先週、ブラウン大学のチューター数人に会って来た時のお話。
開口一番、『いやあ、参りましたよ、ベーグル屋の前に車を停めていたら、ぶつけれちゃって。』と、一人の男子学生。
彼が、ベーグル屋でお気に入りのチャイブ入りクリームチーズたっぷりのベーグルを頬張っていたら、怖い顔をした警察官が入って来たとのこと。
(チャイブ入りクリームチーズを塗ったベーグル)
『マサチューセッツのランセンスプレートがついたスバルは、誰のだ?』と言いながら。
チューター君、駐禁だったっけ?とビビりながら、『僕のですけど。。。。』と恐る恐る答えると、警官急に声を落として、『ゴメン、バックし過ぎて、ぶつけちゃったんだよね。ほんと、ゴメン』ちょっと、笑っちゃうでしょ。
アメリカでは、ちょっとぶつけたくらいでは、警察を呼びません。お互い、クルマ保険の情報を交換して終わり。あとは、保険会社に任せる。このチューター君の場合は、ちょっと違う。初めから、警察関与。はははは。
ブラウン大学はロードアイランド州一番の都会、プロビデンスにあります。大学のキャンパスは、町中に広がっていて、歩いて気の利いたカフェにも、レストランにも、洒落たブティックにも、モールにだって歩いて行けます。大都会ではないけれど、何でも揃っていて、しかも頑張れば、歩いてどこにでも行ける結構な場所にあります。その上、大学のシャトルサービスもある。だから、まあ、クルマなんて無くても生きて行けます。それでも、車を持っている学生がいます。
このチューター君は、大学から50分ほどのボストン出身なので、車を持っていると自宅に気軽に戻れるから便利、と言っています。本人にとって便利なのか、それとも親が家に頻繁に帰って来て欲しいと思っているのか、どっちなんだか。
郊外型大学と言うか、身も蓋もない言い方をすると、ど田舎にある大学(結構、これは多い)の学生だって、毎日、修行僧のような生活を送るなんてことは出来ないですから、たまには、どこかに行きたい。どこの大学にもシャトルだとか、ライドシェアだとかありますけど、自分の行きたい所にまっすぐ行くなんて、夢のまた夢。
筆者の息子は田舎の大学に行っているので、キャンパスに閉じ込められている。だから、ショッピングは、もっぱらアマゾン。でも、たまに友達の車を借りてウオールマートに行っちゃったりしているようです。買って来るのは、最近ハマっているビーフジャーキー。こういうのが、楽しみというのが、『田舎』の大学生。ナイトライフなんて全くない。健康的ではあります。ちょっと、情けないけど。
どんな学生が車を大学に持って来ているかと言うと、先述のチューター君同様、家と大学が車で移動出来る距離にあるようですね。親は、頻繁に帰って来てね、と言う密かなメッセージを送っているような感じですかね。そう言えば、チューターの中に、東海岸の大学から実家の近くのカリフォルニアの大学に編入した学生がいるんですけど、彼女も東に居た時は、車を持ってませんでした。でも、カリフォルニアに戻ると車を早速、大学に持って行きました。彼女は、大学から家まで45分の距離。そう考えると、親が娘に会いたい(?)と言うのが車を持たせる大きな要因のような。実際、飛行機で往来している学生は、車をキャンパスに持ってないようですねえ。
さらに言うと、車のレベルは、家からの距離で決まるような気がします。
結構いい車を持っているのは、ボストン出身やカリフォルニア出身のチューターたちのように、自宅が大学からそんなに遠くない学生であるような気がします。高速に乗って自宅と頻繁に往き来しても、大丈夫なちゃんとした車。
で、しょっちゅう家に帰えることの出来る距離では無いけれど、車をキャンパスに持って来ることの出来る距離から来た学生の車は、大学の周りで使うと言うのが主目的なので、あまり、立派な車じゃないことが多いような気がします。親からの払い下げの、古いボロ車。
息子がたまに借りる友達の車もCDプレーヤーじゃなくて、テープデッキが付いているような年代物のステーションワゴン。ダッシュボードに入っているのも、その昔、友達が聞いた幼児向けのお歌の入ったテープばかり、と息子が笑っていました。
大学生相手のレンタカー、と言うのもあります。
ハーバード大学のあるマサチューセッツ州から始まったジップカー(Zipcar)。
(Zipcarのサイトにリストアップされた大学の一部)
この会社は、都会で普段は車を必要としない人とかを対象する他に、大学生をターゲットにしています。大規模校のキャンパスには、ほとんどあります。普通のレンタカーだと、未成年には絶対貸さないですけど、ジップカーは、未成年にも保険付きで貸してくれます。最近、ブラウン大学に行った時に、本物を見ました。大学の音楽学部図書館の前に数台ありました!オンラインで予約をして、支払いをして、指定された車を勝手に持って行くと言うシステムのようです。便利ですねえ。ほんと、これは上手い商売です。これで、自分の車が無くても、お出かけが出来ると言う寸法です。なるほど。
筆者の息子も春休みに、友達と割り勘でジップカーを借りて、モントリオールまで行っちゃいました。国外にも出れちゃうんですねえ。便利。大学生の旅行になんか絶対、買ったばかりのアキュラSUVは貸さない、と筆者は言い切っちゃったんで。友達の親御さんもみんな拒絶したようです。それで、ジップカー。当たり前ですよね。大学生男子、親を見縊るな!
と言うことで、今回は、アメリカの大学生の車事情についてお話しました。
それでは、皆さま、安全運転を!
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