今日は、バレンタイン翌日。ロマンティックなディナーは如何でしたか?無事、チョコを配るべき人たちに渡せましたか?
近頃、日本では、義理チョコなんて渡す方も貰う方も、負担になるから止めた方がいいとキャンペーンを張っていらっしゃる方々も多いと聞き及んでおります。どうなんですかねえ。
アメリカでは、日本以上にこの日を乗り切るのは大変です。これ、ホント。
職場では、女性の同僚に次々とバラが届きます。送り主は、ご亭主だったり、恋人だったり。これが机の上にバンバン飾られる。そのまま職場に花を置いておく人もいるし、持って帰る人もいる。いずれにせよ、貰ったという事実は、職場にアピール出来ます。これ、キツイ。
アメリカでは、バレンタインは女性が男性にチョコを送るというお決まりはなく、両方向から行われる。というか、男性からの求愛の方が普通ですかね。で、夜は、ロマンティックなキャンドルライト・ディナー。もちろん、これは本気のバレンタイン行事。
で、もちろん、義理(?)もある。
一番盛んなのは、小学生。親をも巻き込んで、大騒ぎ。はっきり言って、これ、親の負荷が半端ないです。なんせ、クラス全員が対象ですから。
気合の入った親は、カップケーキをクラスの人数分焼いて、ラッピングして持たせたりします。大半は、もちろん、手抜き。ハロウィーンの時みたいに、バレンタイン仕様の小さな箱に入ったキャンディが入ってる大袋をスーパーで買う。このパッケージには一つ一つ子供が喜びそうな『Bee My Honey』(これは、自分のものになってね、というセリフをもじって、ハニービーというミツバチが代わりに書いてある。)なんて書いてある。だけど、買うだけじゃ、終わらない。送る相手の名前と自分の名前を書き込む作業が待ってる。これが結構、面倒。夜なべ仕事?
バレンタイン当日は、担任の先生の指導のもと、キャンディー配布となります。キャンディを手に入れて、そのままクラスパーティーに滑りこむパターンも多。だから、親も、面倒だなあ、と思いながらも学校行事だし、やるしかない。ねっ、これ半端ない義理チョコ配布でしょ。
アメリカの子供たちは、こんな風にバレンタインを過ごすんですけど、ワシントンポストにバージニア州の高校の先生でかつ作家であるメラニー・マッカービーがちょっといい話を寄稿していましたので、ご紹介したいと思います。
(ワシントンポストの記事)
マッカービー女史は毎年、バレンタインの日に高校生たちに特別授業をしてます。
彼女は、6年生の時にクラスに片思いの男子がいた。毎日、日記に彼の名前を沢山の書くくらい好き。甘酸っぱい。
担任の先生に言われて、クラス全員がクラスメートひとりひとりにカードを書くことになったそうです。クラスメートからのカードの入った箱を渡されて、中に入っているカードをまず、机の上に。まず、ラメ入り糊で宛名が書かれた大きい封筒が目に入った。誰か、自分に特別なことをしてくれる人がいる!ドキドキしたそうです。封筒を開けるとまず、『バレンタインの女王へ』の文字。凄い、凄い。次に見つけたのは、片思いの男子の名前!天にも上る気持ち?で、彼からの特別なメッセージも目に入った。『クラスで一番醜い君へ』
こんなカードを貰った6年生の気持ちを考えると、たまりませんよね。マッカービー女史はこの時の気持ちを何年も引きずったそうです。分かるなあ。
で、高校教師になってから20年。ずっとやっているのが英語の特別授業。ハート形に切ったピンクの紙をクラスの人数分ひとりひとりに配って、クラスメート全員に渡すメッセージを署名入りで書かせる。但し、ポジティブで、誠実なメッセージのみ。喋ったこともないような相手に対しても何か書く。将来思い出しても、恥じないメッセージを書く。18才の高校生は10才に戻ってバレンタインの学校イベントを楽しむ。つまり、生徒たちが自分に自信を持たせるための特別授業。この時にずっと片思いだった女子に告白した男子もいたとか。いいですねえ。
マッカービー女史は生徒たち全員の署名が入ったこんなメッセージを貰ったこともあるそうです。『この教室で一番可愛い女の子に』って。そのメッセージは、彼女の机の横に壁に貼ってあるそうです。子供の時の悲しい思い出は、20年間の特別授業で上書きされた、というお話。この記事、彼女に嫌なことをした男子(もうオジサンだろうけど)にも読んでもらいたいなあ。反省しろ、バカ!
どうでした?義理チョコもこんな風に使うなら、悪くないかも。どうですか?
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