● 2017年9月14日 記事
● 2018年1月25日 記事
に続く、連載第 3回(最終回)。
今回は、迷走する前に あらかじめ結論めいたお話を記しておきます。
~ だれか、「王様は裸だ!」って言ってあげてください。
(自分では言わない。)
テーマとしては・・・
【その1】:ハンカチ
【その2】:ペーパータオル
と来たら、最終回【その3】は やっぱり『ハンドドライヤー』ですね。
よく公共施設や商業施設などのトイレに設置されている、風で手を乾かす電動の装置。
真っ先に浮かんだ名前が ある特定のメーカーの商標だったことに気付いたので、一応 “ 一般名称 “ のつもりで当記事内では便宜的に『ハンドドライヤー』と呼ばせていただきます。
軽~くネット検索した限りでは問題なさそうでしたが、もしこれが商標として採用されていたとしても、その特定の機種を指す意図はございませんので悪しからず。
因みに。
いつもの如く、当記事は 私の 主観/思い込み を軸に構成しております。
公正なデータ取りや 科学的検証とは全く無縁。
従って、今回も この文言 ↓ を掲げておくべきかと。
~ 当ブログ記事はフィクションであり、実在する 企業/団体/製品/商標 などとは “ あまり “ 関係ありません。
やっぱり常に “ 逃げ道 “ はしっかり用意しておきたい。
何なら、『Gメン ’75』の滑走路くらいの道幅が理想です。
では、本題。
~~~~~~~~~~~~
私の記憶では 20年くらい前には既に ちらほらと見掛けたような気がしますが、近年、『ハンドドライヤー』の普及が進んでおります。
ここのところの急速な普及の背景としては、需要増とそれに連れて各社参入でコストダウンが進んだ相乗効果・・・って感じでしょうか。
元々、駅のトイレとかにはペーパータールもなければハンドドライヤーもないというのが当たり前だったと思います。
【その1】でもちょっと触れましたが、日本では
~ ハンカチ/ちり紙 は必携すべし。
という教育(?)があったので、そこは “ 自己責任 “ 的な風潮がベースにあったかと。
一方、飲食店など商業施設の立場としては 対顧客のサービス向上というベクトルで ペーパータオルやハンドドライヤー設置は自発的に行われて来たのだと思います。
それに連れて鉄道駅なども少しずつ意識が変化して行っているのではないでしょうか。
ハンドドライヤーの設置も珍しくなくなって来てますし。
ズバリ具体例として ↓ JR 元町駅(神戸) のトイレ。
「利用客の要望に応えました。」的なことを、誇らしげに謳っております。
あとは、衛生面に配慮してとか/ハンカチを持つ習慣のない(?)外国人客に向けてとかいった環境の変化も一因かと。
駅やショッピングモールなどではペーパータオルよりハンドドライヤーの躍進が目立つ(気がする)のにも、それなりの理由があるのではないかと思います。
ペーパータオルを設置した場合の難点。
これは正に【その2】の内容にも通じます。
まず、常にペーパーの補充の手間が掛かります。
そして、使い終わったペーパータオルの処理。
必然的に「ゴミ箱設置」は必須。
こちらも常に中身のゴミ回収の手間が掛かる。
一頃のテロ警戒で街中のゴミ箱が消えた状況からは大分回復しているとはいえ、ゴミ箱が設置されてないトイレとか、けっこうあります。
また、想像するに『分別回収』の問題もあるのでは。
駅やショッピングモールでは、捨てるゴミ別に 2~4種類くらいに箱を分けていたりします。もし手放しにトイレにゴミ箱を置いてしまったら、分別(← こっちは “ ふんべつ “ )なしに、あんなものやこんなものを詰め込まれてしまうに違いない。
ショッピングモールのトイレに『紙おむつ専用』を謳ったゴミ箱が設置されてたりもしますが、これとて 100% 守られている気はしないし。
一方、ハンドドライヤー設置を選択した場合。
当然ながら設置時のイニシャルコスト(機材そのものや設置工事費など)に加え、ランニングコスト(電気代や保守費用)が掛かります。
実際に比較したらどうなのかは存じませんが、感覚的に「それでもペーパータオルより “ 手間 “ が掛からないのでマシ。」なんじゃなかろうかと。
