極悪人コロンバスを讃える日 | 双子をアイビーリーグに入れた母が綴る『知らないと損をするアメリカの教育事情』

双子をアイビーリーグに入れた母が綴る『知らないと損をするアメリカの教育事情』

双子の子供を2人ともアイビーリーグに入学させた母親であるフレックスラーニングのシニアカウンセラーがニューヨーク近郊から発信しています。フレックスラーニングはアメリカ大学進学相談、オンライン家庭教師のプロです。

今日は、コロンブスの日です。

 

3連休を利用して、またまた、カナダに友達と出かけた娘から紅葉の写真を送ってもらいました。秋ですねえ。

 

(筆者の娘が送って来たカナダの写真)

 

以前ブログで書きましたけど、カナダの飲酒年齢は18ですから、21まで飲めないアメリカの大学生は国境を越えて、禁断の味を楽しみに出かけます。と言うことで、しょーもない筆者の娘は、2泊3日で友達4人と国境を越えた、ってお話です。

 

ちょっと笑ったのは、中間テストが近いとかで、夜、クラブでカクテルを飲む以外は、ホテルで勉強したらしい。そこまでして、カナダまで出かけるなんて、ホント若いなあ、と思ったりしてます。Study hard! Play hard!って言うことなんですかねえ。親としては、誇るべきなのか、呆れるべきなのか、判断に困ります。まあ、いいか。

 

コロンバス・デーと言うのは、1937年に制定されて以来の連邦政府のお休み。連邦政府とその管轄下にある金融機関はお休みです。でも、一般企業も学校もほとんどが平日扱いと言う、不思議な日でもあります。

 

不思議というか、近頃、物々しい祭日でもあります。アメリカ国内のあちこちでプロテストが起こる日でもあります。ニューヨークのマンハッタンにコロンバス・サークルというロータリーがあって、その真ん中にコロンブスの銅像が立っているんですけど、この銅像もペンキを塗りたくられたことがあります。

 

(これは、今日の報道。ロードアイランド州プロビデンスのコロンブスの銅像もこの通り)

 

なぜか?

 

コロンブスはアメリカ大陸を『発見』した英雄だったんですけど、まあ、先住民の立場からするととんでもない大悪党という位置付けになります。彼のおかげで、ヨーロッパ人が先住民を追い立て、大虐殺する歴史を作ったんですから。それで近頃は、この祭日に血を象徴する真っ赤なペンキで銅像が塗られる事件が起きてます。実際に大虐殺をした人たちの子孫が、祖先の蛮行を償ってるってことなんですかね。

 

アメリカでは、現在、先住民(いわゆるアメリカ・インディアン、正しくはネイティブ・アメリカン)は手厚く(?)保護されています。これが本当に正しい保護なのかは別としてですけど。

 

本来の土地から追い出された先住民は、リザベーション(居留地)に集められてます。タダで、土地が与えられている。元々の肥沃な土地を取り上げられているので、これが公平な代償であるかどうかは、疑問ですけど。

 

それから、先住民には変な特権が与えられてます。カジノの経営権。実際の経営には関わっていないのが普通で、その権利を貸して利益を得る。不労所得、ってやつです。政府も過去を清算するために、渡すのがカジノなのか!って気がするんですけどね。

 

先住民族のエスキモーの方はアメリカ政府から与えられているのが、捕鯨の権利。日本が世界中からバッシングを受けている捕鯨ですよ!そのエスキモーは、その権利を漁業会社に売ったりしている、と言う変な構図があることは、暗黙の了解。

 

インディアンにせよ、エスキモーにせよ、保護の元に、不思議な権利を与えられています。

 

先住民たちは、大学進学の際にも恩恵を受けます。大学側は、多様性を重んじますから、とにかく先住民の学生は好ましい。実人数も少ない上、辺鄙な居留地は残念ながらあまり『いい』学校がないので、優秀な先住民の受験生凄く少ない。だから、引っ張りだこになります。そんな受験生は、アイビーリーグ何校からも合格通知をもらったりなんてこともあります。

 

そんな優秀なインディアンの高校生の話を書いた本を読んだことがあります。シャーマン・アレクシーの”The Absolutely True Diary of a Part-Time Indian” (『パートタイムのインディアンの本当の日記』とでも訳しますかね)

 

邦訳は出てないかもしれませんけど、機会があったら是非。著者自身も、インディアン居住区で生まれ育った人で、笑いあり、涙ありで、ホント、いい本です。オススメ。

 

 

主人公は、自分の将来の可能性を求めて、問題児ばかりの居留地内の学校から白人ばかりの高校に越境入学し、彼以外のインディアンは、学校のマスコットだけ、という環境で孤軍奮戦します。居留地の友達はインディアンを裏切ったとして、エセ白人として彼を扱うのに対し、白人の高校では、彼はインディアンの代表としての顔を保つことを期待されると言うジレンマに悩む。だから、主人公は自分のことをパートタイム・インディアンと自虐的に呼ぶんですね。

 

ねっ、ちょっと面白そうでしょ。この本、アメリカの屈折したインディアン観が良く分かります。

 

本当にインディアンの立場を理解して、コロンブスの銅像にペンキを塗っているのかどうか、考えるのにも良い本かもしれません。

 

と言うわけで、アメリカでは大荒れの祭日がやっと終わろうとしてます。それでは、みなさまご機嫌よう。

 

 

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