『橋を渡るのが好きで、そのためだけに徘徊くことがある。対岸には何の用もないと云うのに、立派な橋を目にするとつい渡ってしまう。渡ったところで所在もなく、結局戻ってくる。・・・・・・・・往って帰って元通り、元の木阿弥となる。』
これは、京極夏彦作『書楼弔堂 破暁』の一節です。
これを読んで、ちょっと笑っちゃいました。
カリフォルニアから引っ越して来たばかりの頃、目的はないのに、何度もジョージ・ワシントン・ブリッジ(GW橋)を渡っちゃいましたから。筆者の場合は、橋好きと言う自覚ありませんけど、我が家の高速出口は橋の直前、NYに一番近い出口。ここは、慣れないと車線変更が良く分からず、気が付いた時には、橋を渡る羽目になってる。1回渡ると15ドル。泣きましたねえ。渡ったところで所在もなく、結局マンハッタンに入って、方向転換して橋をまた渡って帰るだけ。元の木阿弥。ははは。
(ジョージ・ワシントン・ブリッジを渡って、ニューヨークに入るところ)
GW橋は、ハドソン川にかかる橋で、世界で一番交通量の多い橋なんだそうです。まあ、そうでしょうね。いつも渋滞してますから。間違って渡っちゃうと、自宅まで10分だったはずなのに、あっと言う間に1時間になっちゃう魔の関所。渡ってる最中は、それなりに楽しいですけど。
今日は、マンハッタンに住む知り合いが日本に帰るお手伝いで、件のGW橋を渡って出かけて来ました。だから目的ありの橋渡り。
GW橋と言えば、橋を渡る寸前にUターンをしようとして料金所の側の路肩に車を停めて逮捕された29才の青年がいます。この人、テロリストの疑いで現在3ヶ月拘留されています。このニュースを読んで、小市民の筆者は、『やっぱり間違っても無理なUターンはせず、15ドル払って、橋を渡ろう』と思ったもんです。ははは。
(USAツデイの見出し。両親は息子はGW橋にテロ攻撃をしようと企んでない、言っているとあります。)
橋は、テロリストのターゲットになりやすいこともあって、ニューヨーク/ニュージャージー合同港安警察が常時警備してます。
で、この青年、橋の手前に車を停めたて、警察の尋問を受けた。一見、道を間違った風?ですけど、運転していたマツダのSUVから偽のライセンスプレートが3枚出てくるし、働いてもいない会社のIDカードも数枚あるし、GWをメンテしている土建会社の看板も出てくるし。状況は限りなく怪しい。で即、身柄を拘束されました。ごもっとも。
この青年の車に付いているEZパス(高速道路の料金パスで、車のフロントガラスに取り付けてる)の記録を見ると、このGWだけじゃなくてリンカーン・トンネルだの、ベラゾノ・ブリッジだのNYを結ぶ主要な道路をこの事件のすぐ前に、何度も通っている。やっぱり、何か企んでる?
NYに通じるGW橋は、テロ対策の対象ですけど、今、中国への出入りも大変になって来ましたねえ。テロじゃなくて、コロナウイルス。これも人類を無差別に脅かすテロ?アメリカ政府も中国にどうしても行かないといけない場合を除いての渡航を止めろ、と言ってますし、先週の金曜日からデルタ航空もアメリカ航空も運行を取りやめました。
アメリカの大学も戦々恐々をしています。なんせ、アメリカには中国からの留学生がワンサカいますから。昨年のデータによると37万人!アメリカから中国に留学した学生は、1万2千人。結構な出入りです。
現段階で、コロナウイルスの感染が確認された中国人留学生は1人。アリゾナ州立大学の学生です。この大学、2万2千人の学生がいて、潜伏期間の2週間、授業に出なくても許してくれ、と学生からの嘆願書が出たらしいです。まあ、気持ちは分かる。
近頃、アメリカの大学は海外留学をプログラムに組み入れているのが流行です。もちろん、中国も留学先の一つ。1学期を海外の提携大学で授業を受けさせると言うのが、通常のやり方です。幸か不幸か、丁度新学期が始まる前に、このコロナウイルス騒ぎになったので、どこの大学もこのプログラムをフリーズしているようです。
例えば、シカゴ大学は、中国国内に学生が学べる自前の施設を、持っていますけど、もちろんこれは閉鎖中。この騒ぎが収まれば、プログラム再開となるんでしょうけど、この学期を中国で過ごそうと思っていた学生には、残念なことですねえ。次の機会があるといいんですけどね。
(シカゴ大学が学生に促しているコロナウイルス防止策)
いずれにせよ、ウイルスを貰わないように、手洗い励行に努めましょう。あまり、人混みのいる所に出かけないで、家でマンガ?を読むのもいいかもしれません。
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