あと、動作音がデカいので小さな飲食店などでは採用し難い一方、ショッピングモールなどでは利用者の絶対数の多さも含めて結果的にハンドドライヤーの方が「楽」な気がします。
私の見立てでは、ハンドドライヤーには大きく分けて 2タイプあります。
[A] 揉み手型
・比較的古いタイプに多く、現在では少数派。
・高い位置(上辺が肩ぐらい)に設置。
・開口部に向かって正面から両手を入れる。
・風に当てながら両手を揉み合わせる。
[B] うらめしや型
・現在主流のタイプ。
・低い位置(上辺が腰くらい)に設置。
・上面のスリットに両手を拡げて差し込む。
・手を風に当てながら上下させる。
(↑ こちらも、取説ラベルにそう書かれている場合が多い。)
[B]の「うらめしや型」が主流なのは、こちらの方が奥行きを小さく出来るからではないかと勝手に推測。
あと、どちらも『風』で手を乾かすのは同じですが、「温風型」と「冷風(= 常温)型」に分かれます。
これも私の見立てでは、「温風型」は比較的古いものに多く(= 結果的に[A]の方に偏り)/「冷風型」は新しいモノに多い気がいたします。
もしかしたらホントは「温風型」なのに、ヒーターの立ち上がりが悪くて「冷風」のまま終わってしまうケースもあるのかも。
・・・と、ここまで私なりに認識しているハンドドライヤーの現況を並べてまいりましたが。
私は、原則的にハンドドライヤーは使いません。
理由は簡単。
~ 手が乾かないから。
あ、いや。
あまり断定してしまうと “ 逃げ道 “ がなくなってしまうので・・・。
訂正します。
~ あくまで私の経験上、あまり「手が乾いた」という実感を得られたことがないため。
(個人的な感想です。)
って感じですかね。
(これで『青葉シンボルロード』くらいの退路は確保できたかと。)
『ハンドドライヤー』なのに手が乾かない・・・。
実は、これまでそんな理由でハンドドライヤーを使っていなかったわけですが。
この連載記事を構想し始めたのが昨年(2017年)の夏。
【その1】をアップしたのが同年 9月。
そのまま立て続けに【その2】→【その3】と行くはずが完全にスタックしておりました。
ならば・・・。
この「手が乾かない」という事象が そもそも私の思い込みである可能性は否定出来ないし、もしかしたら近年 ハンドドライヤーの性能が革命的に向上しているやも知れぬ。
ということで この 3~4ヶ月ほど、機会があればむしろ積極的にハンドドライヤーを利用。
ちょっとだけ自説の検証を試みました。
尤も、「検証」とはいえ冒頭に掲げた通り、何ら 科学的にとか/統計的に といったお話ではなく。
あくまで “ 日常 “ の流れの中で “ フツーに “ ハンドドライヤーを使ってみた感想を蓄積。(← “ ドライヤー “ だけに・・・。)
結果的に、
~ やっぱり、手が乾かない。
という結論に。
あ、あくまで 私の経験上・・・ということで。
「じゃあ、『手が乾かない』と言うけれど、どれくらいの時間使ってるの?」
まあ、順当な疑問かと。
私なりの “ 日常 “ の流れの中でハンドドライヤーを使う感覚として適切なのは(・・・というか MAX 許せるのは)、『5秒間』です。
水道で手を洗って
↓
周りに迷惑にならない範囲で出来るだけ水気を払って
↓
ドライヤーに手をかざす
↓
あまり “ 乾いた感 “ はないものの、ドライヤーの爆音に気が引けるので『5秒間』くらいで一端中止
↓
実際に「乾いてない」ので、再度ドライヤーに手をかざす
↓
やっぱり “ 乾いた感 “ が得られないまま、再び『5秒間』で断念
↓
結局、シャツで さりげなく手を拭う
・・・って感じです。
この “ 日常的 “ な流れの一環としてのハンドドライヤーの使用時間。
ペーパータオルで手を拭う行為と同列に位置づけたなら、やはりズバリ『5秒間』が勝負だと思うのです。
例えば駅のトイレに於いて。
比較的大きなターミナル駅のトイレの場合、各トイレごとに手洗い場は多いところで 3台くらいでしょうか。
それに対してハンドドライヤーは、まあ大体 1台かと。
利用者が多い時には手洗い場にも若干の待ち列が出来るくらいの状況で、さらに もし全員がハンドドライヤーにきっちり『5秒間』掛けたとしたら・・・。
間違いなく『ハンドドライヤー渋滞』が発生いたします。
