『今日は曇りだから月は出ないと思うけど、今度晴れたときに見ておくようにする。つまり、もし覚えていたらだけど』
天吾は礼を言って電話を切った。もし覚えていたら。それが数学科出身者の問題点のひとつだ。自分に直接関心のない事象に関しては、記憶の寿命はびっくりするほど短い。
これは、村上春樹著の『1Q84 Book3』からの引用です。
ワイキキビーチに転がって、この本を読んだって言いましたよね。日本語の文庫は恐ろしいことに6冊もあるんですけど、3年前に日本から5冊しか買って来なかったこの引用は、持ってる最後の本、5冊目に出てきます。それにしても、最後どうなるか分からないのは、あんまりです。あああああ。間抜け
自宅に戻って、見つけました娘が買っていた英語翻訳版
やれやれ。それにしても、半端ない厚さです。1200ページとかあるんですから
最後の200ページ英語で読みました。
(娘が3冊村上春樹の本を買っていました!読んだかどうかは知りませんけど。)
この本、日本語から英語にスイッチしても違和感がないのに驚きました。
村上春樹は、自身が翻訳家だったこともあって、そもそも翻訳調。最近は、ずっとノーベル賞の呼び声も高いですから、英訳されるのを意識してる登場人物が食べるものも、そのまま英語になっても分かりやすいものばかりですし。張り込みをしながら食べるものだって、アンパンじゃなくて、チーズだのクラッカーだのコーンビーフだのチキンスープですから。
ひとつだけ気になったのが、カステラ。英語ではケーキがくっついて『カステラ・ケーキ』と訳されてました。ふうん。英語圏の人ならパウンド・ケーキかな、と思ったんですけど。どうですか
話がそれました。
要は、数学者が『物を忘れる』ということは、常識らしい、ということが言いたかっただけです。はい、すみません。
筆者の息子も工学部に転入するまでは、数学専攻だったんですが、人の話を全く覚えていません。この引用を息子に言ったら、何を言っているんだと、怪訝な顔をされました。しょーがない奴。
来週いっぱい大学はリモートで、息子は家にいます。その息子との攻防がいろいろあって、グチを言いたかっただけです。村上春樹さん、すみません。しょーもないブログに引っ張りだしました。
最後に、ひとつ。来週末にオンラインセミナーを予定してます。いつもMITだのアイビーリーグだのの話ばかりしてるんで、公立大学だって負けてないよ、という内容です。良かったら、ご視聴下さい。
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