タイガー・ウッズ、メダルもらっちゃいましたねえ。Presidential Medal of Freedomって言う文化・スポーツだとかに貢献した人に贈られるメダル。
このメダル、日本で考えると、国民栄誉賞と言うよりも紫綬褒章に近い気がします。なんせ、その道で長いこと頑張って来て、そのキャリアが終わる頃にもらえるメダルと考えられていますから。でも、タイガーはまだ43。このメダルをもらったゴルファーは、これまでたった3人。アーノルド・パーマー、ジャック・ニコラウス、そしてチャーリー・サイファー。誰でも納得するラインアップ。
確かに、タイガーは、凄いゴルファーなんでしょうけど、この受賞に眉を顰める人も多い。筆者もその一人。
10年もの間、メージャートーナメントの優勝から遠ざかっていたタイガーの華麗なる復活直後に渡されたメダル。まあ、タイミング的には、いいのかもしれないですけど、年齢だけじゃなくて、あげた人がマズイ。トランプ大統領。この人とタイガーは、ビジネスパートナーですからねえ。トランプは、若い時からタイガーを応援して来ただけならいいんですけど、自分のゴルフ場を散々デザインさせていて、長年、タイガーとは、チームメートだと言って憚らなかったんですから。タイガーの方は、ミスター・トランプのために働いている、と公言していた。
うーーん、ちょっと微妙。
日本でもタイガーは、有名だった(過去形)と思うんですけど、アメリカでは、ゴルフの神童として子供時代から有名だった。だから、大学も放っていなかった。数多のスカウトをもらって、スタンフォード大学に進学しています。彼は、カリフォルニア出身ですから、まあ、これはベストな選択だったと思います。1年中、ゴルフも出来るし。冬の長いアイビーリーグだったら、こうは行かないですもんね。
ね、散々、言ってますけど、スポーツで極めれば、こうして超難関有名大学から、レッドカーペットで迎えられます。フィギュアースケートのネイサン・チェンもイエール大学ですからね。皆さん、頑張って、世界の頂上を目指しましょう!(出来れば。まあ、ちょっと難しい?)
20歳でプロに転向してからの快進撃は凄かった。1997年のマスターで優勝してから、タイガーの名前をチャンピオンシップにずっと見て来ましたからねえ。こんなゴルファー、他にはいなかった。しかも黒人。それがまた良かった。とにかく、ゴルフゴルフ人口の大多数を占めるお金持ちの白人層の中で、目立った。そのマイノリティであることで、目を引いた始まりだったとしても、彼の信じられないメージャートーナメントの相次ぐ優勝に、皮膚の色も忘れて、全米がやんやの喝采をおくりました。
(タイガーのメジャー優勝の記録)
でも、タイガーの名声も2010年まで。
車を消防水栓にぶつけてから、公私ともに転落が始まりました。ナイトクラブで手当たり次第に女性と浮名を流したタイガー。北欧出身のモデルだった奥さんにゴルフクラブで追いかけられて、ひっぱ叩かれたタイガー。この二つを引っ掛けて、コメディアンにクラビング(ナイトクラブ回りと奥さんのゴルフクラム事件)でタイガーは、問題を起こしたと揶揄されたりしましたっけ。その結果の離婚。
その後、タイガーは、怪我も相次いだこともあって、鳴かず飛ばず。筆者のような一般人の目からは消えたかのようでした。それで、今回の10年ぶりの快挙。マスターズでの優勝。
20才以下の子供たちは、今回初めてタイガー・ウッズの名前を聞いたかも?
筆者の息子が小学生の時にタイガー・ウッズの事件が起きたんですけど、学校で非常に興味深い事件がありました。
英語の授業で私の尊敬する人について書く作文の課題。渡されたプリントに記載されたアメリカの英雄たちのことを調べて、作文にすると言う課題です。アメリカの歴史上の人物、初代大統領のジョージ・ワシントンだとか、ナイチンゲールだとか、リンカーンだとかと並んで、タイガー・ウッズの名前もそのプリントにありました。とにかく、当時は、黒人のスターで、ヒーローで、凄かったですから。
(その頃の能天気な息子)
ところが
授業の途中で、スキャンダルが起きて、何と学校の先生は、タイガー・ウッズの名前に横線を引きなさいとクラスで言い放ちました。この名前は、なかったことにしなさい、と。教育見地から望ましい人物ではなくなった。
何だか、戦中・戦後の日本の言論統制みたいで、笑っちゃいました。教科書に墨を塗って、なかったことにする。はははは。アメリカでも、こう言うことはあるんだなあ、と妙に感心しちゃいました。リベラルを自認している筆者は、息子にきちんとタイガーが『墨塗りの刑』にあった理由を説明しました。あっちこっちの女の人に手を出して、奥さんにひっぱ叩かれたこと。
9歳の息子は、”I see.” と一言。はははは。
まあ、ともかく、タイガーさん、受賞おめでとうございます。
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