ホントは、後続の人に気を使わないギリギリのラインは せいぜい『3秒間』ではなかろうかと。
設置されているハンドドライヤー、前述の様に取り扱い説明のラベルが貼ってあるものは極少数に限られます。
取説かと思ってよく見ると「フィルター交換の際は~」みたいな、メンテの説明だったりすることの方が圧倒的に多い。
そんな状況だけに、尚のこと。
具体的な『使用時間』について書かれたモノは一度も見たことありません。
恐らく、各メーカー/各機種で推奨される『使用時間』は ちゃんと設定されているものと思われます。
メーカーのサイトで調べたり/カタログで確認することは可能・・・なはず。
でも、あえて調べてないのは取説のない状況で果たして “ 日常的 “ な流れに沿える使い勝手なのかどうかを、余計な先入観なしで確かめてみたかったため。
(↑ 実は「面倒臭い」と同義だったりして・・・。)
試しに、実際にどこまで時間を掛ければ「乾く」のかを確かめてみることに。
あるデパートのトイレにて、他に人気のないところを見計らって。
「うらめしや型」で「冷風型」のモノでした。
開始から 40秒まで粘ったところで、まだ「乾いた」実感が得られないまま ちょっとした罪悪感と/えも言われぬ恐怖心 に苛まれて断念。
ハンドドライヤーのあの轟音って、人を不安にさせる何かがありますね。
「乾かない」中でも、特にポイントは『水滴』かな~と思います。
可能な限り手に残った水気を払ってからドライヤーに当てるわけですが、この時点で手のあちこちに『水滴』が残ってます。
水滴のない部分は恐らく分子レベルの厚みでうっすらと水の幕が残るだけなので、風に当てればすぐに乾くものと思われます。
ところが。
水滴は、例え小さくても 風圧で飛ばすにせよ/熱量で蒸発させるにせよ かなりのエネルギーが必要なはず。
私の言う最初の『5秒間』で勝負を決めようとした場合、
~ 生爪が剥がれるくらいの高い風圧
もしくは、
~ 指毛 全焼失 & 表皮に焼き色が付くくらいの高温
が必要なのでないでしょうか。
(例に依って科学的根拠は全くございません。)
~ この際、いっそのこと『マイクロ波』で・・・。
とか、恐ろしいことは申しませんけど。
この「乾かない」ハンドドライヤー、私自身が使わないのは私の勝手なんですが。
実は、出来れば他人にも使って欲しくない。
一番端的な例として、某高速道路のサービスエリアのトイレのケース。
子供の頃、昔のサービスエリアの あの “ ほぼ立ちション “ スタイルのトイレがイヤでイヤでたまりませんでした。
今はどこの SA もヒジョ~に清潔で快適。
主に高速バスのトイレ休憩などで度々お世話になっております。
この SA のトイレ、手洗い場の数も豊富で冬場は温水が出るところもあったり。
その手洗い場のシンクとシンクの合間にハンドドライヤーが設置されております。
手を洗おうと やや前屈みになったところに、真横で誰かにハンドドライヤーを使われた場合。
そのドライヤーから吹き出す風が、モロに顔面を直撃!
「むむっ!」ってなります。
決して気分はよろしくない。
「気分」の問題だけなら まだよいのですが・・・。
よく病院のトイレなどで、細菌やウィルスをきっちり洗い流す『正しい手の洗い方』の説明を見掛けます。
石けんをよく泡立てて、指の間や爪の間・手首の方までよく洗って、最後にしっかり水で流す・・・みたいな。
ここまできっちりやって、ようやく菌やウィルスを除去出来る。
ってことは、翻って。
“ 日常的 “ な感覚でトイレの後にさらっと手を洗うくらいのやり方では、菌やウィルスに対してはほとんど『気休め』程度の対処しか出来ていないのでは?
結果、菌&ウィルスまみれの手を敢えて水に濡らして/その 菌&ウィルスまみれの水滴を風圧で空気中に拡散させているってことではないのか??
機能の追加を希望いたします。
~ 『5秒間』で細菌やウィルスを完全に死滅させる、超強力な紫外線滅菌ランプを装備
う~む。
兵器か・・・。
結論です。
~ だれか、「王様は裸だ!」って言ってあげてください。
(え~っ! 私の方が裸ですと!?)
~~~~~~~~~~~~
・・・と、ここまで書いて読み返してみたら、今回も気付きました。
『ハンドドライヤー』は、実は『ハンドドライヤー』ではないのではないか?
