改めて、『ライブ観覧』の根幹は「その時/その場所に居合わせる」ことなんだ~という思いを深めております。
当初、「平日だから。」という理由であっさりあきらめておりましたが、所用交えてウマいことまとめました。
東京にて観劇 二題。
その1。
● 3/25(火) 早稲田大学演劇博物館前舞台
早稲田大学坪内逍遥博士記念演劇博物館主催
企画展示「今日もコロッケ、明日もコロッケ — “益田太郎冠者” の大正」関連演劇講座
「黒色すみれ、演博で『コロッケ』を歌う 益田太郎冠者劇中歌演奏会」
長い・・・。

ちょっと唐突な感もありかと思います。
説明すると長いので、フライヤーのキャプションを引用させていただくと。
(手抜きではなく、合理的な選択ということで。)
~ 大正時代に活躍した喜劇作家 益田太郎冠者(ますだたろうかじゃ)。彼の作品には流行歌『コロッケの唄』をはじめ、多くの劇中歌がつかわれていました。100年間忘れられていたそれらの歌の数々を「黒色すみれ」と女優たちが演博(えんぱく)の舞台でよみがえらせます。またあわせて太郎冠者喜劇のいくつかの場面を再現します。
出演:
黒色すみれ
市川梢
中島美紀
有栖川ソワレ
清水ゆり
大西智子
基本的には 耽美デュオ『黒色すみれ』さん の演奏会らしいのですが、何やら特殊な催し物と思われ。
しかも、女優『市川梢』さん 出演ですと。
『市川梢』さん → 『Projct Nyx』 → 『黒色すみれ』さん という『妄想連鎖』の流れも踏まえて、観ないと後悔しそうな気配。
なんとか午前中に所用を終えて、早稲田まで。
初めて行ったけど、『早稲田大学』といえばやっぱりこんなイメージ?

どうやら当日は卒業式だったらしく、スーツ姿の男子や袴姿の女子、その親御さんやらでごった返しておりました。
よくよく考えてみると大学は春休み中で 通常ならキャンパスにそんなに人出はないはずなので、あえてこの「卒業式」というタイミングにイベントを当てたということなんでしょう、きっと。

その人ごみからちょっと奥まったところにある「演劇博物館」。
なんとも風情のある建物ですが、『坪内逍遥』が シェークスピア全集 の翻訳を完了したのを記念して建てられたもので、今は演劇にまつわる資料の展示を一般に開放している博物館・・・、ってキャンパス内のツアーガイドの人が言ってるのを小耳に挟みました。
その博物館正面の舞台にて屋外ライブ。
開演前 ちょっと早めに着いたので、博物館内をさらっと一周。
建物内部も風情たっぷり。
展示は流し見してしまいましたが、また機会があったら じっくり覗いてみたい。
(といって 二度と行かないパターン。恐らく。)
14:00 開演、途中 休憩を挟んだ二幕構成。
各幕のオープニングには Key. 『えびさわなおき』さん のサポートありで 黒色すみれさん オリジナル曲を 1曲ずつ披露。
その後は件の劇中歌の演奏と、女優陣による喜劇が交互に。
劇中歌とセットになったコミカルなダンスや、テンポのある喜劇(いわば「コント」ですかね)とか、想像していた以上に高密度な演目で見応えありました。
これが単発公演だなんてもったいないな~・・・と思ってしまうのは 恐らく素人の浅はかさ。
やっぱり、「その時/その場所に居合わせる」ことこそが『ライブ』なのだ。
と言いながらも ちょっと期待したいのは、せっかく掘り起こした楽曲は 黒色すみれさん のライブ演目として継続していただけたらよいな~、と。
何なら CD 化とかも・・・。

終演後の撮影タイム。

今回の公演「撮影OK」とのことだったのですが、上演中は「観る」ことに集中してて忘れてました。
その2。
● 東中野 芝居砦・満天星 「Project Nyx 第12回公演 『夜の馬』」

今回の Project Nyx 公演、期間中の土日は都合が付かないので早い段階で観覧をあきらめておりました。
が。
考えてみたら、むしろ 全く想定になかったその会期中の平日に東京に行く機会に恵まれたわけで。
これはチャ~ンス!
とはいえ、19:30 開演。公演時間が約 1時間50分 ということなので、帰りの都合を考えると ちょっとムリがある。
でも。
遅めの夜行バスならなんとかなるか?
(この場合、翌日への影響は 避けられないけど。)
・・・などなど。
当日も ぎりぎりまで迷いに迷って、結果 当日券にて観覧決行。
開演 1時間前から当日券発売とのことだったので、それくらいの時間には会場に辿り着く予定でしたが。
久々の『道に迷った話』、今回は「自分が信じられなかった」のが敗因。
前回訪問の際の記憶頼みでヒジョ~に いい線まで行ってたのに、「いや、こんなにスムーズに行けるはずがない・・・。」と疑ってしまった。
曲がらなくてもいいところで曲がって、お寺の石段を下って上って汗だくに。
開演 30分前の 19:00 過ぎに到着。
平日だから当日券でも余裕だろうなんて踏んでおりましたが、そうでもなかった。
劇場のキャパは ざっと 100名くらいですが、きっちり満席でした。
この「満天星」という劇場、閑静な住宅街に建つマンションの地下 2階。
女優『水嶋カンナ』さん 主宰の「新宿梁山泊」/「Project Nxy」の稽古場 兼 劇場という位置づけだったかと思います。
ほんとにフツーのマンションの地下なので、「非日常」が繰り広げられているそのすぐ上で「日常」を送っている人々がいるというギャップが何とも不思議な感覚。
しかも、その幅の印象からは想像できないほど深~い奥行きのある舞台、その奥行きを活かした演出がまた「非日常」感を煽ります。
今回特に、紗幕を使った演出が幻想的でツボでした。
『夜の馬』は、普段は 寺山修司作品を演目に揚げている Project Nyx 初のオリジナル作品とのこと。
まあ、私の場合は音楽ライブ同様に能天気に「浴びる」という態度で臨んでおりますので、いつものごとく これといった気の利いたコメントはございませんが。
それでも、ひととき「非日常」に没頭できるというのは貴重なフィールドでございます。
(この後の夜行バスで ずりずりと「日常」に引き戻されていく感覚も、貴重と言えば貴重かも。・・・)
今回、Project Nyx ブログには各公演ごとの「投票結果」というのがアップされてます。
何となく「そんな感じかな~。」と思ってたら、「概ねそんな感じ。」でした。
(ネタバレ防止のため、それ以上は申しません。)
それにしても。
舞台俳優さんって、なかなか顔と名前が一致しない。
何度か「生」で拝見していても、宣材写真と舞台メイクとのギャップとか、さらにウィッグかぶったりしたらもう誰が誰やら・・・、って感じです。
昼間の演博に出演されていた『有栖川ソワレ』さん がこちらにも出演されてましたが、フライヤーといっしょに配られたキャストリストと照らして「あぁ、あの人・・・かな?」みたいな。
「役者」ではなく「役」で観るという意味では正しいのかも知れませんけど。
因みに 私の場合、TV CM とかで拝見する役者(モデル?)さん とか、顔はよ~く知ってても名前は全く知らないという人 多数。
どうでもいい話ですが。
ということで、多少の荒技を駆使して手に入れた「非日常」。
その代償は・・・。
気にしないことにします。
■ FJスズキ ■