今年のアイビーデーは3月31日になりました
アイビーデーというのは、アメリカの超名門アイビーリーグ8大学が合格発表を出す日です。毎年8校揃い踏み。時間も一緒です。東海岸時間午後7時。
受験生は、この時間が来るのをコンピューターの前でまんじりともせず、待ちます。そして。。。。。
『オーマイゴッドオーマイゴッド
オーマイゴッド
』
って具合に叫べば、それを部屋の外で全身耳にして聞いている両親が、全速力で入って来て、
『オーマイゴッドオーマイゴッド
オーマイゴッド
』
ってことになります。
受験生と両親を狂乱させるアイビーリーグですけど、つい最近行われた全米大学水泳競技会で、アイビーリーグの1校であるペンシルベニア大学の学生がフリースタイルで、ぶっちぎりの優勝を果たしました。この勝利、色んな所で物議をかもしてます。
この人、トランスジェンダーなので。
2月に行われたアイビーリーグの大会でも、全フリースタイルで彼女は記録更新でぶっちぎりの優勝でした。
(左がMTFのペンシルベニア大学生で、右がFTMのイエール大学学生。どっちも女子競技に参加)
トランスジェンダーのアスリートの扱いについては、東京オリンピックでも議論されたことは、記憶に新しいですが、アメリカの大学連盟は、ホルモン治療を始めて1年経っていたら、元男子を女子として参加させていいという規定になっていました。
このMTF(男から女)の学生は、大学には男子水泳選手としてリクルートされて入学したんですけど、コロナで競技が出来なかった最中に、性転換して、今大会から女子として出場となりました。
興味深いのは、同じペンシルベニア大学の水泳・飛び込み選手半数が連名(匿名ですけど)で意見書をアイビーリーグに提出したことです。
これが、その要約
『彼女』が自分のアイデンティティを『女』と言うのなら、私たちは、それを受け入れてフルサポートをして行きます。ですが、どうして男女に分けて競技が行われるようになったかに立ち戻っって考えて下さい。体力的に劣る女子にもスポーツをするチャンスを与えるために女子競技が出来たはずです。ですから、生物学的に『男』である『彼女』に女子として参加させるのは、不公平で、一生懸命努力して来た女子選手の機会を奪っています。それを許すのなら、女子競技は生物学的に男子である人たちのものとなるでしょう。
この投書を受けて、アイビーリーグは、ホルモン投与を始めて3年以上でなければ、女子として扱わないというルールに変えました。ですけど、この処置は段階的にするので、この『彼女』はこのまま女子扱いということになりました。
そして、この学生は、先週末の全米大会にも出場し、優勝しちゃった。
決勝に出場出来るのは、16人で、17人目だったバージニア大の選手のチームメートが泣きながらインタビューに答えてました。彼女が男子で出ていたら、過酷な練習に耐えて頑張って来たチームメートが出られたのに、って。
因みにこのMTFの学生は、身長が190センチ以上あります。うーーん。男子でのランキングは462位で、女子なら1位。ホルモン投与を始めてから筋肉が落ちて、記録も落ちたということですけどね。それからFTM(女から男)の学生も女子として出場してます。
この問題、最終的な結論に辿り着くまで時間がかかりそうですねえ。
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