文中に記している通り。
街中で見掛けるハンドドライヤーには、ほぼ『取り扱い説明』が付いておりません。
とすると。
メーカーにしてみたら
~ 取り扱い説明も読まずに使わないで下さい。
ってことかも。
昨今、製造物責任の立場から いろんなモノの取り扱い説明書には「これでもかっ!」ってくらいに禁止事項や注意事項が満載されております。
「ご使用の前に必ず取扱説明書をお読み下さい。」とか「この説明書を保存しておいて下さい。」というのも極々当たり前に。
となると、メーカー側の立場としては、
~ そもそも取説も読んでないのに使っちゃうなんて、言語道断じゃね!?
ってことなんでしょうね、きっと。
ちょっと反省いたしました。
で。
そう考えると。
取説を読んでないってことは、「使い方」どころか その装置の「機能」自体を理解していない可能性が・・・。
私が一方的に『ハンドドライヤー』だと思い込んでいたモノが、実はそもそも『ハンドドライヤー』ではなかった可能性もあるってことなのですね。
となると・・・。
トイレでよく見掛ける、
~ センサーが反応すると強風(時に温風)を吹き出す箱状の装置
の何たるか。
改めて その可能性を考察。
◆ 可能性 その1:ハンカチドライヤー
濡れた手を風圧で乾かそうなどというのは極めて野蛮な発想。
一旦ハンカチで手を拭い、その湿ったハンカチを専用ドライヤーで乾かすというのが文明人。
◆ 可能性 その2:環境にやさしい『虫除け』
コンビニの駐車場などで見掛けますが、光でおびき寄せた昆虫を高電圧の電撃で撃退しようなどというのは極めて野蛮な発想。
文明人は、うっかり迷い込んだ虫たちを風圧でそっと追い返す。
◆ 可能性 その3:『T.M.Revolution ごっこ』用 簡易特功装置
台風の季節でなくとも、『T.M.R. ごっこ』が低リスクで手軽に楽しめる。
トイレよりも、むしろカラオケボックスに常備したい。
(まあ、それはそれで野蛮・・・かもしれない。)
◆ 可能性 その4:スタイリッシュな『真実の口』
映画『ローマの休日』でもお馴染み、石の彫刻の口の部分に手を入れると「噓つきは手を喰いちぎられる。」という伝説を持つ『真実の口』の普及版。
アーバンなライフスタイルにも違和感なく溶け込むスタイリッシュなデザインにアレンジ。
同時に、『嘘つき』に対する制裁レベルをコンプライアンスにも配慮した 4段階に再設定。
・制裁レベル1:セーフ:冷風
・制裁レベル2:概ねセーフ:温風
・制裁レベル3:ギリギリセーフ:熱風
・制裁レベル4:アウト:マイクロ波
将来的な軽犯罪裁判の迅速化を念頭に、即決式の『簡易自動裁判装置』としての導入可能性を探る社会実験を実施中。
これまで私は『温風』までしか経験しておりせんので、噓つきのレベルとしては「概ねセーフ」ってことですね。
・・・まあ、それはそれとして。
当記事から、恐らく私は『アンチ・ハンドドライヤー派』かと思われてしまうかも知れませんが、それは違います。
最後に、私の大好きなハンドドライヤーをご紹介。
これはあるメーカーの特定の機種に限定されたお話になってしまうのでアレなんですが・・・。
洗面台のボウルに、ハンドドライヤーがビルトインされたタイプ。
私が初めてこの機種を見掛けたのは、かれこれ 7年程前の『静岡市立美術館』の男子トイレ。
(「女子トイレ」の方の事情は知りません。ホントです。)
当時まだこのビルトイン式のドライヤーに気付いていない方も多く、手を洗った後に壁のハンドドライヤーを探してキョロキョロしてる人がいたら すかさずこのドライヤーを起動させて、ちょっとだけ優越感に浸るのが好きでした。
ただ。
この取説ラベルにある通りに手を拡げて上下させようとすると・・・。
センサーは恐らくフツーに手を洗っている際の誤動作を防ぐため、けっこう手前(ボウルのふちに近いところ)で反応する仕様になっています。
従って・・・。
センサーが反応する位置で手を拡げて上下させると、すぐに指先がボウルの底(手前の斜面)に付いてしまう。
↓
「あっ!」と思って手を少し奥にやると、センサーに反応しなくてドライヤーは停止。
風は出ない。
↓
仕方がないので、手前の方でなんとなくモジモジしながら手を揉み合わせてはみるものの、結局すっきり乾かない
↓
最終的に さりげなくシャツで手を拭う
・・・という結末に。
ある飲食店では、このビルトイン式のドライヤーのスイッチは切ったままで、横にペーパータオルを置いてました。
そんなところも含めて とっても愛おしい。(← マジで。)
(『トイレで手を洗う話』、おわり。)
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