ニューヨークのハリウッド | 双子をアイビーリーグに入れた母が綴る『知らないと損をするアメリカの教育事情』

双子をアイビーリーグに入れた母が綴る『知らないと損をするアメリカの教育事情』

双子の子供を2人ともアイビーリーグに入学させた母親であるフレックスラーニングのシニアカウンセラーがニューヨーク近郊から発信しています。フレックスラーニングはアメリカ大学進学相談、オンライン家庭教師のプロです。

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それにしても、あんまりです。やっと春が来た!と思ったのに、まだ、一気に寒くなりました。摂氏10度ないんですから。

 

こんなに寒いのに、一昨日の日曜日、従姉妹のローラに呼び出されてニューヨーク市ブルックリンの倉庫街まで出かけて来ました。寒かったー!しかもほとんど、吹きっさらしの屋上。

 

(屋上から見えるニューヨークの汚水処理タンク)

 

ローラの家は新進の芸術家を何年も支援しているんですけど、父親が1年半前に亡くなったので、ローラが後を継いでその財団の代表になりました。財団と言っても大げさなものじゃなくて、役員は身内ばかり。毎年、何人か賞を出してアーティストに資金援助をしています。ここだけの話、毎年、少しでも寄付しないとまずいし、筆者はちょっとプレッシャーを感じていました。出してないと、親戚の集まりでも肩身が狭いですから。はははは。

 

15年だか前に賞をもらった画家が、自分のアトリエを見せてくれて、その活動を説明してくれると言うので、ローラから招集されました。身内以外でそこに現れたのは、財団が応援している美大生数人。だから、本来の意味のゲストは、美大生。

 

行ったのは、ブルックリンの端っこで、川を挟んでクイーンズとマンハッタンがある地区です。この画家が使わせてもらっているのは、このあたりの再開発で多目的スペースとして生まれ変わった倉庫の一部。この再開発をしている団体の人も来ていて、色々説明を受けました。

 

1950年代までは、石油会社エクソンモービルがタンカーを乗り付けて、精製していた所で、その後も、1970年代まで水汚染、それから地質汚染が続いていた。その責任を取ってエクソンモービルがクリーンアップに使うべく莫大な資金を出した。その資金を受け、運用する組織が作られて、現在もエコ重視の再開発が進められていると言うのがバックグラウンド。エクソンモービル、アラスカでもタンカーをひっくり返したりしてましたけど、何年にも渡って、汚染したりとか、お盛ん(?)だったんですね。まあ、日本でも70年代は、公害が問題になりましたしね。東西同じ。

 

(昔、タンカーが着いたドックを挟んで、マンハッタンを臨む。)

 

計算外だったののは、吹きっ晒しの屋上に長いこと立たされたこと。こんなことなら、ダウンパーカーを来てくれば良かった!失敗!ドレスアップして来た自分を呪った!

 

汚染地区のクリーンアップをしているNPOのスタッフが親切(?)にそのプロジェクトの説明を吹きっさらしの屋上でしてくれました。何でまた屋上か、と言うと、この辺りの倉庫の屋上は造園家を入れて、ニューヨークに自生する草花の庭が作られているから。イチゴが花をつけてました!夏には、この屋上で、コンサートやらパーフォーマンスやらをしたりするらしいです。ふーん。夏なら、寒くなくていいですよねえ。こんな思いしなくていいですよねえ。ふん。

(屋上に植えられた草花。コウモリも鳥も昆虫も夏の間は、ここに食事に来る)

 

この屋上からは、色々見えます。マンハッタンの高層ビルも見える。汚水処理タンクも見える。メトロガスの工場も見える。ニューヨークで一番古い墓地も見える。昔のタンカーが着いたドックも見える。そして、ブロードウェイシアターが所有している倉庫群がこの道沿いに見える限り続いています。この通り沿いは、撮影所だとか、パーフォーマンスだとかに使われている。NPOスタッフは嬉しそうに、『ここはニューヨークのハリウッドです』と言ったのはご愛嬌でした。ちょっと、違うだろ。ははは。

 

(これが噂のNYのハリウッド)

 

(メトロガス工場の向こうに見えるNYで一番古い墓地)

 

公害で置き去りにされた地域がエコ地区として生まれ変わろうとしています。日本でも東京の臨海地域は、随分生まれ変わって新しい建物が立ったみたいですけど、こちらは、新しい建物にせず、古いまま倉庫の雰囲気を残してリサイクルしようとしているようです。

 

画家のアトリエは、不思議な空間でした。天井から何本もロープがぶら下がっている。この画家の絵には必ず、様々なポーズをした複数の人物が描かれています。で、モデルたちは、いろんなポーズでロープにぶら下がることを要求される。ちょっと、大変かも。

 

このアトリエ、他のアーティストが作業する時にも喜んで使わせてくれたりする。それから、倉庫で行われるいろんなパーフォーマンスだったり、コンサートだったりする時に、作品を披露する画廊にもなる。同行の美大生にも作品展示をさせてあげる、それから大きいものを制作した胃なら、使ってもいいよ、と言ってました。来た甲斐があったよね。実際、この5月に卒業する学生は、大学のスタジオが使えなくなることを心配していたみたいですから。

 

画家の話で興味深かったのは、芸術家として生きていける心得3つ。

1. 表現したいことがあること。 

2. 作り続けるスタミナがあること。  

3. 助けてくれる人がいること。

 

助けてくれると言うのは、ローラみたいなパトロンがいることよりも、芸術家仲間がそばに居て、刺激を与えあったり、生活レベルでもサポートをし合うことらしいです。でも、この画家は、財団からもらったお金で倉庫街の片隅に共同コミューンみたいな住処を拵えて、3人の芸術家と一緒に共同生活をしています。だから、やっぱりパトロンも大事。(?)このロフトは、国内外のアーティストにも開放していて、プロジェクトのためにニューヨークに来たら、泊めてあげる。

 

同行の美大生たち、頷いてました。いいなあ。

 

大学を出て生活苦に押しつぶされながらも、どうやって制作を続けて行けるかは、真剣な悩みですからね。普通の大学を出て就職をするのと違いますもんね。お金が入らなくても、創造力を維持して行くと言うのは、どんなに大変なことなのか。

 

そう言えば、パリやウイーンのカフェは芸術家の溜まり場でしたよね。画家を夢見たヒトラーもウィーンのカフェに出入りしていた。もっとも、このコミュニティ、彼にはうまく行かなかったのが残念です。画家の道を諦めて、違う方向に走ちゃいましたから。

 

寒い日曜日、芸術家と芸術家の卵と過ごす貴重な1日になりました。

 

ローラ、ちゃんと少なくても寄付を続けますから、また、イベント呼んでね。


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