形のゴムブッシュだったわけです。

これも後にですが、神田の楽器店でヴィンテージの リッケン を見て確認したところ、経年劣化で かな~り縮こまってカリカリになったゴムブッシュ(の残骸みないなモノ)がくっついてました。


さすがにこの「ピックアップの浮き」に関しては放ってはおけませぬ。
何せ「見た目重視」なので。(Reprise)

ここの対策も次回 詳述いたします。




その他。

◆ ペグは、ツマミがクルーソン風のオーバルタイプでありながら密閉式という仕様。

ここは私好みなので " OK " です。
ペグのメーカーの素性は分からないので精度は信用してよいのかどうかわかりませんが、とりあえず “ 見た目 “ 的には問題なし。(正面から見る分には充分・・・という意味で。)


◆ ホンモノ同様に、ブリッジ上に金属のプレートあり。

尖ったサドルが痛いのでガードの意味かと思います。ミュートのジャマなので これは外すことにします。


◆ ジャックプレートが四角じゃなくてオーバルタイプ。

この辺はいずれ気が向いたら・・・って感じですかね。
(一般的には割と重要なポイントかとも思うのですが、私の大雑把な感性には特に引っ掛からないので。)




以上、ざっと気になる点の洗い出し完了。
次回、最終回(『その4/4』)にて実作業に着手。

実際にどんな施術をしたのか( or しなかったのか)を紹介いたします。





『その4/4』に つづく。)




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